悪役令嬢同盟 ―転生したら悪役令嬢だった少女達の姦しい日々―

もいもいさん

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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る

186.悪役令嬢は久々のサロンでお茶を楽しむ

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「うん、美味しいわ。あれからも練習したのね」

 と、私が言うとジェニーは感激したのか涙を流す。いやぁ、そこで泣くのか――と、思いつつも私は立ち上がって、彼女の頭を撫でてよしよししておいた。うん、相変わらずチョロいぞジェニー。変な男に騙されないで欲しい。

「お茶の美味しい、不味いって私にはあまり分からないですけど、これは嫌いじゃないです」

 ウィンディがそう言った所為で皆がジト目で彼女へ視線を向けるが、そこはウィンディ。不思議そうな顔をしてフワリとしたツインテールを揺らした。まぁ、この子は色々な意味でぶっ飛んでるからね。

「それにしても、これだけの味で淹れる事が出来れば大したものよ。その茶葉を売っている商会の主である私が言っているのだから、自慢してもいいわよ」
「あ、ありがとうございます」

 彼女とのお茶会で、美味しいお茶の淹れ方を聞かれたので、教えたわけだけど、そこから結構短い期間でここまで美味しくお茶を淹れる事が出来れば大したモノよね。マリーの商会で売られている茶葉を彼女にプレゼントして良かったわ。

「そう言えば、不思議に思っていたのですが……ウィンディ様以外は皆さま自身でお茶をお淹れになるんですよね?」

 と、ミーリアが言う。まぁ、ウィンディは――まぁ、置いておいて、他の面子は自身でお茶を淹れるのは普通の事という認識が残っているから、当たり前なんだけど、貴族令嬢が自分でお茶を淹れるというのは中々に無いのだけど、まぁ、ウチのお母様と女王陛下は自分で淹れるのが普通なことを考えると、他の貴族令嬢にも流行ればいいのだけど、なんで流行らないのかしら?

「ウィンディがドブ水みたいなお茶を淹れるのも、ある意味才能だと思うけれどね」

 マリーが少し悪戯っぽく言うとウィンディが頬を膨らませて「そんな才能いりませんよ~」と、言っていたけれど、たぶん彼女の場合は興味がある事にまっしぐらなタイプなのよね。だから、何かのきっかけで嵌ればワンチャンありうるって感じではあるのよね。

「そういえば、話は変わるけれど、皆は今月、来月の学内行事に参加する予定なのかしら?」

 私がそう訊くとウィンディは「武闘大会は出たいです!」と、病弱設定の彼女は元気に手を挙げる。うん、出たらヤバそうだけど、出たいでしょうね。

「ウィンディ様、出ても大丈夫なんですか?」

 と、私が思っていたことをリンリィが言ったわけだけど、まぁ、出て見ないと分からないよね。もしかすると、凄い逸材が隠れているかもしれないし。当然、私は出る気は無い。正直、優勝してしまうかも――いや、それは油断しすぎかしら?

「エステリア様は出ないんですか? 私、エステリア様とガチバトルしたいです!!!」

 ウィンディは目を輝かせてそう言った。うん、子犬みたいに見つめないで頂きたい。少し心が揺らぐけれど、ここはグッと堪える。

「ええ、出る気は無いわ。魔法技術大会に関してはお母様に相談次第だけど出たい気持ちはあるわね」

 私がそう言うとウィンディは残念そうにシュンとする。うん、やっぱり子犬ね。そして、そっと手をあげるリンリィに気がついて「どうしたの?」と、言うとリンリィは申し訳なさそうに口を開く。

「お師匠様からですね。事前に今月ある魔法技術大会に出るように言われているのですけど――
申しにくい話ですが、たぶん、エステリア様が出るのは禁止のような事を言ってらしたので」
「お、お母様が?」
「は、はい……」

 なんと、これはどちらも出るな。大人しくしておけということ? うん、それはそれでなんだかモヤッとするわね。何か条件があれば許可を勝ち取る可能性もあるかな。これはなんにしてもお母様と相談ね。

「なるほど、今件に関してはお母様と相談します――まぁ、魔法技術大会にリンリィが出る意義は分かりますから、私はウィンディの願いが叶えれるかお母様と相談します」

 と、私は言ってニヤリと笑う。ん? なんで皆ドン引くような顔をしているのかしら、ちょっと納得いかないわね。

「そういえば、ルアーナは魔法技術大会と武闘大会がどんな感じか知っていて?」
「あ、はい! 去年も兄が参加していたので、知っていますよ」

 さすが、その辺りは兄弟がいる人――いや、私もいるけど、我が家の場合はどうだったのだろうか? 年が離れすぎているのも困りものではある。因みに高学でも学内イベントがあったハズだけど、学園都市は基本的に家族でも簡単に入れないみたいな話がゲームでもあったから、高学にいる者しか分からないだろう。まぁ、ゲームでも面倒なミニゲームだったワケだけど。

「まず魔法技術大会ですが基本的に対戦形式というのは無く、課題を行いながら様々な魔法技術を競う大会となります。因みに前年度の優勝者はナスティア伯爵家の方らしいです」
「なるほど、技術を競う大会なのね」

 確かに私が出るのは問題が色々とあるかもしれない、高度な魔法技術を持つ者であれば、私やお母様が提唱する新たな理論に即座に気付かれる可能性があるので、その辺りの技術は出せないのね。で、たぶんだけどリンリィには私の言葉をヒントにお母様が編み出した中間的な応用術式を使った魔法技術の実験をしたいって感じよね。あと、単純にリンリィのスキルアップね。

「で、武闘大会は予選と決勝があって、約ひと月掛けて行う催しで決勝のみが観覧ありですね。あ、勝ち抜き戦で去年の出場人数は600人ほどいたそうです。まぁ、全学年の騎士を目指す者達は基本参加でしょうから、人数が多くなるのは仕方ないのです」
「なるほどね。だからひと月掛かるわけね。最終的に決勝に残れるのは何人なの?」
「えっとですね、24名だったと記憶しています。上位貴族で出て来る者は少なくはありますけど、有名騎士家の子息令嬢が居る場合は確実に出て来るでしょうね」
「と、いうことはルアーナは参加なのね」

 と、私が言うと彼女は煌めく瞳で「はい!」と、元気よく答えた。
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