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第二章 悪役令嬢は暗躍する
66.悪役令嬢は婚約者と出会う
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気が付けば、色々やっている間にもうすぐ10歳。
ちょうど小学への入学前のタイミングとなり、先に誕生日を迎えているクリフト殿下の誕生日に合わせてのお茶会が開かれます。王城で歳の近い侯爵以上の男女が一堂に集められているのですが、正直、逃げたい。でも、逃げても結局のところ、どうにもならないってのは分かり切っているのだから、逃げたくとも逃げるわけにはいかないわけなのよね。
因みに、本日は私とクリフト殿下の婚約も発表される予定なのだけど、実はまだ一度もクリフト殿下とは直接会う機会は無かったんだよね。たぶん、これもお父様とお母様が上手いことタイミングなんかを調整してくれていたおかげなのかもしれない。
「相変わらず、ここに来ると憂鬱そうな雰囲気になってるわね」
そう言って来たのは同じ控室で暇そうにしていたアリエルだ。
「だって、面倒な事しかないでしょ? アリエルの離宮ならまだしも王城の第一テラスでのお茶会なんて、全く気を抜けないでしょ?」
「んー、そういうもの? ま、私にとってはここが家だからアンタみたいな感覚は分かんないわ」
確かに、寝ても起きても城の中ではあるし、ここ最近のアリエルは城内の色んなところを歩き回っていると城にいる公爵家の手の者から聞いている。最近は王配であるランパード閣下とも手合わせをしてもらっているらしい、因みに『お出かけ』は私同伴で無くては出れないらしく、私のスケジュールに合わせないといけない所為でお出かけに行けないと文句を言われている。
「そう言えばお父様がクーベルト辺境伯が持っているアレ、すっごく気にしてたわよ?」
「アレに関しては我が家の一部とアリエル、ウィンディくらいしか渡してないし、一応、女王陛下の手元にもあるけど、ランパード閣下には黙っているのね」
「んー、ってことは欲しがってもダメな感じ?」
「そうね。アレに関しては秘密中の秘密だし、大量生産したら確実にパワーバランスを崩しちゃうわ」
「それなら仕方ないわね」
そんな話をしていると、ドアがノックされる。
「誰かしら?」
アリエルは不思議そうな顔をするが、私はなんとなく分かるんだよね。だって、ここは王族の控室で私に先に準備して待つように指示を出したのは女王キャロラインなのだから。
「お嬢様、クリフト殿下がいらっしゃいました」
「お通して」
エルーサは深々と頭を下げて、ドアの方へ向かう。私は椅子から立ち上がると直ぐに扉が開かれクリフト殿下の一団がやってくる。ゲームでの印象と同じ冷たい雰囲気のする王子様だ。
「本日はお招きいただきありがとうございます。クリフト殿下。私がハーブスト公爵が娘、エステリアでございます」
私は王族に対しての礼を行い、ソッと頭を下げる。そういえば……アリエルには一度もやってないわ。
「ああ、面を上げよ。エステリア嬢、初めまして。今日から私の婚約者でいいのかな?」
「はい。クリフト殿下に相応しい人物になれるよう、精進させて頂きますわ」
私は出来るだけ優雅ににこやかに微笑んだ――けれど、彼の瞳はどこか冷たく、期待外れだと言わんばかりの雰囲気を露わにする。あれ? 意外と表情が読みやすいな。確かに他の人に比べたら表情筋が活躍してないみたいだけど。
「では行こうか」
「はい……」
と、クリフト殿下は会場へ向かう為に身を翻し歩き出す。って、え? エスコートはしてくれないの? と、私がキョトンとしていると彼が振り返り不快そうな瞳をこちらに向ける。
「早くついて来ないか」
「え? あ、はっ、はい……」
彼は私のペースなどおかまいなくズンズン歩いていく。えっと、ヒールが意外とあるんでついて行くの凄く大変なんだけど。これは一体どういうことなのだろう? 普通は男性は女性をエスコートして、女性のペースに合わせて歩くんだよ?
たぶんだけど、アリエルも驚いて固まっていたから、この状況について来れない――ってか、流されてはいけないんだけど、あまりの展開に流されちゃったよ!
と、いうか護衛とか侍従とかも彼を諫めないという事は彼らはそれが正しいと思っているか、殿下がやることに文句を言えないかのどちらか……か、仕方ない。ちょっとだけ身体強化でなんとかついて行こう。
ちょうど小学への入学前のタイミングとなり、先に誕生日を迎えているクリフト殿下の誕生日に合わせてのお茶会が開かれます。王城で歳の近い侯爵以上の男女が一堂に集められているのですが、正直、逃げたい。でも、逃げても結局のところ、どうにもならないってのは分かり切っているのだから、逃げたくとも逃げるわけにはいかないわけなのよね。
因みに、本日は私とクリフト殿下の婚約も発表される予定なのだけど、実はまだ一度もクリフト殿下とは直接会う機会は無かったんだよね。たぶん、これもお父様とお母様が上手いことタイミングなんかを調整してくれていたおかげなのかもしれない。
「相変わらず、ここに来ると憂鬱そうな雰囲気になってるわね」
そう言って来たのは同じ控室で暇そうにしていたアリエルだ。
「だって、面倒な事しかないでしょ? アリエルの離宮ならまだしも王城の第一テラスでのお茶会なんて、全く気を抜けないでしょ?」
「んー、そういうもの? ま、私にとってはここが家だからアンタみたいな感覚は分かんないわ」
確かに、寝ても起きても城の中ではあるし、ここ最近のアリエルは城内の色んなところを歩き回っていると城にいる公爵家の手の者から聞いている。最近は王配であるランパード閣下とも手合わせをしてもらっているらしい、因みに『お出かけ』は私同伴で無くては出れないらしく、私のスケジュールに合わせないといけない所為でお出かけに行けないと文句を言われている。
「そう言えばお父様がクーベルト辺境伯が持っているアレ、すっごく気にしてたわよ?」
「アレに関しては我が家の一部とアリエル、ウィンディくらいしか渡してないし、一応、女王陛下の手元にもあるけど、ランパード閣下には黙っているのね」
「んー、ってことは欲しがってもダメな感じ?」
「そうね。アレに関しては秘密中の秘密だし、大量生産したら確実にパワーバランスを崩しちゃうわ」
「それなら仕方ないわね」
そんな話をしていると、ドアがノックされる。
「誰かしら?」
アリエルは不思議そうな顔をするが、私はなんとなく分かるんだよね。だって、ここは王族の控室で私に先に準備して待つように指示を出したのは女王キャロラインなのだから。
「お嬢様、クリフト殿下がいらっしゃいました」
「お通して」
エルーサは深々と頭を下げて、ドアの方へ向かう。私は椅子から立ち上がると直ぐに扉が開かれクリフト殿下の一団がやってくる。ゲームでの印象と同じ冷たい雰囲気のする王子様だ。
「本日はお招きいただきありがとうございます。クリフト殿下。私がハーブスト公爵が娘、エステリアでございます」
私は王族に対しての礼を行い、ソッと頭を下げる。そういえば……アリエルには一度もやってないわ。
「ああ、面を上げよ。エステリア嬢、初めまして。今日から私の婚約者でいいのかな?」
「はい。クリフト殿下に相応しい人物になれるよう、精進させて頂きますわ」
私は出来るだけ優雅ににこやかに微笑んだ――けれど、彼の瞳はどこか冷たく、期待外れだと言わんばかりの雰囲気を露わにする。あれ? 意外と表情が読みやすいな。確かに他の人に比べたら表情筋が活躍してないみたいだけど。
「では行こうか」
「はい……」
と、クリフト殿下は会場へ向かう為に身を翻し歩き出す。って、え? エスコートはしてくれないの? と、私がキョトンとしていると彼が振り返り不快そうな瞳をこちらに向ける。
「早くついて来ないか」
「え? あ、はっ、はい……」
彼は私のペースなどおかまいなくズンズン歩いていく。えっと、ヒールが意外とあるんでついて行くの凄く大変なんだけど。これは一体どういうことなのだろう? 普通は男性は女性をエスコートして、女性のペースに合わせて歩くんだよ?
たぶんだけど、アリエルも驚いて固まっていたから、この状況について来れない――ってか、流されてはいけないんだけど、あまりの展開に流されちゃったよ!
と、いうか護衛とか侍従とかも彼を諫めないという事は彼らはそれが正しいと思っているか、殿下がやることに文句を言えないかのどちらか……か、仕方ない。ちょっとだけ身体強化でなんとかついて行こう。
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