男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!

らな

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第130話 会談の後

アルフォンスが退室した後、部屋の中は何とも言えない雰囲気が漂っていた。
「リア。アルフォンス殿下とはそんなに親しくしていたのか?」
未だ茫然とするリアにロイが尋ねた。
「学院の先生の中では一番親しくして頂いてたの。オレンジの栽培方法以外にも、穀物栽培や畜産とか色々親切に教えて下さって・・・。」
リアの口調にはアルフォンスへの信頼が感じられた。

「リア。率直に君の考えを聞きたい。アルフォンス殿下のことをどう思っているんだ?グラシアスに嫁いでもいいと思っているのか?」
そうリアに問うエリオットは真剣な表情だった。
「父上!」
ジークフェルドが父に詰め寄ろうとしたが、ロイに押さえつけられた。
聞かれたリアは少し顔を赤らめ、気まずそうに視線を下に移した。
そんなリアを見たジークフェルドは悲愴な表情を浮かべかけた。

「グラン先生は父さまみたいだと思ってたんです。穏やかで優しくて、何でも知ってて・・・。王都に一人で出てきて、寮にも学校にも友達はいるんですけど、時々家がすごく恋しくなることがあって。先生と話していると父さまといるみたいで安心できたんです。子供みたいで恥ずかしいんですけど・・・。」
両手で頬を押さえ恥ずかしがるリアを見て、ジークフェルドはホッと息をはいた。

父親代わり・・・

「ロイ。殿下はおいくつだったかな?」
微妙な表情のエリオットに、これまた微妙な表情のロイが答えた。
「確か、24歳だったかと。」
「まあとても落ち着いていらっしゃるから、少し上に見えるかもしれんな・・・。リア」

名前を呼ばれ、リアがエリオットを見た。
「ユーフェミアの件がうやむやのままになっているのは事実だ。今はアルフォンス殿下がリアを手に入れるため、昔の話を持ち出して正当性を主張しているだけだ。しかし、国として正式に申し入れてこられると厄介なことになる可能性もある。」
リアは真剣な表情で頷いた。
「リアがもし殿下とグラシアスに行くと決めたのなら私は反対しないし、行きたくないと思ったのなら出来る限りのことはしてやりたいと思っている。しかし、話が国と国の交渉といったレベルになってくるとかばいきれないかもしれない。だから、出来るだけリアが自分で殿下と話をつけて欲しいんだ。」
エリオットの言葉にリアは小さく頷くしかできなかった。

その後も話し合いが続いたが、早朝からお披露目会の準備やらで疲れていたリアがフラフラし出した。
「もう遅いし、リアが限界のようだ。一旦ここで休憩しよう。」
エリオットの言葉にリアは頷くと、緊張の糸が切れたのかそのまま寝てしまった。

自分にもたれスヤスヤ眠るリアを見て、ロイが笑みを深めた。
「少し見ない間に綺麗になって、もう子供じゃないんだと寂しく思ったが。まだ幼いな。」
愛し気にリアの頭をなでた後、両手で横向きに抱き上げた。
「陛下。リアを離宮の部屋へ連れて行きます。私は、また戻ってきますので。」
ロイは一礼すると、リアを抱えたまま部屋を出て行った。

ジークフェルドは父に一礼すると、慌ててロイの後を追いかけた。
「ロイ、待てよ。」
自分に追いついたジークフェルドに声をかけられ、ロイは歩みを止めずに視線を彼に向けた。
「なんだ?」

ジークフェルドは身分は王子だが、幼い頃から剣の師匠だったロイとは非公式の場では気安い関係なのだ。

「ロイはリアをどうしたいんだ?グラシアスに嫁に出してもいいと思っているのか?」
ロイはふんと鼻をならし、前を向いた。
「思っているわけがない。ようやく俺の元に来たのに。」
ロイの返事を聞いてジークフェルドはホッと胸をなでおろした。
今、リアの保護者はロイだ。
彼の考え一つで、どう転ぶか分からない。

「グラシアスに嫁がせるくらいなら、おまえにくれてやる方がいいと思っている。リアの気が変わらないよう、せいぜい頑張ってくれ。」
その言葉にジークフェルドは頷いた。
「ああ。」

しかし、返事はしたものの明日からリアは東の離宮で過ごすことになっている。
ジークフェルドは不安な気持ちを抱えながら、部屋まで付き添ったのだった。




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