始まることの前に

高城

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つきのむかしばなし

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以前、私から見える星には人類と呼ばれる種族がいた。
愛を唄い、死を尊びながら、争い続ける愚かな種族。私はその愚かな人類を愛していた。

そんな人類はもういない。彼らは愛を忘れ、死を蔑ろにし、争うことから逃げられなくなっていた。
だから私は彼らを破壊した。醜いものをいているのは耐えられなかったから。

さぁ、次の星が見えてきた。青い星、またここに種をまき、人類の誕生を待とう。

今度の人類はまた私の背中を見ることにならないといいけど。
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