186 / 314
第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
186.悪役令嬢は久々のサロンでお茶を楽しむ
しおりを挟む
「うん、美味しいわ。あれからも練習したのね」
と、私が言うとジェニーは感激したのか涙を流す。いやぁ、そこで泣くのか――と、思いつつも私は立ち上がって、彼女の頭を撫でてよしよししておいた。うん、相変わらずチョロいぞジェニー。変な男に騙されないで欲しい。
「お茶の美味しい、不味いって私にはあまり分からないですけど、これは嫌いじゃないです」
ウィンディがそう言った所為で皆がジト目で彼女へ視線を向けるが、そこはウィンディ。不思議そうな顔をしてフワリとしたツインテールを揺らした。まぁ、この子は色々な意味でぶっ飛んでるからね。
「それにしても、これだけの味で淹れる事が出来れば大したものよ。その茶葉を売っている商会の主である私が言っているのだから、自慢してもいいわよ」
「あ、ありがとうございます」
彼女とのお茶会で、美味しいお茶の淹れ方を聞かれたので、教えたわけだけど、そこから結構短い期間でここまで美味しくお茶を淹れる事が出来れば大したモノよね。マリーの商会で売られている茶葉を彼女にプレゼントして良かったわ。
「そう言えば、不思議に思っていたのですが……ウィンディ様以外は皆さま自身でお茶をお淹れになるんですよね?」
と、ミーリアが言う。まぁ、ウィンディは――まぁ、置いておいて、他の面子は自身でお茶を淹れるのは普通の事という認識が残っているから、当たり前なんだけど、貴族令嬢が自分でお茶を淹れるというのは中々に無いのだけど、まぁ、ウチのお母様と女王陛下は自分で淹れるのが普通なことを考えると、他の貴族令嬢にも流行ればいいのだけど、なんで流行らないのかしら?
「ウィンディがドブ水みたいなお茶を淹れるのも、ある意味才能だと思うけれどね」
マリーが少し悪戯っぽく言うとウィンディが頬を膨らませて「そんな才能いりませんよ~」と、言っていたけれど、たぶん彼女の場合は興味がある事にまっしぐらなタイプなのよね。だから、何かのきっかけで嵌ればワンチャンありうるって感じではあるのよね。
「そういえば、話は変わるけれど、皆は今月、来月の学内行事に参加する予定なのかしら?」
私がそう訊くとウィンディは「武闘大会は出たいです!」と、病弱設定の彼女は元気に手を挙げる。うん、出たらヤバそうだけど、出たいでしょうね。
「ウィンディ様、出ても大丈夫なんですか?」
と、私が思っていたことをリンリィが言ったわけだけど、まぁ、出て見ないと分からないよね。もしかすると、凄い逸材が隠れているかもしれないし。当然、私は出る気は無い。正直、優勝してしまうかも――いや、それは油断しすぎかしら?
「エステリア様は出ないんですか? 私、エステリア様とガチバトルしたいです!!!」
ウィンディは目を輝かせてそう言った。うん、子犬みたいに見つめないで頂きたい。少し心が揺らぐけれど、ここはグッと堪える。
「ええ、出る気は無いわ。魔法技術大会に関してはお母様に相談次第だけど出たい気持ちはあるわね」
私がそう言うとウィンディは残念そうにシュンとする。うん、やっぱり子犬ね。そして、そっと手をあげるリンリィに気がついて「どうしたの?」と、言うとリンリィは申し訳なさそうに口を開く。
「お師匠様からですね。事前に今月ある魔法技術大会に出るように言われているのですけど――
申しにくい話ですが、たぶん、エステリア様が出るのは禁止のような事を言ってらしたので」
「お、お母様が?」
「は、はい……」
なんと、これはどちらも出るな。大人しくしておけということ? うん、それはそれでなんだかモヤッとするわね。何か条件があれば許可を勝ち取る可能性もあるかな。これはなんにしてもお母様と相談ね。
「なるほど、今件に関してはお母様と相談します――まぁ、魔法技術大会にリンリィが出る意義は分かりますから、私はウィンディの願いが叶えれるかお母様と相談します」
と、私は言ってニヤリと笑う。ん? なんで皆ドン引くような顔をしているのかしら、ちょっと納得いかないわね。
「そういえば、ルアーナは魔法技術大会と武闘大会がどんな感じか知っていて?」
「あ、はい! 去年も兄が参加していたので、知っていますよ」
さすが、その辺りは兄弟がいる人――いや、私もいるけど、我が家の場合はどうだったのだろうか? 年が離れすぎているのも困りものではある。因みに高学でも学内イベントがあったハズだけど、学園都市は基本的に家族でも簡単に入れないみたいな話がゲームでもあったから、高学にいる者しか分からないだろう。まぁ、ゲームでも面倒なミニゲームだったワケだけど。
「まず魔法技術大会ですが基本的に対戦形式というのは無く、課題を行いながら様々な魔法技術を競う大会となります。因みに前年度の優勝者はナスティア伯爵家の方らしいです」
「なるほど、技術を競う大会なのね」
確かに私が出るのは問題が色々とあるかもしれない、高度な魔法技術を持つ者であれば、私やお母様が提唱する新たな理論に即座に気付かれる可能性があるので、その辺りの技術は出せないのね。で、たぶんだけどリンリィには私の言葉をヒントにお母様が編み出した中間的な応用術式を使った魔法技術の実験をしたいって感じよね。あと、単純にリンリィのスキルアップね。
「で、武闘大会は予選と決勝があって、約ひと月掛けて行う催しで決勝のみが観覧ありですね。あ、勝ち抜き戦で去年の出場人数は600人ほどいたそうです。まぁ、全学年の騎士を目指す者達は基本参加でしょうから、人数が多くなるのは仕方ないのです」
「なるほどね。だからひと月掛かるわけね。最終的に決勝に残れるのは何人なの?」
「えっとですね、24名だったと記憶しています。上位貴族で出て来る者は少なくはありますけど、有名騎士家の子息令嬢が居る場合は確実に出て来るでしょうね」
「と、いうことはルアーナは参加なのね」
と、私が言うと彼女は煌めく瞳で「はい!」と、元気よく答えた。
と、私が言うとジェニーは感激したのか涙を流す。いやぁ、そこで泣くのか――と、思いつつも私は立ち上がって、彼女の頭を撫でてよしよししておいた。うん、相変わらずチョロいぞジェニー。変な男に騙されないで欲しい。
「お茶の美味しい、不味いって私にはあまり分からないですけど、これは嫌いじゃないです」
ウィンディがそう言った所為で皆がジト目で彼女へ視線を向けるが、そこはウィンディ。不思議そうな顔をしてフワリとしたツインテールを揺らした。まぁ、この子は色々な意味でぶっ飛んでるからね。
「それにしても、これだけの味で淹れる事が出来れば大したものよ。その茶葉を売っている商会の主である私が言っているのだから、自慢してもいいわよ」
「あ、ありがとうございます」
彼女とのお茶会で、美味しいお茶の淹れ方を聞かれたので、教えたわけだけど、そこから結構短い期間でここまで美味しくお茶を淹れる事が出来れば大したモノよね。マリーの商会で売られている茶葉を彼女にプレゼントして良かったわ。
「そう言えば、不思議に思っていたのですが……ウィンディ様以外は皆さま自身でお茶をお淹れになるんですよね?」
と、ミーリアが言う。まぁ、ウィンディは――まぁ、置いておいて、他の面子は自身でお茶を淹れるのは普通の事という認識が残っているから、当たり前なんだけど、貴族令嬢が自分でお茶を淹れるというのは中々に無いのだけど、まぁ、ウチのお母様と女王陛下は自分で淹れるのが普通なことを考えると、他の貴族令嬢にも流行ればいいのだけど、なんで流行らないのかしら?
「ウィンディがドブ水みたいなお茶を淹れるのも、ある意味才能だと思うけれどね」
マリーが少し悪戯っぽく言うとウィンディが頬を膨らませて「そんな才能いりませんよ~」と、言っていたけれど、たぶん彼女の場合は興味がある事にまっしぐらなタイプなのよね。だから、何かのきっかけで嵌ればワンチャンありうるって感じではあるのよね。
「そういえば、話は変わるけれど、皆は今月、来月の学内行事に参加する予定なのかしら?」
私がそう訊くとウィンディは「武闘大会は出たいです!」と、病弱設定の彼女は元気に手を挙げる。うん、出たらヤバそうだけど、出たいでしょうね。
「ウィンディ様、出ても大丈夫なんですか?」
と、私が思っていたことをリンリィが言ったわけだけど、まぁ、出て見ないと分からないよね。もしかすると、凄い逸材が隠れているかもしれないし。当然、私は出る気は無い。正直、優勝してしまうかも――いや、それは油断しすぎかしら?
「エステリア様は出ないんですか? 私、エステリア様とガチバトルしたいです!!!」
ウィンディは目を輝かせてそう言った。うん、子犬みたいに見つめないで頂きたい。少し心が揺らぐけれど、ここはグッと堪える。
「ええ、出る気は無いわ。魔法技術大会に関してはお母様に相談次第だけど出たい気持ちはあるわね」
私がそう言うとウィンディは残念そうにシュンとする。うん、やっぱり子犬ね。そして、そっと手をあげるリンリィに気がついて「どうしたの?」と、言うとリンリィは申し訳なさそうに口を開く。
「お師匠様からですね。事前に今月ある魔法技術大会に出るように言われているのですけど――
申しにくい話ですが、たぶん、エステリア様が出るのは禁止のような事を言ってらしたので」
「お、お母様が?」
「は、はい……」
なんと、これはどちらも出るな。大人しくしておけということ? うん、それはそれでなんだかモヤッとするわね。何か条件があれば許可を勝ち取る可能性もあるかな。これはなんにしてもお母様と相談ね。
「なるほど、今件に関してはお母様と相談します――まぁ、魔法技術大会にリンリィが出る意義は分かりますから、私はウィンディの願いが叶えれるかお母様と相談します」
と、私は言ってニヤリと笑う。ん? なんで皆ドン引くような顔をしているのかしら、ちょっと納得いかないわね。
「そういえば、ルアーナは魔法技術大会と武闘大会がどんな感じか知っていて?」
「あ、はい! 去年も兄が参加していたので、知っていますよ」
さすが、その辺りは兄弟がいる人――いや、私もいるけど、我が家の場合はどうだったのだろうか? 年が離れすぎているのも困りものではある。因みに高学でも学内イベントがあったハズだけど、学園都市は基本的に家族でも簡単に入れないみたいな話がゲームでもあったから、高学にいる者しか分からないだろう。まぁ、ゲームでも面倒なミニゲームだったワケだけど。
「まず魔法技術大会ですが基本的に対戦形式というのは無く、課題を行いながら様々な魔法技術を競う大会となります。因みに前年度の優勝者はナスティア伯爵家の方らしいです」
「なるほど、技術を競う大会なのね」
確かに私が出るのは問題が色々とあるかもしれない、高度な魔法技術を持つ者であれば、私やお母様が提唱する新たな理論に即座に気付かれる可能性があるので、その辺りの技術は出せないのね。で、たぶんだけどリンリィには私の言葉をヒントにお母様が編み出した中間的な応用術式を使った魔法技術の実験をしたいって感じよね。あと、単純にリンリィのスキルアップね。
「で、武闘大会は予選と決勝があって、約ひと月掛けて行う催しで決勝のみが観覧ありですね。あ、勝ち抜き戦で去年の出場人数は600人ほどいたそうです。まぁ、全学年の騎士を目指す者達は基本参加でしょうから、人数が多くなるのは仕方ないのです」
「なるほどね。だからひと月掛かるわけね。最終的に決勝に残れるのは何人なの?」
「えっとですね、24名だったと記憶しています。上位貴族で出て来る者は少なくはありますけど、有名騎士家の子息令嬢が居る場合は確実に出て来るでしょうね」
「と、いうことはルアーナは参加なのね」
と、私が言うと彼女は煌めく瞳で「はい!」と、元気よく答えた。
0
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】長男は悪役で次男はヒーローで、私はへっぽこ姫だけど死亡フラグは折って頑張ります!
くま
ファンタジー
2022年4月書籍化いたしました!
イラストレータはれんたさん。とても可愛いらしく仕上げて貰えて感謝感激です(*≧∀≦*)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
池に溺れてしまったこの国のお姫様、エメラルド。
あれ?ここって前世で読んだ小説の世界!?
長男の王子は悪役!?次男の王子はヒーロー!?
二人共あの小説のキャラクターじゃん!
そして私は……誰だ!!?え?すぐ死ぬキャラ!?何それ!兄様達はチート過ぎるくらい魔力が強いのに、私はなんてこった!!
へっぽこじゃん!?!
しかも家族仲、兄弟仲が……悪いよ!?
悪役だろうが、ヒーローだろうがみんな仲良くが一番!そして私はへっぽこでも生き抜いてみせる!!
とあるへっぽこ姫が家族と仲良くなる作戦を頑張りつつ、みんなに溺愛されまくるお話です。
※基本家族愛中心です。主人公も幼い年齢からスタートなので、恋愛編はまだ先かなと。
それでもよろしければエメラルド達の成長を温かく見守ってください!
※途中なんか残酷シーンあるあるかもなので、、、苦手でしたらごめんなさい
※不定期更新なります!
現在キャラクター達のイメージ図を描いてます。随時更新するようにします。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる