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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
87.悪役令嬢はサロンでの活動を考える
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前回、サロンの案内をされた後に、そのままその部屋を三年分借上げて使えるようにしておいた。話によると何人かの子達も同様にサロンを借りているという話を聞いている。サロンの契約において、一応、総責任者は私で、サロンの鍵については私、マリー、リンリィの三名が合鍵を持つ事にしていた。もし、紛失した場合は私の責任となるので、管理がしっかりとしているマリーとリンリィに頼むのは既定路線といえる。
そして、私は受付にやって来てサロンの鍵を見せると、受付のお爺さんはチラリとサロン入り口への階段に視線を送る。私達は軽く会釈をして階段の方へ進み、さらに騎士達へ挨拶をしサロンの中へ向かった。
「考えると3階フロアまでって意外と歩くわよね」
と、私が言うと皆が声を揃えて「確かにそうですね」と苦笑気味に言った。でも、サロン棟からさらに遠い騎士訓練場や魔法訓練場などはもっと遠い。
「まぁ、それでも騎士クラスや魔術師クラスの者達はもっとハードに移動しなければならない事を考えれば大した距離ではない――のかもしれませんね」
そうルアーナが言った。
「ルアーナは学院での訓練はどうするの?」
「その辺りは微妙な話ですね。家に帰ってから兄と稽古をするか、父上か母上に稽古をつけて貰った方がよいとは思っています」
それは確かにそうよね。噂には騎士団での訓練にも混ざったりしてるらしいし、学院で態々訓練をする意味はないわね。
「さて、サロンに来たけど――この状況だと使用人とかはいないのね」
「前回はウィッシャルド子爵令嬢が集めた人達がいましたからね」
「そうよね。その辺りは……まぁ、今日は私がやりましょう」
そう言って、私はポカーンとした顔をしている皆を放置してサロン内に用意されている小さいキッチンへ向かう。このサロンには一体何に使うのかと思うくらいに幾つもの小部屋がある。
キッチンはどこにでもあるキッチンだけど、私には今回用意した秘密道具でチャチャッとお茶を用意しましょう。ポットは2つ、カップは7組。お湯を沸かすのは家でも使っている魔導ポットを使って――と、水は魔法で出しちゃいましょう。正直、魔法ではじめからお湯を出せばいい気もしなくないけど。
「あっ、あのっ、て、手伝いますっ!」
「わ、私もです!」
と、ミーリアとジェニーがやってくる。けれど、彼女らに向けて口を開く。
「ここで見たことは外部では一切口にしないこと。よくって?」
「え、あ、はい?」
二人とも不思議そうに首を傾げる。まぁ、いきなりそう言われたら、そうなるかもね。でも、他家では使われていない魔道具が存在している以上、言わざるを得ないのよ。
「こちらの不思議な形のポットはなんでしょうか?」
「湯沸かしが出来るポットの魔道具よ。家から持ってきました」
「は、はぁ……と、いいますか。エステリア様は鞄など何も持っていませんでしたわよね?」
「ええ、そうよ。誰にも言ってはいけませんよ」
そう言って私は身に着けている指輪から皿とお菓子を取り出す。
「はい、これで後は……っと、お湯が沸いたわね」
私は茶葉の入った缶を取り出して、先にお湯をポットに少しだけ入れてポットを温めてからお湯を捨て、茶葉を入れてさらにポットへ湯を注ぐ。そして、3分計る用の砂時計を取り出してひっくり返す。
「今度、使い方とお茶の淹れ方も教えてあげるわね」
「は、はいっ」
と、二人は声を合わせて返事をした。
「では、そちらのワゴンに乗せて皆のところへ持っていきましょう」
「お任せください、エステリア様」
「わ、私もですわっ!」
さて、サロンでの快適生活も考えないといけないけど、色々と道具関連は秘密も多いからキチンと考えて使わないとマズそうよね。マリーやリンリィ、ウィンディの前では気にしなくてもいいけど、他の子達の前ではそうはいかないものね。
と、私はそんな事を考えながら、皆の元へ戻った。
そして、私は受付にやって来てサロンの鍵を見せると、受付のお爺さんはチラリとサロン入り口への階段に視線を送る。私達は軽く会釈をして階段の方へ進み、さらに騎士達へ挨拶をしサロンの中へ向かった。
「考えると3階フロアまでって意外と歩くわよね」
と、私が言うと皆が声を揃えて「確かにそうですね」と苦笑気味に言った。でも、サロン棟からさらに遠い騎士訓練場や魔法訓練場などはもっと遠い。
「まぁ、それでも騎士クラスや魔術師クラスの者達はもっとハードに移動しなければならない事を考えれば大した距離ではない――のかもしれませんね」
そうルアーナが言った。
「ルアーナは学院での訓練はどうするの?」
「その辺りは微妙な話ですね。家に帰ってから兄と稽古をするか、父上か母上に稽古をつけて貰った方がよいとは思っています」
それは確かにそうよね。噂には騎士団での訓練にも混ざったりしてるらしいし、学院で態々訓練をする意味はないわね。
「さて、サロンに来たけど――この状況だと使用人とかはいないのね」
「前回はウィッシャルド子爵令嬢が集めた人達がいましたからね」
「そうよね。その辺りは……まぁ、今日は私がやりましょう」
そう言って、私はポカーンとした顔をしている皆を放置してサロン内に用意されている小さいキッチンへ向かう。このサロンには一体何に使うのかと思うくらいに幾つもの小部屋がある。
キッチンはどこにでもあるキッチンだけど、私には今回用意した秘密道具でチャチャッとお茶を用意しましょう。ポットは2つ、カップは7組。お湯を沸かすのは家でも使っている魔導ポットを使って――と、水は魔法で出しちゃいましょう。正直、魔法ではじめからお湯を出せばいい気もしなくないけど。
「あっ、あのっ、て、手伝いますっ!」
「わ、私もです!」
と、ミーリアとジェニーがやってくる。けれど、彼女らに向けて口を開く。
「ここで見たことは外部では一切口にしないこと。よくって?」
「え、あ、はい?」
二人とも不思議そうに首を傾げる。まぁ、いきなりそう言われたら、そうなるかもね。でも、他家では使われていない魔道具が存在している以上、言わざるを得ないのよ。
「こちらの不思議な形のポットはなんでしょうか?」
「湯沸かしが出来るポットの魔道具よ。家から持ってきました」
「は、はぁ……と、いいますか。エステリア様は鞄など何も持っていませんでしたわよね?」
「ええ、そうよ。誰にも言ってはいけませんよ」
そう言って私は身に着けている指輪から皿とお菓子を取り出す。
「はい、これで後は……っと、お湯が沸いたわね」
私は茶葉の入った缶を取り出して、先にお湯をポットに少しだけ入れてポットを温めてからお湯を捨て、茶葉を入れてさらにポットへ湯を注ぐ。そして、3分計る用の砂時計を取り出してひっくり返す。
「今度、使い方とお茶の淹れ方も教えてあげるわね」
「は、はいっ」
と、二人は声を合わせて返事をした。
「では、そちらのワゴンに乗せて皆のところへ持っていきましょう」
「お任せください、エステリア様」
「わ、私もですわっ!」
さて、サロンでの快適生活も考えないといけないけど、色々と道具関連は秘密も多いからキチンと考えて使わないとマズそうよね。マリーやリンリィ、ウィンディの前では気にしなくてもいいけど、他の子達の前ではそうはいかないものね。
と、私はそんな事を考えながら、皆の元へ戻った。
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