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はじめての旅
にじゅうはち
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モモカが落ち着くまで、ララとルルは割って入らない方がいいと思ったのだろう、少し離れたところで見守っていた。
すんすんと鼻を鳴らしながら、少し落ち着いてきたモモカに、おにぎりはおいしいか訊くと、おいしいです、と真っ赤な目で答えてくれた。
「う、嬉しいです、わたし、頭おかしくなっちゃったのかって、ずっと、こわくて」
「……うん」
「おかしくないですよね?日本はありましたよね?わたし、ひゃくにはなで百花なんです。漢字、わかりますよね?漢字、ありますよね?」
「わかるよ、僕は悠久のゆうに北斗七星のとで悠斗、果穂は果物のかに稲穂のほで果穂。わかるよね?」
「わか、わかります、わかる、わかる……!」
「1年かあ、今13って言ってたし、12歳の頃来たってことだよね?小学生じゃん……本当によく頑張ったね、大変だったでしょう」
「うん……うん……ずっとこ、こわかったんです、頭、おかしくなったみたいだし、魔法とかあるし、こわいの出るし、わ、わたしよわ、弱いし、知ってる人、誰も、いなくて……」
心がきゅっとする。小学生が1人でこの世界で生きてきたなんて。
僕は果穂が一緒で、たまたまララとルルに助けられて、混乱しながらもこの数日は守られて生きてきた。
百花の状態はわからないけど、苦労をしたのは想像にかたくない。
「こわかったね、もう大丈夫だよ……大丈夫だよっていっても、僕達も2人に助けられてきたんだけど。でも知ってる人がいたら少しは楽になるよね、僕も百花に会えてよかったよ」
「いっ、一緒にいてもいいですか……?大丈夫ですか?迷惑じゃないですか……?」
「迷惑じゃないよ、王都まで一緒に帰ろう」
「王都まで……」
「百花が嫌じゃなければ、王都でも仲良くしてくれたら嬉しいよ」
「嫌じゃないです~……!」
わんわん泣く百花を宥めてると、果穂も頭を撫でていた。
普段は自分が泣いて宥められる側なのに。成長してるんだな、とこんな時にちょっと感動してしまった。
「話纏まった?」
「ごめんなさい~……!」
「大丈夫よ、でもいつまでもここにいて他の冒険者と会ってしまうのもなんだから、ちょっと移動して食べない?モモカも疲れたでしょう、あたしたちもモモカの話聞きたいわ」
「……!はい!」
そう話していた筈だが、木陰まで移動して、皆でおにぎりを食べて、ほんの少し話をしたら百花はすうすう寝てしまった。
仕方ないと思う。
あんなところで1人残されて、きっと眠れなかったことだろう。
お腹も空かせて、水すら飲めず、やっと現れた僕達に我儘を言うこともなくダンジョンに潜り、あれだけ泣いて泣いて泣き疲れて、お腹も満たされたらそりゃ誰だって寝てしまう。
でもその無防備に寝てしまえるのは、僕達のことを安心出来る相手だと認めてくれたというところもあるのだろう。
「寝ちゃったわねー」
「うん、でも寝かせといてあげようよ」
「そんな鬼じゃないわよ、カホもおねむみたいだし」
「お昼寝なかったもんなあ」
「寝かせたまま移動して、今日は早めに休みましょうか」
「そうだね、まだ少し進められそうだし、良さそうなところ見つけたらそこでゆっくりしよう」
「モモカはララと一緒に移動するか?」
「ルルでいいでしょ?」
「起きた時に俺と一緒だとこわいだろ」
想像して笑ってしまった。
ルルの方が驚かれるのに怯えてるのが面白い。
「大丈夫だと思うよ、百花だって感謝してたじゃん」
「小さくてこわい」
「果穂の方が小さいよ」
「小さいの種類が違う」
わかるようなわからないような。
結局ルルの方が腰が引けてるようなので、ララが果穂を引き取り、僕が百花をラダに乗せることにした。
別にララでもいいのでは、と思ったのだが、起きた時に安心させてあげて、と言われたので、まぁ信頼されてるのだということで受け取ることにする。
妹が増えたようで、悪い気はしない。
「……?」
「あ、起きた?今移動中だから動くと落ちちゃうよ」
「ぇあ……あれ……あ、悠斗さん……」
「まだちょっと寝惚けてるねえ、寝ててもいいよ、疲れてるよね」
「いえ……今、目、覚めました」
「今休めそうなとこ探してるから、ちょっとこのまま我慢しててね」
「大丈夫です!」
話をしてる内に頭も冴えてきたらしい。
ちょっと前まで泣いていたものだから目元は腫れているが、笑顔は清々しくなってる気がする。いいことだ。
「今日何食べたい?」
「ご飯ですか?」
「そうそう、僕そんなに料理得意じゃないんだけど、おにぎりであんなに喜んで貰えるなら何か作れそうなものなら」
「お味噌汁飲みたいです!……あ、お味噌、あるかわからないんですけど、わたし、この世界では見つけられなくて……ご飯、おいしいんですけど、毎日旅行先のご飯みたいで、日本のご飯食べたいなって思って、でも見つけられなくて……最近、あんまりご飯食べる気なくなっちゃってて……だから、おにぎり、すごく嬉しくて、すごくおいしかったです」
わかる。
旅行先のご飯、最初は美味しい美味しいってなるけと、これから毎日そうですよ、となると、和食じゃなくて日本食が食べたくなるんだよなあ……
「出来るよ、お味噌汁。うちはちゃんと出汁取らないから顆粒のやつだけど」
「……!ほんとですか!?お味噌あるんですか!?どこだろう、売ってるのみたことない、たのしみ……」
「後で色々紹介するね」
「……?はい!」
笑顔が眩しい。
やはり子供は笑顔が一番だ。
すんすんと鼻を鳴らしながら、少し落ち着いてきたモモカに、おにぎりはおいしいか訊くと、おいしいです、と真っ赤な目で答えてくれた。
「う、嬉しいです、わたし、頭おかしくなっちゃったのかって、ずっと、こわくて」
「……うん」
「おかしくないですよね?日本はありましたよね?わたし、ひゃくにはなで百花なんです。漢字、わかりますよね?漢字、ありますよね?」
「わかるよ、僕は悠久のゆうに北斗七星のとで悠斗、果穂は果物のかに稲穂のほで果穂。わかるよね?」
「わか、わかります、わかる、わかる……!」
「1年かあ、今13って言ってたし、12歳の頃来たってことだよね?小学生じゃん……本当によく頑張ったね、大変だったでしょう」
「うん……うん……ずっとこ、こわかったんです、頭、おかしくなったみたいだし、魔法とかあるし、こわいの出るし、わ、わたしよわ、弱いし、知ってる人、誰も、いなくて……」
心がきゅっとする。小学生が1人でこの世界で生きてきたなんて。
僕は果穂が一緒で、たまたまララとルルに助けられて、混乱しながらもこの数日は守られて生きてきた。
百花の状態はわからないけど、苦労をしたのは想像にかたくない。
「こわかったね、もう大丈夫だよ……大丈夫だよっていっても、僕達も2人に助けられてきたんだけど。でも知ってる人がいたら少しは楽になるよね、僕も百花に会えてよかったよ」
「いっ、一緒にいてもいいですか……?大丈夫ですか?迷惑じゃないですか……?」
「迷惑じゃないよ、王都まで一緒に帰ろう」
「王都まで……」
「百花が嫌じゃなければ、王都でも仲良くしてくれたら嬉しいよ」
「嫌じゃないです~……!」
わんわん泣く百花を宥めてると、果穂も頭を撫でていた。
普段は自分が泣いて宥められる側なのに。成長してるんだな、とこんな時にちょっと感動してしまった。
「話纏まった?」
「ごめんなさい~……!」
「大丈夫よ、でもいつまでもここにいて他の冒険者と会ってしまうのもなんだから、ちょっと移動して食べない?モモカも疲れたでしょう、あたしたちもモモカの話聞きたいわ」
「……!はい!」
そう話していた筈だが、木陰まで移動して、皆でおにぎりを食べて、ほんの少し話をしたら百花はすうすう寝てしまった。
仕方ないと思う。
あんなところで1人残されて、きっと眠れなかったことだろう。
お腹も空かせて、水すら飲めず、やっと現れた僕達に我儘を言うこともなくダンジョンに潜り、あれだけ泣いて泣いて泣き疲れて、お腹も満たされたらそりゃ誰だって寝てしまう。
でもその無防備に寝てしまえるのは、僕達のことを安心出来る相手だと認めてくれたというところもあるのだろう。
「寝ちゃったわねー」
「うん、でも寝かせといてあげようよ」
「そんな鬼じゃないわよ、カホもおねむみたいだし」
「お昼寝なかったもんなあ」
「寝かせたまま移動して、今日は早めに休みましょうか」
「そうだね、まだ少し進められそうだし、良さそうなところ見つけたらそこでゆっくりしよう」
「モモカはララと一緒に移動するか?」
「ルルでいいでしょ?」
「起きた時に俺と一緒だとこわいだろ」
想像して笑ってしまった。
ルルの方が驚かれるのに怯えてるのが面白い。
「大丈夫だと思うよ、百花だって感謝してたじゃん」
「小さくてこわい」
「果穂の方が小さいよ」
「小さいの種類が違う」
わかるようなわからないような。
結局ルルの方が腰が引けてるようなので、ララが果穂を引き取り、僕が百花をラダに乗せることにした。
別にララでもいいのでは、と思ったのだが、起きた時に安心させてあげて、と言われたので、まぁ信頼されてるのだということで受け取ることにする。
妹が増えたようで、悪い気はしない。
「……?」
「あ、起きた?今移動中だから動くと落ちちゃうよ」
「ぇあ……あれ……あ、悠斗さん……」
「まだちょっと寝惚けてるねえ、寝ててもいいよ、疲れてるよね」
「いえ……今、目、覚めました」
「今休めそうなとこ探してるから、ちょっとこのまま我慢しててね」
「大丈夫です!」
話をしてる内に頭も冴えてきたらしい。
ちょっと前まで泣いていたものだから目元は腫れているが、笑顔は清々しくなってる気がする。いいことだ。
「今日何食べたい?」
「ご飯ですか?」
「そうそう、僕そんなに料理得意じゃないんだけど、おにぎりであんなに喜んで貰えるなら何か作れそうなものなら」
「お味噌汁飲みたいです!……あ、お味噌、あるかわからないんですけど、わたし、この世界では見つけられなくて……ご飯、おいしいんですけど、毎日旅行先のご飯みたいで、日本のご飯食べたいなって思って、でも見つけられなくて……最近、あんまりご飯食べる気なくなっちゃってて……だから、おにぎり、すごく嬉しくて、すごくおいしかったです」
わかる。
旅行先のご飯、最初は美味しい美味しいってなるけと、これから毎日そうですよ、となると、和食じゃなくて日本食が食べたくなるんだよなあ……
「出来るよ、お味噌汁。うちはちゃんと出汁取らないから顆粒のやつだけど」
「……!ほんとですか!?お味噌あるんですか!?どこだろう、売ってるのみたことない、たのしみ……」
「後で色々紹介するね」
「……?はい!」
笑顔が眩しい。
やはり子供は笑顔が一番だ。
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