悪役令嬢同盟 ―転生したら悪役令嬢だった少女達の姦しい日々―

もいもいさん

文字の大きさ
189 / 314
第三章 悪役令嬢は学院生活を送る

189.悪役令嬢は久しぶりに王女と会う

しおりを挟む
「はぁ~い! 第1回悪役令嬢最強決定戦を開催しま~す!」
「却下」

 と、アリエルの言葉を即座に撃ち落す。なによ最強決定戦って。

「まぁ、冗談ではあるんだけど、今日は久々の悪役令嬢同盟のお茶会だし、真新しい事をしてみたいという気持ちが溢れただけなのよ。それに皆は今月来月にある学内催事でバトル上等な雰囲気なんじゃないの?」

 アリエルがそう言うと全員が首を横に振り、アリエルは面白くなさそうに「え~」と、口を尖らせた。

「そもそも、今月にある魔法技術大会は対面での対戦では無いからね。魔法指定だったり、魔力量指定だったりとか、どちらかというと魔法の技術というより魔力操作の技術大会みたいな感じね。言っても10歳児の出来る事なんてはある程度限られているしね」

 正直言って、ここにいる面子は皆が規格外と言ってもいい。魔力量は私とアリエルは10歳児としては限界突破レベルだし、後を追うウィンディも戦闘力だけで言えば大人顔負けだし、リンリィも最近は随分と魔力量も増えて、とても10歳児の魔力とは言えない。ま、彼女の場合はお母様の弟子として魔術の知識もグングン伸びている。因みに魔力量だけで言えばウィンディよりあるマリーは戦闘適正が微妙ではあるけれど、魔法の知識は結構なモノなのよね。

「全員、どちらの大会も出る予定なの?」
「私とウィンディは来月の武闘大会、今月の魔法技術大会はリンリィだけかな。マリーは出ないつもりでしょ?」
「ええ、胴元としては出るわけにはいかないでしょ」

 あ、コイツ賭けの胴元をする気なのね。全く、どれだけお金スキーなのよ。

「マリーよ。気を付けねばならんぞ。一応、非公認の賭け事は学園の禁止事項にあったはずだ」

 と、アリエルは王女様モードでそう言った。ん、確かにそんな事が書いてあった気がするわね。ぼんやりとした記憶だから、あれだけど。

「え、マジで?」
「マジで大マジよ。学園禁止事項の三項にあるわよ。一応、回避方法は学園長の許可と儲けから一定額を納めること」
「なるほど、学園公認にすればいいわけね。うーん、推薦とかあった方がいいのかしら?」
「あー、そういうことか。では、母上に頼んでみようか?」

 アリエルの言葉にマリーはガシッとアリエルの両手を取って目を輝かせた。うーん、でも女王キャロラインが許すのか気になるところね。ま、その辺りは運次第じゃないからしね。

「あ~、私も早く学園に行きたい~~~~」
「年齢的な問題なのだから、どうしようもないでしょ」
「むぅー」

 アリエルは頬を膨らませて唸る。まぁ、実は無くは無いんだけど――気付いてないのだから、別にいいよね? と、思っていたらリンリィがチラリと私を見る。あ、リンリィも気が付いたのね。学園の規則とか把握してるクセにこういうところがちょっと抜けてるところも、愛嬌があるわよね。

 と、私はリンリィに言わないように笑顔で圧を掛けておく。

「そういえば、アリエルは謹慎中は何をしていたの?」

 私がそう言うとアリエルは難しいそうな表情を浮かべて「ん~、まぁ」と、微妙な反応をした。後にアリエルはドッと沈んでブツブツと何かを呟き始め、うん、全員ドン引きよ。

「母上とお勉強……母上と鍛錬……母上とお勉強……母上と鍛錬……」

 女王キャロラインと仲良く日々お勉強と鍛錬に費やしたわけね。まぁ、中々に壮絶な時間を楽しんだようね。まぁ、私も最近は毎日のようにお母様と仕合っているわけだけど、お母様は「キャロルの剣技は私より数段上よ」と、言っていたことを考えると――ま、頑張ったわね。

「それは随分とパワーアップしたってことじゃないんですか?」
「ハッ、さすがウィンディね。そう、今までの私はミジンコのようなモノだったわ。今は小動物くらいにはレベルアップしたハズ!」

 と、アリエルは復活してそう言ったけれど、うん、アリエルで小動物なら多くの者達はミジンコ以下ということになりそうね。ま、世情的に聖イーフレイ帝国は乱世の時代に既に入っていると考えてもいいから、強くあることは悪いことではない。

「女王陛下から学ぶことは多いし、絶対にレベルアップするだろうから、いいじゃない」
「そう、そうよね。母上は『とにキラ』でも最強と言われていた女王だからね。あ、そういえばハーブスト公爵家で面白いモノが作られたと噂されているブツってどんなの?」

 アリエルはアレの事を陛下から聞いたのか、そう言った。私は最新型を空間収納アイテムボックスから取り出して、テーブルに置く。

「前に見せて貰った計算機に似ているけど、これ?」
「ええ、そうよ。最新型の魔導回路式計算機よ」
「魔導回路式?」

 今までの魔道具でも回路的な部分はあったけれど、今の回路はリンリィとお母様の知識と技術で言えば今の魔導回路は全く別のモノと言って過言ではないのよ。だからこそ、魔導回路式と一応言っておいたのよ。

「ええ、今までの回路とは全く違う考え方で作られているのよ。そうね、アリエルそこのスイッチに魔力を流して起動してみて」
「オッケー、じゃ、いくわよ!」

 と、彼女は計算機の起動スイッチをポチっとする。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

【完結】長男は悪役で次男はヒーローで、私はへっぽこ姫だけど死亡フラグは折って頑張ります!

くま
ファンタジー
2022年4月書籍化いたしました! イラストレータはれんたさん。とても可愛いらしく仕上げて貰えて感謝感激です(*≧∀≦*) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 池に溺れてしまったこの国のお姫様、エメラルド。 あれ?ここって前世で読んだ小説の世界!? 長男の王子は悪役!?次男の王子はヒーロー!? 二人共あの小説のキャラクターじゃん! そして私は……誰だ!!?え?すぐ死ぬキャラ!?何それ!兄様達はチート過ぎるくらい魔力が強いのに、私はなんてこった!! へっぽこじゃん!?! しかも家族仲、兄弟仲が……悪いよ!? 悪役だろうが、ヒーローだろうがみんな仲良くが一番!そして私はへっぽこでも生き抜いてみせる!! とあるへっぽこ姫が家族と仲良くなる作戦を頑張りつつ、みんなに溺愛されまくるお話です。 ※基本家族愛中心です。主人公も幼い年齢からスタートなので、恋愛編はまだ先かなと。 それでもよろしければエメラルド達の成長を温かく見守ってください! ※途中なんか残酷シーンあるあるかもなので、、、苦手でしたらごめんなさい ※不定期更新なります! 現在キャラクター達のイメージ図を描いてます。随時更新するようにします。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

処理中です...