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第三章
居候
しおりを挟むあれから吉田が家に居候するようになった。
「いやー、家賃滞納しちまってさー!遂に追い出されたわけよ~!ごめん!ほんっとに次の住むところ探すまでだから!よろしく~タカヒロ♡な?オレたちの仲だし!なんつーの、ケツ友?穴友?ガハハッウケる!」
昔から変わらない節度も何も無い会話。
でも、構えなくていいから楽だ。
「まったく、一ヶ月だけだぞ。それで出てけよ?あと、家賃取るからな」
「えぇーーーっ?!なんでぇ?友達だろぉ~っ勘弁してくれよぉ!あ、オレの身体で払うからっ、ね?」
チラチラ乳首見せてくる吉田に怒りは沸かないものの落胆する。
なんで、こんなに汚いんだ。
あの日の健吾の身体は、忘れることなんて出来ない。
サラサラの黒髪にぱっちりとしたドストライクな顔。
身体は滑らかで柔かそうでツルツルで、全部が美しかった。
触りたい、と何度も何度も指を伸ばしかけた。
それに比べて…
「なあ、オレのケツ、けっこうイイでしょ?ねえ!見て見てって!ほーら、ほーら」
ボツボツ、ゴツゴツ、ボーボーの吉田のケツ。
全然違う。
同じ男で、こんなに違うのか。
「あ」
良いことを思い付いた。
「なに?もしかして、ほんとにヤル感じ?」
吉田の笑顔は引き攣ってる。
お前が言い出したんだからな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あー、傷付けんなよ?オレの大事なとこなんだからな!これからはタカヒロにとっても大事なとこになんのか?アハハ!この状況ウケるー!!」
吉田の尻やら乳首周りやら、腹周りやらの毛を全て剃っていく。
「ちょっと黙っとけ。手元がズレると危ない」
吉田が、ぴっと黙る。
こいつ、ほんと素直なんだよなー。
ちらり、と吉田の黒くした髪を見る。
髪の色と頭の形だけ、健吾にそっくりになった…
後ろから頭だけ見ると、吉田が健吾に見える。
ただ、それだけ。
「ほら、全部剃れたぞ」
「ひっえ~っ!ほんとに全部剃りやがった!え、前も?銭湯行ったら恥ずいんだけどー!!ウッヒョー!ツルツル~こういうのがタカヒロは好きだったんだー!この変態♡絶倫♡」
つんつん、と突付いてくる手をパシンと叩き落として、袋を押し付ける。
「ん?これは?」
「それ着ろ。ここに住むなら、こっちの要求には全て応じてもらう」
ポカンとしながらも、吉田はガサガサと袋の中身を漁って…
「は?マジ?え、そーいうこと?うわー…ハイハイ、なるへそ…マジかー」
あの吉田が軽く引いていることは無視。
「さっさと着替えろ、居候」
「へーい…ご期待に添えるか分からんけど…がんばるよー、ご主人様」
ドクン、とした。
ご主人様…
着替えて現れた吉田は、やっぱり似合わなかった。
「これってさ、健吾があのときに着てたやつだろ?なんで同じやつあんの?さすがにビビったわー、いや、いいけどね?別に人の趣味だし?しっかし、これまた…」
あれから、健吾が着ていたものと同じ物を血眼になって探して、購入した。
下着も服も全て。
「…似合わないな」
「当たり前だろ!オレだよ?この吉田くんよ?似合うわけないだろがよー、オイオイ。見てよ、この下着!ここにチンコ入れて、ケツなんて丸見えよ?紐しか無いんだから!絶対、外には出たくねーわ、これ。ありえねぇー!健吾、よくこれでコンビニいたな~もはや趣味?」
ツルツルになったソコは、健吾に近くなった気がした。
ほんの少しだが。
「よし、うつ伏せになれ」
「はーあ?マジ?まさか、ヤルわけ?これで?ちょっと、タカヒロ本気…?」
ケツにローションを垂らす。
「本気と書いてマジと読む」
「うわあ…タカヒロの目がマジだ…神様、仏様、これからは真面目に生きていきます…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
グッチョ、グッチョ、ヌッチョ、ヌッチョ
「ひいっ、も、いんじゃ、ね?さすがにっ、ひいっ、む、りっ」
吉田のケツにコンドームを付けた指を五本まで挿入していたが、引き抜く。
ずるんっ
勢いよく引き抜くと、吉田のケツがビクビク、と痙攣する。
「あがっ、ちょ、やさしく、しろ、よ」
声は全くかわいくない。
「そのままでいろ」
後ろから、ゆっくりと挿入していく。
吉田が振り返ろうとするのを後頭部を抑えて前を向かせる。
「ゆっくり息を吐け」
ぐぷぷ、と飲み込んでいく。
「あっあ、あ、あ、あ、あっ、はっ」
吉田が喋らなくなると、益々後ろ姿が健吾に見える。
頭だけを見て腰を揺らす。
「ひぐっ、か、はっ、はあっ」
あの健吾を犯してると妄想する。
ムクムクと更に大きく育つ。
「がっ、あっ、デカ、やっ」
そのまま、パンパンと勢い良く腰を打ち付ける。
これは健吾だけど、吉田だ。
吉田なら優しくする必要もない。
「ぎっ、がっ、あがっ、ひゃあっ!」
吉田が達したらしい。
背中が反り返ってビクンビクン、と震えている。
だが、気にせず自分が気持ち良くなれるようにだけ集中して腰を打ち付け続ける。
「もっ、いっ、て、る、から、やめ、」
無視する。
パンパンパンパンパン
グチュグチュグチュグチュ
と部屋に音が響く。
ふと見ると、ビクビク震える健吾の後頭部。
すり、と撫でるとサラサラの黒髪。
「健吾…」
思わず名前を呼ぶ。
返事はない。
「健吾、健吾」
名前を呼びながら、ぐったりした吉田をぐちゃぐちゃに犯していく。
もはや、声も何も出ない。
意識もないのかもしれない。
だが、後ろ姿は健吾に似ていた。
「好きだ、健吾、健吾、健吾」
そのまま、気が済むまで何度も何度も注ぎ込んでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「君の立場、わかってるよね?」
王子はオレに借用書をひらひらと見せる。
その額は、もう百万をゆうに超えた。
「は、はい、わかって、ます…」
さすがのオレも、借金の前では大人しくなるほかない。
「じゃあ、返済を待つ代わりに、簡単なお願い聞いてよ」
また来た。
オレはこれで、何度も健吾を裏切ってきた。
「え、でも、もう健吾と付き合って…」
「健吾とは関係ないよ?大丈夫。ただ、僕、前から君の髪は黒の方がいいなって思ってたんだ。友達としてね?その方が似合うから、これで染めてきて?」
一万円渡された。
恐い。
「え?この金は…」
「これは、友達としてのアドバイスだから、借金には足さないよ?友達にはかっこよくいて欲しいじゃない?」
にっこりと笑う王子。
えー、なんだ、イイ奴じゃん!
「え、いいの?ありがとう!じゃあ、今から染めてくんね!ヒャッホーい!」
「必ず真っ黒にしてもらってね」
オレは、出来るだけ安く染めてくれる美容室でチャチャっと染めてもらい、残金は懐に入れた。
これでパチンコいけるぜ!
「うん、いいね。その髪の長さもキープしといてよ。あと、この日に、この場所に来て。タカヒロは必ず連れてくるんだよ?面白いもの見せてあげるから」
「えっ!面白いもの?なになに?ドッキリ?そーいうの大好きー!やったー!楽しみだなっ」
王子は、ニコニコして、パフェも奢ってくれた。
優しい奴と付き合えて健吾も幸せだな!
オレ、ナイスキューピッド!
「それと、タカヒロの相手は、君がしてね。どうせ家賃滞納してるんだから、タカヒロと一緒に住める流れにしてあげるから。あとは頑張るんだよ?」
「うん?相手?あ、でもタカヒロの家に住めたらいいなーとは思ってたんだよなー。あの豪邸、すげーし。タカヒロは、いつか必ず健吾を招待したいって言って…」
王子が持っていたスプーンを曲げた。
マジック?
ミスターマリッ○的な?
「…あのクソムッツリ野郎、やっぱりまだ健吾を諦めてないな。健吾に下らないラインばっかり送りやがって、消去してもしても…いつか殺そうと思ってたんだけど…」
「え?なんて?」
王子の独り言が早口すぎて聞き取れなかった。
「ううん?とにかく吉田にはタカヒロと二人で楽しく暮らしてもらうのが一番かなって。タカヒロと一緒なら吉田もお金に困らなくなるよ?好きなギャンブルしても、タカヒロが助けてくれるし」
オレは、ぱあっと明るい未来が見えた。
最高のヒモ生活!
「そっか!それいいな!さっすが王子は頭いいなー!よし、それでいくわ!」
「そうそう。あ、お金出してくれる人の言うことは聞かないとね?ちゃんと言う通りにしてれば楽しく暮らせるから」
笑う王子は、やっぱり少し恐かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どれくらいの時間が経ったのか。
ぐぷんぐぷん、と対面座位でオレを上下に揺するタカヒロは、泣きながらオレの耳元で健吾の名前を呼び続けてる。
「ぐすっ、けん、ごぉ、すきだ、すき、」
めっちゃ健気じゃん、タカヒロ。
オレは言葉も出なくなってるけど、なぜだか頭は少し冷静だった。
むしろ、意識を飛ばして幽体離脱?してんのかも。
「けんご、けんごぉ、すき、すきだよぉ、」
なんか分かんないけど、泣いてるタカヒロが可哀想で見てられなかった。
僅かに動く腕で、タカヒロの頭をそっと優しく抱え込んだ。
ピクリとタカヒロが反応して、オレを見上げる。
あれ、オレだと思い出して冷めちゃった?
不安になって、恐る恐るタカヒロを見ると
ぶつかるようなキスをされた。
「ーんっんぶっ、んーっ!」
息させてくれ!と叫びたくなるほどに深いキス。
べろ、どーなってんの?
別の生き物飼ってるの?
空気!ギブミー空気!
そのまま激しく上下されて、オレは白目を剥いて意識を飛ばしそうになる。
「…ありがとう、吉田」
ぼんやりとし過ぎた頭では、現実かどうかも分からないけど、オレの耳には、そう聞こえた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「見て?健吾」
唯人が俺を呼ぶ。
「はあ?今、テレビ観てんだけど」
ぐふぐふ笑う唯人の用事は、大抵ろくでもない。
「あの二人、同棲してるんだって」
唯人のあの二人、に俺はすぐピンと来た。
「ほら、写真」
そこに写っていたのは、抱き合い睦み合う二人の姿。
つーか、ヤってんだろ、これ。
「良かったね!友達同士が恋人になるって、こっちまで嬉しくなるねー。今度、お祝いしなきゃ」
俺はため息と共に唯人にスマホを返す。
「はぁ…こんなことしなくたって、俺は唯人から離れていかねぇよ」
唯人は、ハッとして破顔する。
泣きながら笑う唯人の頭を撫でる。
「ほんと手間かかるわ、お前。これ以上、人に迷惑かけんなよ、バカが」
俺は、泣くわけいかねぇよな。
ぐっと奥歯に力を込めて涙を我慢した。
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