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麓での遭遇
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「はぁ、遠かった~」
山羊に引き摺られるようにして、ようやく到着した麓まで、丸一日掛かった。
父さん達に担がれて山の中腹まで送ってくれたお陰で、何とか夜までに着いたが、一人ならもっと掛かっただろう。
あっという間に着く、というのは僕には適用しなかったらしい。
「あれ?もしかして、あれが新居かな?え、パッカ村の人が建ててくれたのかな」
夕方になり薄暗くなった麓。その開けた広場のような場所に、家らしき物が建っていた。リマ村が僕の為に家を用意するはずが無いから、きっとパッカ村の人だろう。
もしかして、結婚相手?!
「あのー、誰かいますかぁ?」
僕はクタクタな脚を叱咤しながら山羊と仔馬を連れて近付いた。もし、違かったらどうしよう、と不安になりながらも、どこかで期待に胸を踊らせていた。どんな女の人なんだろう。優しいと良いなぁ。
「あのー」
「あなたがリマ村の人ですか?」
真後ろから地響きのような低い声を掛けられて、僕は一旦飛び上がってから、ど派手に転んだ。
ズザザッと肘や膝を地面で擦り剥いた。
「わああっ!だっ、誰っ?!」
「驚かせてごめんなさい。大丈夫ですか?パッカ村のブレイブです。あなたがリマ村から来た私の婚儀相手かと思って声を掛けたのですが、間違えたでしょうか」
地面から後ろを振り仰ぐと、まるで巨人のような大男がいた。顔が暗い影になって全く見えない。
「ヒエッ!あわわわっ!!」
「あの······」
僕は、思わず恐くなって地面を後退った。薄暗がりだから、余計にその巨体がそら恐ろしく見えてしまっていてガクガク膝が震える。
巨人は、僕に手を伸ばそうとして、その手を引っ込めた。
「·····恐がらせてごめんなさい。もし泊まるのなら、この小屋は、あなたが使って下さい。雨除け程度にはなりますし、獣も入れない」
スッと後ろへ彼は下がり、そのまま森の中へと、その巨大な姿を足早に消した。
「·······へっ?!あっ、あのっ!」
思わず呼び止めようとしたが、その声は届かなかった。
地面にへたり込んだまま、少しだけ冷静になると、彼が人間だと気付く。
巨人に見えたけれど、身体が立派な大きな男の人だった。小さいのは僕の方なのに。
風の音と山羊の鳴き声、それにどこからか鳥の鳴き声だけが響く。
「·····行っちゃった?どうしよう。あれ?あの人、パッカ村の、何とかって言ってた·····まさか、僕の結婚相手?いや、どこから見ても男だったし、違うよね。結婚のための家を建ててくれた人かな?あぁ、御礼も言わないで悪いことしちゃったなぁ」
ブツブツと独り言を言いながらも立ち上がり、とりあえず山羊と仔馬の手綱を太い木に結ぶ。近くの草をむしゃむしゃ食べてるから大丈夫そうだ。
家に近づくと、随分と立派な造りだった。木を板状に切って組み立てたような見たことも無い造りだが、隙間風が全く入らない頑丈な建物だ。床も全てきっちりと板が敷き詰められていた。どうやって切ったんだろう。
「何これ、すごい。こんな家があるの?これなら雨が降っても足が冷たくならないよ」
それに中は大人が3人寝転んでも余裕がある程に広い部屋だった。
こんな素晴らしい家を作った人に御礼も言わないなんて、リマ村の人間は何て無作法なんだと言われてしまうかも。
いや、もう二度とあの村へは戻れないのだから、気にしたって仕方ないか。
「よし!あとは、結婚相手が来るのを待とう」
そうして、僕はゴロンと床へ横になった。不思議と温かい中で、僕は昼間の疲れがドッと押し寄せて、ぐっすりと眠った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌朝、家から出ると、目の前の広場には香ばしく焼かれた肉が置かれていた。
「え、何これ?」
よく見ると地面に文字が書かれていた。
『食べて下さい』とやたらに地面深く文字が刻まれている。こんなに深く刻んだら何日も何日も残るだろう。
「食べて良いのかな?誰から?·······僕の他に誰かいるってことは·······結婚相手?」
ハッとした僕は辺りを探して歩いた。けれど、誰も見つからなかった。昨日の彼も居なかった。何となく残念に思いながら結局、また元の場所へと戻る。
遠慮無く空腹を訴える腹に肉を収めていく。
「ウッ、うまっ!!なにこれ、すごっ」
見た目は普通のモサ鳥のようなのに、今まで食べた事が無い程に味が濃く身は柔らかく美味しかった。塩味も効いていて、最高だ。
食の細い僕が、丸々一匹をぺろりと食べてしまった。
「あっ!食べちゃった!もしかして、これ二人分だったのかも·····あのー、誰かいませんか?」
辺りに声を掛けると、今度は木の陰から、ヒョコリと誰かが顔を出した。
昨日の大きな男の人だ。遠くて顔が良く見えないけど、体格からして間違いない。
「あなたは昨日の!このお肉は、あなたが置いてくれたんですか?!」
僕は焦って喋りながら彼に近付いた。近付いた。近付いた。が、全然距離が縮まらない。あれ、僕、歩いてるよね?
「あれ?何で近付けないんだろ?僕、足がおかしいのかな」
「その肉は、俺が置きました······迷惑でしたか?」
全然縮まらない距離のまま、彼が話しかけて来た。うん、声はちゃんと聞こえる。
「とんでもない!ありがとうございます!それに、あの家も、あなたが建ててくれたんですか?」
「······はい。気持ち悪かったですか?」
何となくだけど、会話が通じているのか、いないのか良く分からない。他の村の人と話すのが初めてだから、こんなものなのかもしれないと自分に言い聞かせる。
「えーと、素晴らしい家ですね!僕とパッカ村の人が住む家ですよね?あなたはパッカ村の人ですか?」
「·······はい」
「良かった!昨夜は混乱して、御礼も言えずにごめんなさい。あんなに素晴らしい家を建てて貰ったのに。本当にありがとうございました」
頭をペコリと下げて御礼を言うと、彼の息を飲む音が聞こえた気がした。
「それと、お肉を全部食べてしまったんです。もしかして、これ二人分でした?」
肉を乗せてあった空の葉っぱを見せて尋ねると、首をブンブン振られた。
「それは、あなたの分です」
「あー、危なかった!あんまりにも美味しくて全部食べちゃったから、どうしようかと思って!」
ほんの少し、彼が木の陰から出て来た。
「·······美味しかった、ですか?気持ち悪くなかったですか?」
「??気持ち···?美味しかったです、とっても。こんなに美味しいお肉は初めてです。ご馳走様でした!」
気持ち悪いというのは、パッカ村では別の意味かもしれない。後で結婚相手が来たら聞いてみよう。
「······美味しい······初めて言われた」
俯いて、何かボソボソと喋っているようだ。それにしても、結婚相手はまだ来ないのだろうか。
「あの、ところで、僕はリマ村のアルトと言います。僕の結婚相手は、まだ到着しないんでしょうか?」
「········え」
「え?」
木の陰から、更に少し身体が前に出て来た。面白いな、この人。デカイ身体がほとんど木から見えてるのに隠れてるつもりなんだろうか。母さんみたいで、ちょっとかわいい。
「俺が、その······パッカ村のブレイブです。忌み婚儀の······結婚、相手です。やっぱり······嫌ですよね」
「え?は?あー、あ?」
何を言われているのか理解しようとして一回諦める。でも、聞かないと始まらないと思い直して彼に向き直る。
「えー·······男、ですよね?」
「不出来な男同士の婚儀です。不出来な子が産まれないように大昔にもあった神儀だそうです」
「神儀って·····えーっと、ちょっと待って」
僕は頭を抱える。
男同士で結婚??さっぱり分からない。けれど、どこかで腑に落ちた。
普通の相手ならば、あれ程に母さんが寝込んだり父さん兄さんが泣いたりもしないだろう。そういうことか。
「もしかして、知らなかったのですか?」
おずおずと心配そうに声を掛けられる。
僕は、そっと彼の方を見遣る。
さっきまでよりも、だいぶ近付いていた。野生の獣みたいだな。
「あ、かっこいい」
「え?」
キラキラ光る朝陽を浴びた彼、ブレイブは物凄く格好良かった。金色に輝く長い髪を後ろで結いて流し、そのキリリと吊り目がちの瞳は薄緑で美しかった。顔立ちも父さんや兄さんよりも、遥かに整って男前で贅肉の無い均整の取れた身体に息を飲む。着ている服も見たことが無い美しい布で作られていた。
僕の理想の男像が、ここにいた。
勝手に胸が高鳴ったのは一旦無視して冷静を装う。
話を進めないといけない。
「それで、その神儀?というのは一体、なんですか?」
「うっ·······それは、あの」
大きな身体を縮こまらせて彼が俯く。頬も赤らんでいるようで、なんだか余計に近付きたくなる。
彼が思い悩んでる間に更に近付く。その綺麗な瞳を、もっと良く見たい。出来れば僕を映して欲しい。
「僕、何も教えられて無いんです。どうか、詳しく教えて下さい」
そう言って近寄れば彼は、ウッと息を詰めて後退り横を向いてしまった。
「あんまり、その、近寄ると危険です」
「は?何か獣でもいるんですか?」
「いえ、俺がその、力が強くて危険だから」
確かに彼の筋肉は凄い。
父さんや兄さんみたいにムッキムキだ。
そう。見慣れたムッキムキだし、むしろ彼の方が綺麗な筋肉の付き方をしている。
全然暑苦しく無い。
「うーん·······普通じゃないですか?むしろ羨ましいです、その筋肉」
「······へ?」
山羊に引き摺られるようにして、ようやく到着した麓まで、丸一日掛かった。
父さん達に担がれて山の中腹まで送ってくれたお陰で、何とか夜までに着いたが、一人ならもっと掛かっただろう。
あっという間に着く、というのは僕には適用しなかったらしい。
「あれ?もしかして、あれが新居かな?え、パッカ村の人が建ててくれたのかな」
夕方になり薄暗くなった麓。その開けた広場のような場所に、家らしき物が建っていた。リマ村が僕の為に家を用意するはずが無いから、きっとパッカ村の人だろう。
もしかして、結婚相手?!
「あのー、誰かいますかぁ?」
僕はクタクタな脚を叱咤しながら山羊と仔馬を連れて近付いた。もし、違かったらどうしよう、と不安になりながらも、どこかで期待に胸を踊らせていた。どんな女の人なんだろう。優しいと良いなぁ。
「あのー」
「あなたがリマ村の人ですか?」
真後ろから地響きのような低い声を掛けられて、僕は一旦飛び上がってから、ど派手に転んだ。
ズザザッと肘や膝を地面で擦り剥いた。
「わああっ!だっ、誰っ?!」
「驚かせてごめんなさい。大丈夫ですか?パッカ村のブレイブです。あなたがリマ村から来た私の婚儀相手かと思って声を掛けたのですが、間違えたでしょうか」
地面から後ろを振り仰ぐと、まるで巨人のような大男がいた。顔が暗い影になって全く見えない。
「ヒエッ!あわわわっ!!」
「あの······」
僕は、思わず恐くなって地面を後退った。薄暗がりだから、余計にその巨体がそら恐ろしく見えてしまっていてガクガク膝が震える。
巨人は、僕に手を伸ばそうとして、その手を引っ込めた。
「·····恐がらせてごめんなさい。もし泊まるのなら、この小屋は、あなたが使って下さい。雨除け程度にはなりますし、獣も入れない」
スッと後ろへ彼は下がり、そのまま森の中へと、その巨大な姿を足早に消した。
「·······へっ?!あっ、あのっ!」
思わず呼び止めようとしたが、その声は届かなかった。
地面にへたり込んだまま、少しだけ冷静になると、彼が人間だと気付く。
巨人に見えたけれど、身体が立派な大きな男の人だった。小さいのは僕の方なのに。
風の音と山羊の鳴き声、それにどこからか鳥の鳴き声だけが響く。
「·····行っちゃった?どうしよう。あれ?あの人、パッカ村の、何とかって言ってた·····まさか、僕の結婚相手?いや、どこから見ても男だったし、違うよね。結婚のための家を建ててくれた人かな?あぁ、御礼も言わないで悪いことしちゃったなぁ」
ブツブツと独り言を言いながらも立ち上がり、とりあえず山羊と仔馬の手綱を太い木に結ぶ。近くの草をむしゃむしゃ食べてるから大丈夫そうだ。
家に近づくと、随分と立派な造りだった。木を板状に切って組み立てたような見たことも無い造りだが、隙間風が全く入らない頑丈な建物だ。床も全てきっちりと板が敷き詰められていた。どうやって切ったんだろう。
「何これ、すごい。こんな家があるの?これなら雨が降っても足が冷たくならないよ」
それに中は大人が3人寝転んでも余裕がある程に広い部屋だった。
こんな素晴らしい家を作った人に御礼も言わないなんて、リマ村の人間は何て無作法なんだと言われてしまうかも。
いや、もう二度とあの村へは戻れないのだから、気にしたって仕方ないか。
「よし!あとは、結婚相手が来るのを待とう」
そうして、僕はゴロンと床へ横になった。不思議と温かい中で、僕は昼間の疲れがドッと押し寄せて、ぐっすりと眠った。
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翌朝、家から出ると、目の前の広場には香ばしく焼かれた肉が置かれていた。
「え、何これ?」
よく見ると地面に文字が書かれていた。
『食べて下さい』とやたらに地面深く文字が刻まれている。こんなに深く刻んだら何日も何日も残るだろう。
「食べて良いのかな?誰から?·······僕の他に誰かいるってことは·······結婚相手?」
ハッとした僕は辺りを探して歩いた。けれど、誰も見つからなかった。昨日の彼も居なかった。何となく残念に思いながら結局、また元の場所へと戻る。
遠慮無く空腹を訴える腹に肉を収めていく。
「ウッ、うまっ!!なにこれ、すごっ」
見た目は普通のモサ鳥のようなのに、今まで食べた事が無い程に味が濃く身は柔らかく美味しかった。塩味も効いていて、最高だ。
食の細い僕が、丸々一匹をぺろりと食べてしまった。
「あっ!食べちゃった!もしかして、これ二人分だったのかも·····あのー、誰かいませんか?」
辺りに声を掛けると、今度は木の陰から、ヒョコリと誰かが顔を出した。
昨日の大きな男の人だ。遠くて顔が良く見えないけど、体格からして間違いない。
「あなたは昨日の!このお肉は、あなたが置いてくれたんですか?!」
僕は焦って喋りながら彼に近付いた。近付いた。近付いた。が、全然距離が縮まらない。あれ、僕、歩いてるよね?
「あれ?何で近付けないんだろ?僕、足がおかしいのかな」
「その肉は、俺が置きました······迷惑でしたか?」
全然縮まらない距離のまま、彼が話しかけて来た。うん、声はちゃんと聞こえる。
「とんでもない!ありがとうございます!それに、あの家も、あなたが建ててくれたんですか?」
「······はい。気持ち悪かったですか?」
何となくだけど、会話が通じているのか、いないのか良く分からない。他の村の人と話すのが初めてだから、こんなものなのかもしれないと自分に言い聞かせる。
「えーと、素晴らしい家ですね!僕とパッカ村の人が住む家ですよね?あなたはパッカ村の人ですか?」
「·······はい」
「良かった!昨夜は混乱して、御礼も言えずにごめんなさい。あんなに素晴らしい家を建てて貰ったのに。本当にありがとうございました」
頭をペコリと下げて御礼を言うと、彼の息を飲む音が聞こえた気がした。
「それと、お肉を全部食べてしまったんです。もしかして、これ二人分でした?」
肉を乗せてあった空の葉っぱを見せて尋ねると、首をブンブン振られた。
「それは、あなたの分です」
「あー、危なかった!あんまりにも美味しくて全部食べちゃったから、どうしようかと思って!」
ほんの少し、彼が木の陰から出て来た。
「·······美味しかった、ですか?気持ち悪くなかったですか?」
「??気持ち···?美味しかったです、とっても。こんなに美味しいお肉は初めてです。ご馳走様でした!」
気持ち悪いというのは、パッカ村では別の意味かもしれない。後で結婚相手が来たら聞いてみよう。
「······美味しい······初めて言われた」
俯いて、何かボソボソと喋っているようだ。それにしても、結婚相手はまだ来ないのだろうか。
「あの、ところで、僕はリマ村のアルトと言います。僕の結婚相手は、まだ到着しないんでしょうか?」
「········え」
「え?」
木の陰から、更に少し身体が前に出て来た。面白いな、この人。デカイ身体がほとんど木から見えてるのに隠れてるつもりなんだろうか。母さんみたいで、ちょっとかわいい。
「俺が、その······パッカ村のブレイブです。忌み婚儀の······結婚、相手です。やっぱり······嫌ですよね」
「え?は?あー、あ?」
何を言われているのか理解しようとして一回諦める。でも、聞かないと始まらないと思い直して彼に向き直る。
「えー·······男、ですよね?」
「不出来な男同士の婚儀です。不出来な子が産まれないように大昔にもあった神儀だそうです」
「神儀って·····えーっと、ちょっと待って」
僕は頭を抱える。
男同士で結婚??さっぱり分からない。けれど、どこかで腑に落ちた。
普通の相手ならば、あれ程に母さんが寝込んだり父さん兄さんが泣いたりもしないだろう。そういうことか。
「もしかして、知らなかったのですか?」
おずおずと心配そうに声を掛けられる。
僕は、そっと彼の方を見遣る。
さっきまでよりも、だいぶ近付いていた。野生の獣みたいだな。
「あ、かっこいい」
「え?」
キラキラ光る朝陽を浴びた彼、ブレイブは物凄く格好良かった。金色に輝く長い髪を後ろで結いて流し、そのキリリと吊り目がちの瞳は薄緑で美しかった。顔立ちも父さんや兄さんよりも、遥かに整って男前で贅肉の無い均整の取れた身体に息を飲む。着ている服も見たことが無い美しい布で作られていた。
僕の理想の男像が、ここにいた。
勝手に胸が高鳴ったのは一旦無視して冷静を装う。
話を進めないといけない。
「それで、その神儀?というのは一体、なんですか?」
「うっ·······それは、あの」
大きな身体を縮こまらせて彼が俯く。頬も赤らんでいるようで、なんだか余計に近付きたくなる。
彼が思い悩んでる間に更に近付く。その綺麗な瞳を、もっと良く見たい。出来れば僕を映して欲しい。
「僕、何も教えられて無いんです。どうか、詳しく教えて下さい」
そう言って近寄れば彼は、ウッと息を詰めて後退り横を向いてしまった。
「あんまり、その、近寄ると危険です」
「は?何か獣でもいるんですか?」
「いえ、俺がその、力が強くて危険だから」
確かに彼の筋肉は凄い。
父さんや兄さんみたいにムッキムキだ。
そう。見慣れたムッキムキだし、むしろ彼の方が綺麗な筋肉の付き方をしている。
全然暑苦しく無い。
「うーん·······普通じゃないですか?むしろ羨ましいです、その筋肉」
「······へ?」
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