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はじめての旅
さんじゅうに
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……何かいいにおいがする。
ドラマでみるような、朝のにおい。
僕にはばあちゃんの家でしか記憶のない、誰かの作った朝食のにおいだ。
「……にいに、ごはん~?」
「おはよ……ご飯のにおいするねえ」
寝ぼけ眼の果穂に挨拶をし、横を見るとベッドが空いていた。
あ、これはもしかして百花が作ってるパターンのやつ……
階段を降りてリビングを見ると、もうララとルルも揃ってる。
「おはよー」
「おはようございます!」
やはりまだ少し目の赤い百花が朝食を作っていた。
「勝手にごめんなさい」
「いいよ、昨日自由に使っていいって言ったでしょ」
「へへ……簡単なものなんですけど」
味噌汁とご飯と焼き魚。
日本の典型的な朝食だ。
「お魚あったからどうしてもこうやって食べたくて。ララさんとルルさん和食大丈夫でしょうか」
「何でも食える」
「ユートとモモカのご飯は美味しいって知ってるからね!毎回楽しみよ」
「にいにおさかなほねとってえ」
食い意地のはったメンバーが揃ってるようで笑ってしまった。
食欲があるのはいいことだ、今日も元気に出発出来そうです。
「昨日はゆっくり話出来た?」
「はい!」
「良かったわね……モモカすごく嬉しそうじゃない」
「え、そうですかあ?えへへぇ、わたし優しいお兄ちゃんずっと欲しかったんですう」
「締りのない顔ねえ」
「だってララさんもルルさんも優しくって、果穂ちゃんもかわいくって、お兄ちゃんとお姉ちゃんとかわいい妹が増えたみたいで、わたし今すっごくしあわせなんです!」
「まーかわいいこと言ってくれるわねえ」
「友達のお兄ちゃんがすごく優しい人で、学校の送り迎えとか、休みの日に遊びに行ったりとか、勉強教えて貰ったりとか、そういう話聞いててずっと羨ましかったんです」
「そんなのあたしたちでも出来るじゃない」
「そう言ってくれるのがわかるから嬉しいんですー」
今日の百花は見るからにご機嫌で、ずっと笑顔だ。
昨夜の会話で吹っ切れるところがあったのかもしれない。
今日は果穂がルルと一緒に移動すると言うので、僕が百花を乗せて移動している。
鼻歌が聞き覚えのあるメロディーで、ああ、やっぱり日本から来たんだなあと再確認してしまった。
「あと少し王都につきそうかな」
「このままだとあと2日くらいだと思います!」
「へー、王都ってどんな感じ?」
「華やかですよ!毎日賑わってて、お祭りみたいで、人も多くて……絵本みたいで、外国みたいで」
「まぁ外国に違いないな」
「言葉は通じるのに、まだ場違いな気がして、疎外感があって……でも悠斗さんと果穂ちゃんがいるなら、やっと楽しめるかもしれません」
「……そうだね、きっとまだ色々楽しいことがあるよ」
「うん!」
年相応の笑顔だ。安心する。
「学園に行くのもちょっと怖かったんです、どんな人かいるかわからないし、強い人いっぱいいるのかな、弱いからまた何か言われるかな、避けられたりしないかなって」
「そんなことないよ」
「悠斗さんたちがおうちで待っててくれるから頑張ります!」
そんな家に専業主婦が待つ旦那さんみたいな。
「学園ではどんなこと習うのかな」
「魔力の使い方でしょうか……わたしほんとに知らないこと多いから、色々教えてもらえるのは助かるんですけど、基本的なことから教えて貰えるのかなって……」
「僕も全然わからないなー、ララにいつも教えて貰ってたな」
「ララさんに……」
「ルルは教えるの苦手だー、って。ララはスパルタなんだよね」
「スパルタ」
「大体実戦投入だよ」
「ひゃー」
横から、良かったらモモカも鍛えるわよ!とララ。
怖がるかな、とも思ったけども、意外にも百花はお願いしたいです!とやる気だった。
「自分なんかが強くはなれないと思うんですけど、足でまといにならないくらいには強くなれたらって!」
「そんなことないわよ」
「え」
「自分なんかが強くはなれない、ってことはないわよ、モモカはまだちゃんとわかってないだけ」
「そう……ですか?」
「うん、モモカは魔力も低くないし、寧ろ高い方かな、昨日ダンジョンで見た感じだと、分身も悪くない。あれ、錯覚とか幻影とかじゃなくて、ちゃんと分身してたもの」
「???」
「例えばずらっとモモカがいるでしょ、本物はどれか、どこから攻撃されるかわからないってなるでしょ?こちらから攻撃しても外れでした、ってなるでしょ?でもモモカは幻影じゃないからそのまま攻撃を喰らってしまう」
「だめじゃん」
「でもその分モモカの攻撃もどこからでも入る。それは強味じゃない?」
強い。それは強い。でも危ない。不安だ。
「モモカは結構スピードもあるから、逃げ方かわし方を覚えて、戦い方、魔法の使い方を覚えたら化けると思うのよね」
「ほー」
「すごい、なんだかゲームみたいですね!」
「いやでも百花にとっては現実になるから……怪我したら危ないんだよ」
「何も対策しない方が危ないわよ、ユート、あなたカホやモモカに対して過保護すぎるわよ、わかるけど、モモカが強くなりたいと思ってる以上、何もしない方が危ないわ、自分で自分の身を守ることも大事よ」
「わかるけどさあ!でも子供や女の子が怪我したり危ないことするのはみてられないっていうか」
「全員を守るのは無理でしょう、自己防衛は大事よ、ていうかあたしの心配もしなさいよ!」
「だってララは強いし!でもララだって怪我するのは嫌だよ」
「!」
「誰だって怪我するの見たくないよ、ルルだって」
「……」
「……」
「……悠斗さんって結構フラグ折るの上手いですね?」
「えっ」
初めて百花の呆れたような声を聞いた瞬間だった。
ドラマでみるような、朝のにおい。
僕にはばあちゃんの家でしか記憶のない、誰かの作った朝食のにおいだ。
「……にいに、ごはん~?」
「おはよ……ご飯のにおいするねえ」
寝ぼけ眼の果穂に挨拶をし、横を見るとベッドが空いていた。
あ、これはもしかして百花が作ってるパターンのやつ……
階段を降りてリビングを見ると、もうララとルルも揃ってる。
「おはよー」
「おはようございます!」
やはりまだ少し目の赤い百花が朝食を作っていた。
「勝手にごめんなさい」
「いいよ、昨日自由に使っていいって言ったでしょ」
「へへ……簡単なものなんですけど」
味噌汁とご飯と焼き魚。
日本の典型的な朝食だ。
「お魚あったからどうしてもこうやって食べたくて。ララさんとルルさん和食大丈夫でしょうか」
「何でも食える」
「ユートとモモカのご飯は美味しいって知ってるからね!毎回楽しみよ」
「にいにおさかなほねとってえ」
食い意地のはったメンバーが揃ってるようで笑ってしまった。
食欲があるのはいいことだ、今日も元気に出発出来そうです。
「昨日はゆっくり話出来た?」
「はい!」
「良かったわね……モモカすごく嬉しそうじゃない」
「え、そうですかあ?えへへぇ、わたし優しいお兄ちゃんずっと欲しかったんですう」
「締りのない顔ねえ」
「だってララさんもルルさんも優しくって、果穂ちゃんもかわいくって、お兄ちゃんとお姉ちゃんとかわいい妹が増えたみたいで、わたし今すっごくしあわせなんです!」
「まーかわいいこと言ってくれるわねえ」
「友達のお兄ちゃんがすごく優しい人で、学校の送り迎えとか、休みの日に遊びに行ったりとか、勉強教えて貰ったりとか、そういう話聞いててずっと羨ましかったんです」
「そんなのあたしたちでも出来るじゃない」
「そう言ってくれるのがわかるから嬉しいんですー」
今日の百花は見るからにご機嫌で、ずっと笑顔だ。
昨夜の会話で吹っ切れるところがあったのかもしれない。
今日は果穂がルルと一緒に移動すると言うので、僕が百花を乗せて移動している。
鼻歌が聞き覚えのあるメロディーで、ああ、やっぱり日本から来たんだなあと再確認してしまった。
「あと少し王都につきそうかな」
「このままだとあと2日くらいだと思います!」
「へー、王都ってどんな感じ?」
「華やかですよ!毎日賑わってて、お祭りみたいで、人も多くて……絵本みたいで、外国みたいで」
「まぁ外国に違いないな」
「言葉は通じるのに、まだ場違いな気がして、疎外感があって……でも悠斗さんと果穂ちゃんがいるなら、やっと楽しめるかもしれません」
「……そうだね、きっとまだ色々楽しいことがあるよ」
「うん!」
年相応の笑顔だ。安心する。
「学園に行くのもちょっと怖かったんです、どんな人かいるかわからないし、強い人いっぱいいるのかな、弱いからまた何か言われるかな、避けられたりしないかなって」
「そんなことないよ」
「悠斗さんたちがおうちで待っててくれるから頑張ります!」
そんな家に専業主婦が待つ旦那さんみたいな。
「学園ではどんなこと習うのかな」
「魔力の使い方でしょうか……わたしほんとに知らないこと多いから、色々教えてもらえるのは助かるんですけど、基本的なことから教えて貰えるのかなって……」
「僕も全然わからないなー、ララにいつも教えて貰ってたな」
「ララさんに……」
「ルルは教えるの苦手だー、って。ララはスパルタなんだよね」
「スパルタ」
「大体実戦投入だよ」
「ひゃー」
横から、良かったらモモカも鍛えるわよ!とララ。
怖がるかな、とも思ったけども、意外にも百花はお願いしたいです!とやる気だった。
「自分なんかが強くはなれないと思うんですけど、足でまといにならないくらいには強くなれたらって!」
「そんなことないわよ」
「え」
「自分なんかが強くはなれない、ってことはないわよ、モモカはまだちゃんとわかってないだけ」
「そう……ですか?」
「うん、モモカは魔力も低くないし、寧ろ高い方かな、昨日ダンジョンで見た感じだと、分身も悪くない。あれ、錯覚とか幻影とかじゃなくて、ちゃんと分身してたもの」
「???」
「例えばずらっとモモカがいるでしょ、本物はどれか、どこから攻撃されるかわからないってなるでしょ?こちらから攻撃しても外れでした、ってなるでしょ?でもモモカは幻影じゃないからそのまま攻撃を喰らってしまう」
「だめじゃん」
「でもその分モモカの攻撃もどこからでも入る。それは強味じゃない?」
強い。それは強い。でも危ない。不安だ。
「モモカは結構スピードもあるから、逃げ方かわし方を覚えて、戦い方、魔法の使い方を覚えたら化けると思うのよね」
「ほー」
「すごい、なんだかゲームみたいですね!」
「いやでも百花にとっては現実になるから……怪我したら危ないんだよ」
「何も対策しない方が危ないわよ、ユート、あなたカホやモモカに対して過保護すぎるわよ、わかるけど、モモカが強くなりたいと思ってる以上、何もしない方が危ないわ、自分で自分の身を守ることも大事よ」
「わかるけどさあ!でも子供や女の子が怪我したり危ないことするのはみてられないっていうか」
「全員を守るのは無理でしょう、自己防衛は大事よ、ていうかあたしの心配もしなさいよ!」
「だってララは強いし!でもララだって怪我するのは嫌だよ」
「!」
「誰だって怪我するの見たくないよ、ルルだって」
「……」
「……」
「……悠斗さんって結構フラグ折るの上手いですね?」
「えっ」
初めて百花の呆れたような声を聞いた瞬間だった。
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