涙の彼方、歌う星の光

medaka

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星の歌、涙の始まり

第三話:天界の離反

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エテルニアの大地は、戦争と混沌に覆われ、かつての青々とした輝きを失っていた。天界の星座宮殿は、星々の光に輝きながらも、重い空気に包まれていた。

無数の水晶柱が浮かび、銀河の螺旋が天井を彩る広間で、13星座の使徒たちが集っていた。リーシャの不穏な夢と、地上の戦争の煙が、使徒たちの心に影を落としていた。星の力が戦争の道具に堕し、調和は崩れつつあった。

へびつかい座の化身、ステラは、12星座の使徒たちと同格の存在として、広間の中央に立ち、静かに会議を見つめていた。彼女の長い黒髪は星屑のように輝き、青白い瞳は深淵を覗くようだった。

黒曜石と水晶の鎧には機械の歯車が動き、彼女の手には魔術書と水晶球が握られていた。
「癒しだけでは、この世界は救えぬ」と呟いた。
彼女の心には、平和だった頃の記憶、リーシャの夢、そして水晶球に映った影への痛みが刻まれていた。

牡羊座のアリエが拳を振り上げた。
「人類は私たちの力を戦争に使う! 癒しの魔術で傷を癒し、知恵で策略を練る。このままでは星の意志が汚される!」 
彼女の赤髪が炎のように揺れ、怒りが宮殿を震わせた。

牡牛座のアルディが穏やかに応じた。
「私たちは導く者よ。力を与え、道を示す。それが星の役割だわ、アリエ。」 
彼女の声は大地のように落ち着いていたが、瞳には憂いが宿っていた。

双子座のポルカが軽やかに笑い、「でもさ、地上の連中、ちっとも聞いてくれないよね。もっと派手に星の声を届けなきゃ!」と提案したが、水瓶座のアクアが静かに遮った。


「派手さは破壊を招くだけだ。革新が必要だ。人類を新たな道に導かなきゃ。」 
アクアの青い髪が光に揺れ、涼やかな瞳がステラを一瞬捉えた。

ステラは会議を黙って聞いていたが、ついに口を開いた。
「導くだけでは足りない。リーシャの夢が示すように、地上は混沌に呑まれ、星の力は戦争の道具に堕した。私たちは力で統べ、秩序を創らねばならない。」 彼女の声は低く、広間に重く響いた。

魚座のリーシャが儚げに震え、「ステラ、力は新たな傷を生むだけ…。癒しを、愛を信じて…」と訴えたが、ステラは首を振った。
「癒しは脆い。愛は弱い。秩序なき世界は救えない。」

会議は紛糾した。獅子座のレグナがステラに賛同し、「支配は強さよ。地上に王者の意志を示しましょう!」と叫んだが、天秤座のリブラが静かに反論した。「均衡を乱す支配は、星の意志に背くわ。ステラ、考え直して。」

ステラの瞳に怒りが閃いた。
「均衡だと? 地上に均衡なんてない! 人類は私たちの力を貶め、13の星座の名を汚した。このままでは、使徒である私たちすら堕ちる!」 
彼女は水晶球を握り締め、星座宮殿に稲妻のような光が走った。

アクアが立ち上がり、ステラに近づいた。
「ステラ、君の言う秩序って何? 支配は新たな混沌を生むだけだ。君の癒しの力は、地上を変えられる。私はそれを信じる。」 
アクアの声は親友としての温かみが込められていた。

ステラはアクアを見つめ、わずかに表情を緩めた。「アクア、君だけは私の心を見る。だが、癒しだけでは救えない。地上を変えるには、力が必要だ。」 彼女は広間を見渡し、宣言した。
「私は天界を離れる。エテルニアに降り、秩序を創る。ついて来る者はいるか!?」

沈黙が広間を包んだ。アリエが槍を握り、レグナが一歩踏み出したが、誰も言葉を発しなかった。アクアが小さく呟いた。「ステラ…君の道は孤独だ。」 

ステラは背を向け、星座宮殿の出口へ歩き出した。「孤独でも、私は進む。13の星座の意志を、地上に刻むために。」 
彼女の鎧の歯車がカチリと音を立て、星の光がその背を照らした。
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