転生魔王と12人の機械メイド

medaka

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第十二話:インディゴの遺産と新たな主

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虹河龍一とマキナ・クラフトは、インディゴの居城の最上階で賢者レノアと対峙していた。研究室の薄暗い灯りの中、機械メイドが無言で動き、感情を奪われた住人たちが静かに役割を果たしている様子が垣間見える。

虹河は「このメイドや住人、ちゃんと役割分担してるな。まるでひとつの社会だ」と呟く。メイドは食事を運び、住人たちは掃除や物資の管理を淡々とこなしている。マキナが「まるで小さな村みたいだね。みんな感情がないのに、ちゃんと暮らしてる」と感心する。

レノアは杖を軽く握り、「インディゴが作り上げた秩序だ。感情がなければ争いもない。彼らには役割が与えられ、それに従うだけだ」と淡々と説明する。
マキナが窓の外を見ながら、「インディゴは争いのない世界を望んでいたのかな……」と呟く。
虹河は「そうだな。感情を奪うのは極端だけど、争いをなくす方法としてはありかもしれない」と軽く笑う。レノアは黙って二人を見つめていたが、マキナが「ちょっと外の空気を吸ってくるね」と部屋を出ると、虹河に近づき、小声で語り始める。
「マキナが生まれる前、ユキナは子どもを流産した。その絶望の中でインディゴに感情を奪われたのだ」と。
虹河は「レノアさん、だからユキナさんがあんな目に遭ったのか」と目を細める。
レノアは「そうだ。インディゴはユキナの苦しみを見て、感情を奪うことで救おうとしたのかもしれん。私が村に着いた時、すぐに儀式でユキナの感情を取り戻した。」と続ける。
虹河は「インディゴのやり口、妙に人間臭いな。けど、この城の連中は? インディゴの命令って何だったんだ?」と尋ねる。

レノアは机の上の羊皮紙を手に取り、「インディゴの命令は単純だ。『与えられた役割を果たし、平和に暮らせ』。
精神魔法で彼らの意志を縛り、その命令を植え付けた。感情を奪われた彼らは、それに従う以外に生き方を知らない」と説明する。
虹河は「シンプルだな。けど、魔王が消えた今、その命令を俺が上書きしたらどうなるんだ?」と不敵に笑う。
レノアが「お前がインディゴの命令を上書きする気か?」と鋭い目で見つめると、虹河は「そうだ。この城の主になって、こいつらを味方に引き入れて、この世界を握る足がかりにする」と企む。

レノアは一瞬黙り、やがて冷たい笑みを浮かべ、「お前がこの城の主となるか。いいだろう。インディゴの命令を上書きする儀式を教えてやる」と言う。マキナが部屋に戻ってくる前に、レノアは虹河を研究室の奥に連れ、床に刻まれた魔法陣を示す。「これが精神魔法の基盤だ。お前の意志を込めれば、住人やメイドの命令を書き換えられる。ただし、失敗すればお前自身の精神が縛られるかもしれん」と警告する。虹河は「レノアさん、俺の精神力なら大丈夫だろ。やってみる」と自信満々に頷く。

レノアは魔術書を開き、儀式を始める。魔法陣が淡い光を放ち、虹河は目を閉じて意志を集中する。
「俺、虹河龍一がこの城の新たな主だ。インディゴの命令を上書きして、こいつらに俺の意志に従うよう命令する」と心の中で唱える。部屋に響く低いうなり声と共に、光が一瞬強まり、やがて収まる。
レノアが「終わった。上書きは成功したようだ。お前が何を命令したかは知らないが、結果はすぐ分かる」と言う。

その時、機械メイドが静かに近づき、「新たな主、虹河様。何をなさいますか?」と抑揚のない声で問う。虹河は「とりあえず、この城を俺の拠点にする。住人には今まで通り暮らしながら、俺の命令を聞くよう伝えといてくれ」と指示する。メイドは「了解しました」と答え、部屋を出ていく。マキナが戻ってきて、「虹河さん、何かあった?」と首をかしげると、虹河は「レノアさんとちょっと話してただけだ。城のことは片付いた」と誤魔化す。

レノアが「マキナ、インディゴのことはこれで分かっただろう。お前がヴェルディアで鍛冶屋になる夢、この男が協力してくれるなら叶うかもしれん」と言う。マキナは「うん、ありがとう、レノアさん! 虹河さんも!」と笑顔を見せる。

虹河は「この城を手に入れたら、次はヴェルディアだな。マキナの夢もついでに叶えてやる」と内心でほくそ笑む。インディゴの遺産を掌握した虹河は、新たな拠点を手に、エテルニアでの野心をさらに膨らませた。

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