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俗世
燃え上がる女心
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浴室は朝霧のように湯気が立ち込め、ブロアバスは泡を勢いよく吐き出していた。
恵美子は髪を濡らさないようにゴムで纏めている。
佑太が最初に浴槽に入る。
「いい温度で吹き上げる泡が体を刺激して気持ちがいい、恵美子も入りなよ」
恵美子も左足を浴槽に入れてみる。
「あら、本当ね、泡がいい感じで」
そして佑太とは反対方向に身を沈めた。
恵美子は目を瞑り
「本当に極楽って感じがするわね」
「家の風呂じゃこんなに気持ちよくなれないから」
佑太は恵美子を両手で自分の所に抱き寄せた。
恵美子は少し体を浮き上がらせ、佑太にキスをした。
それは押し付けるように激しく、舌を佑太の口の中に入れて這わせた。
興奮した恵美子の心臓が激しくリズムを刻む。
その激しい鼓動は肌を通じて佑太の身体にも響き渡った。
恵美子はキスのあとに身体を洗い、先に上がった。
佑太も身体を洗い終えると、上がって身体を拭きバスタオルを腰回りに巻いた。
その格好のまま、ベットに行くと、バスタオルを胸周りに巻いてベッドの縁に座っている恵美子がいる。
それを見た佑太は恵美子を押し倒した。
「佑太、そんなに慌てなくても」
そう言う恵美子の言葉も聞かず、胸に巻かれたバスタオルを剥ぎ取った。
胸の上には突きあがった赤い蕾が二つ見えた。
それを佑太は嘗め回した。
恵美子は甘えた喘ぎ声を発する。
男と交わるのは五年振りだった。
前の夫とは年に何回かしていたのだが、こんなに燃え上がる感情で交わったのは久しぶりであった。
激しい情事が終わると、ベッドには静寂に包まれていた。
静寂を破ったのは佑太だった。
「恵美子は得度する意思は変わらないの?」
「もちろん」
「できれば、恵美子と結婚したいなって」
「馬鹿を言わないの」
そう恵美子は言うと佑太の鼻を人差し指で軽く突いた。
「そうか、悔しいな」
「悔しいの?」
「悔しいさ、それだけ俺に魅力がないから、恵美子を引き留めるだけの」
「違うわよ、佑太にはもっと若い子の方がお似合い」
「恋愛に年齢は関係ない」
拗ねたように佑太が言うと眠りについた。
翌日、二人は別れると、再開を約束し恵美子は自分のマンションに帰った。
いつものようにフローリングに座禅布団を敷き、座禅を組んだ。
(若い子に結婚したいと言われるとは思わなかった。これが仏門に関心を持つ前だったら
本気で考えたかもしれない、佑太も一時期の感情なのだろう)
インターフォンが鳴る音がした。
宅急便だった。
注文していた法衣、白衣などが大きな段ボールで送られてきた。
鏡の前でさっそく改良衣を着てみる。
坊主頭を想像するために、ゴムとピンで髪を纏めてみる。
似合うだろうか、そんなことを思いながら、右側、左側と様々な角度からチェックしていた。
この後、再び寺を訪れた。
一時間、本堂で座禅し、それが終わると
応接間で慈光と恵美子がお茶を飲みながら歓談をしていた。
「どうじゃ、男は?」
慈光が尋ねる。
恵美子は少し照れながら
「はい、すぐにいい人を見つけました」
静かに答えた。
庭の木々の枝にとまる鳥の囀り(さえずり)が心地よく聞こえてくる。
「お前さんだったら、早く見つかると思ったが予想以上の速さ、まさに速きこと風の如くじゃ」
慈光は孫子の兵法の風林火山の一節を引用して話した。
「和尚様ったら、戦国時代がお好きでしたわね」
左手で口を押えて笑いを堪えていた。
「久しぶりの男は良かったか?」
「はい、楽しい時間を過ごせています」
「過ごせているという事は、その後も続いておるようじゃのう」
「お陰様で俗世での残りの日々楽しく過ごせそうです」
「仏縁も人の縁も巡り合わせじゃ、大切にせいよ! ところで年はいくつで、何をしておる?」
「はい、23で就職も決まった大学生です」
「ほう、25も年下の男を手にしたのか」
慈光は目を丸くし口を大きく開けて驚嘆の表情を浮かべていた。
「はい、本当に人との出会いは巡り合わせだと実感いたしました」
恵美子は顔を赤らめ下向き加減で言った。
「週に一度はいらっしゃい」
「本日も有難うございました」
深々と頭を下げてその場を辞した。
電車に乗って佑太の下宿のある神泉に向かった。
駅を降りて数分の場所にあるスーパーで買い物をした。
両手一杯にビニール袋に入った食材を持って、足取りも軽やかに佑太の下宿先に向かう。
7階建てのワンルームマンションの一階の部屋のインターフォンを押す。
佑太の騒々しい足音が聞こえた。
ガチャっと音がしてドアが開いた。
「お帰りなさい!」
佑太が笑顔で恵美子を迎えた。
中に入ると洋室が12畳、洗面所、バスルーム、クローゼット、ベランダもあった。
「今日は食材を買ってきたから、私がご飯を作ってあげるね」
両手に持ったビニール袋を掲げて見せた。
「嬉しいね、何を作ってくれるの?」
佑太は子供が母親のご飯を楽しみにしているような目で恵美子を見ている。
「今日はカレーよ!」
ビニール袋を持って台所に立ち、持ってきたエプロンをして料理を始めた。
恵美子は髪を濡らさないようにゴムで纏めている。
佑太が最初に浴槽に入る。
「いい温度で吹き上げる泡が体を刺激して気持ちがいい、恵美子も入りなよ」
恵美子も左足を浴槽に入れてみる。
「あら、本当ね、泡がいい感じで」
そして佑太とは反対方向に身を沈めた。
恵美子は目を瞑り
「本当に極楽って感じがするわね」
「家の風呂じゃこんなに気持ちよくなれないから」
佑太は恵美子を両手で自分の所に抱き寄せた。
恵美子は少し体を浮き上がらせ、佑太にキスをした。
それは押し付けるように激しく、舌を佑太の口の中に入れて這わせた。
興奮した恵美子の心臓が激しくリズムを刻む。
その激しい鼓動は肌を通じて佑太の身体にも響き渡った。
恵美子はキスのあとに身体を洗い、先に上がった。
佑太も身体を洗い終えると、上がって身体を拭きバスタオルを腰回りに巻いた。
その格好のまま、ベットに行くと、バスタオルを胸周りに巻いてベッドの縁に座っている恵美子がいる。
それを見た佑太は恵美子を押し倒した。
「佑太、そんなに慌てなくても」
そう言う恵美子の言葉も聞かず、胸に巻かれたバスタオルを剥ぎ取った。
胸の上には突きあがった赤い蕾が二つ見えた。
それを佑太は嘗め回した。
恵美子は甘えた喘ぎ声を発する。
男と交わるのは五年振りだった。
前の夫とは年に何回かしていたのだが、こんなに燃え上がる感情で交わったのは久しぶりであった。
激しい情事が終わると、ベッドには静寂に包まれていた。
静寂を破ったのは佑太だった。
「恵美子は得度する意思は変わらないの?」
「もちろん」
「できれば、恵美子と結婚したいなって」
「馬鹿を言わないの」
そう恵美子は言うと佑太の鼻を人差し指で軽く突いた。
「そうか、悔しいな」
「悔しいの?」
「悔しいさ、それだけ俺に魅力がないから、恵美子を引き留めるだけの」
「違うわよ、佑太にはもっと若い子の方がお似合い」
「恋愛に年齢は関係ない」
拗ねたように佑太が言うと眠りについた。
翌日、二人は別れると、再開を約束し恵美子は自分のマンションに帰った。
いつものようにフローリングに座禅布団を敷き、座禅を組んだ。
(若い子に結婚したいと言われるとは思わなかった。これが仏門に関心を持つ前だったら
本気で考えたかもしれない、佑太も一時期の感情なのだろう)
インターフォンが鳴る音がした。
宅急便だった。
注文していた法衣、白衣などが大きな段ボールで送られてきた。
鏡の前でさっそく改良衣を着てみる。
坊主頭を想像するために、ゴムとピンで髪を纏めてみる。
似合うだろうか、そんなことを思いながら、右側、左側と様々な角度からチェックしていた。
この後、再び寺を訪れた。
一時間、本堂で座禅し、それが終わると
応接間で慈光と恵美子がお茶を飲みながら歓談をしていた。
「どうじゃ、男は?」
慈光が尋ねる。
恵美子は少し照れながら
「はい、すぐにいい人を見つけました」
静かに答えた。
庭の木々の枝にとまる鳥の囀り(さえずり)が心地よく聞こえてくる。
「お前さんだったら、早く見つかると思ったが予想以上の速さ、まさに速きこと風の如くじゃ」
慈光は孫子の兵法の風林火山の一節を引用して話した。
「和尚様ったら、戦国時代がお好きでしたわね」
左手で口を押えて笑いを堪えていた。
「久しぶりの男は良かったか?」
「はい、楽しい時間を過ごせています」
「過ごせているという事は、その後も続いておるようじゃのう」
「お陰様で俗世での残りの日々楽しく過ごせそうです」
「仏縁も人の縁も巡り合わせじゃ、大切にせいよ! ところで年はいくつで、何をしておる?」
「はい、23で就職も決まった大学生です」
「ほう、25も年下の男を手にしたのか」
慈光は目を丸くし口を大きく開けて驚嘆の表情を浮かべていた。
「はい、本当に人との出会いは巡り合わせだと実感いたしました」
恵美子は顔を赤らめ下向き加減で言った。
「週に一度はいらっしゃい」
「本日も有難うございました」
深々と頭を下げてその場を辞した。
電車に乗って佑太の下宿のある神泉に向かった。
駅を降りて数分の場所にあるスーパーで買い物をした。
両手一杯にビニール袋に入った食材を持って、足取りも軽やかに佑太の下宿先に向かう。
7階建てのワンルームマンションの一階の部屋のインターフォンを押す。
佑太の騒々しい足音が聞こえた。
ガチャっと音がしてドアが開いた。
「お帰りなさい!」
佑太が笑顔で恵美子を迎えた。
中に入ると洋室が12畳、洗面所、バスルーム、クローゼット、ベランダもあった。
「今日は食材を買ってきたから、私がご飯を作ってあげるね」
両手に持ったビニール袋を掲げて見せた。
「嬉しいね、何を作ってくれるの?」
佑太は子供が母親のご飯を楽しみにしているような目で恵美子を見ている。
「今日はカレーよ!」
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