悪役令嬢同盟 ―転生したら悪役令嬢だった少女達の姦しい日々―

もいもいさん

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第四章 悪役令嬢は王女と共に戦場を駆ける

272.悪役令嬢はクールナー平原の情報を得る

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 リビオラ砦から約2キロ――この世界で言えば200大ルーンくらいの位置で、クールナー平原を見下ろす事が出来るエイディフィリア山にある開けた場所に陣を敷いている。

 当然、この付近からはクールナー平原以外に南側の森も視野に入っている。なお、ミルレーンを配置した場所は攻撃部隊が位置する場所よりさらに南に1キロほど行った場所で、今朝がたに戦闘があった場所から少し離れた場所へ移動させ、現在も定期的にクールナー平原含め、周囲にトオミを飛ばして定時報告を受けている。

「再度伏兵が南側を越えて来る可能性はどうだ?」
「可能性としては無いとは言えないわね。ただ、向こうもまだ別同部隊が全滅したことは知らないと思うから、あったとしても、本体が動き出してから――とかかしらね」

 と、私は現在手元にある情報をテーブルに置いてある地図に書き込む。さて、今回ご用意した地図は事前に用意した地図ではある――ただし、その下に置いてある薄くて大きなライトテーブルみたいなモノが特別製の電子メモ帳みたいな代物で、魔力で書いて、魔力で消せるという特性がある液晶を作ることに成功したから利用してみたって、感じなのだけど、なかなかに使い勝手が良い。

「なんだか、磁石でお絵描きする玩具みたいな感じだな」

 初めて見た時にアリエルがそう言う感想を言っていたのを思い出しつつ、現在の時間とスーリアル軍の進行方向や隊列を書き込んでいく。

「ホント、通信は便利だな」
「そうはいってもまだまだ目標には遠く及ばない出来だからね――ま、戦争においての優位性は時代を先取りしすぎてはいるだろうけど」

 そう言いながら、思ったより敵の進行速度が遅い事に小さな苛立ちを感じていた。何か問題があったか、もしくは別動隊が全滅したことがバレ――いいえ、通信手段が存在しない場合は普通にありえない。正直なところ、現在敵がいる位置に対して攻撃することも出来るのだけど、出来れば敵から離れ過ぎない状況で、且つ優位であることが望ましいと思っていた。

 それでもこちらの方が圧倒的な遠距離からの攻撃が可能なのだけど、少しでも命中率と威力を考えると、多少はひきつけた方がいいと思っているからだ。

 ミルレーン達がトオミを通して見た話しによれば、敵が持つ銃のような武器はダンにも確認してもらったけど、マスケットだった。それを考えれば、普通に射程距離は約300m程度と考える。こちらは1kmのロングレンジも可能だけど、出来れば確実に当てたい事を考えて、500mから600mという距離になった時に攻撃をしたい。

 まだ、数キロ――この世界で言えば大体800大ルーン、約1超ルーンの距離だ。行軍速度を考えればまだ1時間から2時間掛かるだろう。

「休憩した方が良さそうね。まだ敵さんは目標位置に到着するまでに1時間以上掛かりそうよ」

 と、私が言うとアリエルは「全く、女性を待たすとはセンスが無い」と、冗談をいいながら私の提案を承諾する。中々にアリエルの冗談にしては珍しい感じね。と、思っているとリンリィが小さく笑う。

「エステリア様、今度元ネタに関してお話しますね――アリエル様、残念ながら不発のようですよ」
「――なら、仕方なし。とりあえず、三交代で休憩だな。各位に指示を出して、休憩だな」
「では、アリエルは先に休憩しておいて、私はしばらくここにいるから」

 私がそう言うとアリエルは「むぅ」と、微妙な反応を返した後にアリエルは私の顔を両手でがっちりと捕まえてジッと真剣な表情で見つめる。って、いうかやっぱり凄い美少女よね、なんだかこんなに近くで見ると緊張しちゃうわ。燃えるような瞳に艶やかで長く綺麗なまつ毛――って、何を考えてるの全く。

「ど、ど、どうかした?」
「お主、全然休んでおらんでは無いか――私が休むより、まずはエステリアだ。ここでの情報精査は私とリンリィでも出来るだろう。まずはエステリアが休んで、次にリンリィ、最後に私という順で休む。わかった?」

 思わず勢いに負けて「わ、分かったわよ」と、思わず言うと彼女から解放されたわけだけど、まぁ、アリエルとリンリィがいれば大丈夫なのは確かだし、色々と不安もあって寝れていない――と、いうのも事実だから、休むべきというのも分かるのよね。

「全く、不服そうにするのでは無い。武器、馬車、様々なところに関わっているお主に倒れられるのが一番困るのは、この騎士団において私なんだから、分かったらサッサと休んで来なさい」
「――はいはい、分かったわよ。一応、指示だしだけは先にさせてね」
「それくらいは構わないからチャチャッとやって、チャチャッと休んで」

 と、ちょっぴり素のモードになっているアリエルを微笑ましく思いつつ、各所に指示だしと指揮所でも交代で休む旨を全員に通信で伝えるのであった。
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