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生きていく街
よんじゅうよん
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えっ、もしかして僕不審者と思われてる!?
ショックを受けてると、果穂がまだカップケーキを差し出している。
変なもの入ってないよ、と伝えるが、お姉さんの方は警戒心剥き出しだった。
……ショックだ、ショックだけど正しくもある。
知らない人から食べ物を貰うなんて怪しいもんな。
でも果穂みたいな小さい子を連れてたら安心して貰える場面も多いんだけど。
「これおいしーよ?まだいっぱいあるよ?」
「いっぱい……」
「だめだよ!食べ物もらっちゃだめって先生言ってたでしょ!帰るよ!」
「うん……」
「おいしーのに……」
がっかりしたように果穂がそのままカップケーキを齧る。
それを見て、大丈夫だと思ったのか、小さい方がおなかを鳴らした。
「おなかすいたよお……」
「だめだってばあ!」
「でもだいじょぶそうだよお」
「だめって!先生だめだってゆった!」
よく見たら服もあまり綺麗なものではないし、ふたりとも華奢というか、大分細い。
果穂のふっくらした頬と比べると、子供特有の柔らかさが足りない。
……ご飯あまり食べられてないんだろうか。
「君達どこの子?」
「あっちー」
「何で言うの!」
「みんなしってるよお」
指さされた建物は小さな、あれは孤児院……だろうか。
それでか、と納得した。
この子の言い方からして、あまり歓迎されてない様子だ。
こんな立派な王都なのに、孤児院ひとつまともに運営出来てないとか?いや勝手にそんなこと決められないか、でも目の前の子供たちはおなかをすかせてるし……
「何人いるの?」
「せんせーも?」
「先生も足すと何人?」
「じゅうよん!」
「だから勝手に教えちゃだめ!」
「14人かあ、人数分あればどうかな」
「いいの!?」
「だめだったらあ!」
お姉さんなだけあるな、意外と頑固である。
僕達も引くべきなんだろう。
でもこの細い子達に食べさせないという選択肢もなかった。
やらない善よりやる偽善なのである。
「わたしだめってちゃんとゆった!なのに教えちゃうんだよ!」
「あらあ、大丈夫よお、ね、ちゃんと約束守れて偉いわねえ……すみませんねえ、送って頂いて」
「あ……いえ」
小さい子の方に孤児院に案内してもらうと、お姉さんの方が到着するなり先生に抱き着いて泣いてしまった。やばい泣かせた。そんなつもりはなかったのに。
穏やかそうな先生は宥めながらも、大丈夫だから奥に行ってなさい、と2人を促し、僕達も中に招待してくれた。
「妹さんかしら」
「あ、そうです」
「かほです……」
自分より少しお姉さんの女の子が泣いてしまったことに、もしかしたら自分のせいかも、と思ってしまったのだろう、果穂も大人しくなってしまった。
先生に簡単に説明をすると、あらそんなことが、と少し気の抜けた返事が返ってきた。
「確かにそうですねえ、知らない方から食べ物は頂かないようにお話してます」
「すみません……」
「いいえぇ、ありがとう、気を遣って下さったのよねえ、おなかすいてる子がいたら気になっちゃいますよねえ、優しい子達ね」
「……」
あっこれ僕も子供扱いされてるやつだ。実際子供なんですけど。
「難しい問題なんですよねえ……変なものが入ってたら危ないですし、でも経営が苦しいのは事実ですし……」
「これも持って帰った方がいいでしょうか、ほんとにたくさん作っちゃったんで……怪しかったらどれか食べてみせますが」
「ふふ、大丈夫ですよ、ありがとう、本当に頂いていいのかしら」
「是非」
「もうあの子達見てしまったから……取り上げてしまうのも可哀想だものねぇ、ありがとう、頂きます」
「はい……あの、経営って王都の方で色々してるんでしょうか」
「まぁ……そうですねえ」
「厳しそうに見えるのですが……」
何でだろう。小さい街でもないし、10数人の規模ならもっとどうにかならないものだろうか。
「大丈夫ですよぉ、あまりお気になさらないで。こういうことはね、どうにかなるものなのですよ」
「……」
「さあ、今日はおかえり下さい、丘を降りるのでしょう、ね」
優しい声に諭され、頭を下げ、家に帰る。
ちょっと暗くなってしまった。
僕だって金持ちじゃない。ちょっと前まではこの世界でどう生活していくか考えていたし、毎月毎月安定して寄付とかも出来ないだろう。
でも……でも果穂と同じ年頃の子供達が満足に食べられてないのを見ると……どうにかしたいと思ってしまうのは普通だと思う。
思ってるだけでその行動の仕方がわからないんだけど。
「ご飯をうちで作って持ってくのも現実味がないわよねえ」
「うちで作ればご飯ならタダみたいなものですもんね」
「でも毎日持っていくわけにもなあ」
「材料だけ渡すわけにもいかないですよね」
「その為に外に稼ぎに行くのもねぇ……カホもいるし」
「そこなんだよなー……果穂に危ないことはしたくない」
帰ってきた3人に相談してみる。
そんなことするなという人は誰もいなくて、皆真剣に考えてくれる。
うーん、と4人で頭を悩ませてると、果穂も寄ってきて、明日も何か持っていこうと言う。
明日だけならいいよ、でもそれはそれで子供達たちに明後日もあるかもしれないと期待だけさせてしまう。
そんな上げて下げるのもどうかと思ってしまって……
どうにも解決策が見当たらない。
ショックを受けてると、果穂がまだカップケーキを差し出している。
変なもの入ってないよ、と伝えるが、お姉さんの方は警戒心剥き出しだった。
……ショックだ、ショックだけど正しくもある。
知らない人から食べ物を貰うなんて怪しいもんな。
でも果穂みたいな小さい子を連れてたら安心して貰える場面も多いんだけど。
「これおいしーよ?まだいっぱいあるよ?」
「いっぱい……」
「だめだよ!食べ物もらっちゃだめって先生言ってたでしょ!帰るよ!」
「うん……」
「おいしーのに……」
がっかりしたように果穂がそのままカップケーキを齧る。
それを見て、大丈夫だと思ったのか、小さい方がおなかを鳴らした。
「おなかすいたよお……」
「だめだってばあ!」
「でもだいじょぶそうだよお」
「だめって!先生だめだってゆった!」
よく見たら服もあまり綺麗なものではないし、ふたりとも華奢というか、大分細い。
果穂のふっくらした頬と比べると、子供特有の柔らかさが足りない。
……ご飯あまり食べられてないんだろうか。
「君達どこの子?」
「あっちー」
「何で言うの!」
「みんなしってるよお」
指さされた建物は小さな、あれは孤児院……だろうか。
それでか、と納得した。
この子の言い方からして、あまり歓迎されてない様子だ。
こんな立派な王都なのに、孤児院ひとつまともに運営出来てないとか?いや勝手にそんなこと決められないか、でも目の前の子供たちはおなかをすかせてるし……
「何人いるの?」
「せんせーも?」
「先生も足すと何人?」
「じゅうよん!」
「だから勝手に教えちゃだめ!」
「14人かあ、人数分あればどうかな」
「いいの!?」
「だめだったらあ!」
お姉さんなだけあるな、意外と頑固である。
僕達も引くべきなんだろう。
でもこの細い子達に食べさせないという選択肢もなかった。
やらない善よりやる偽善なのである。
「わたしだめってちゃんとゆった!なのに教えちゃうんだよ!」
「あらあ、大丈夫よお、ね、ちゃんと約束守れて偉いわねえ……すみませんねえ、送って頂いて」
「あ……いえ」
小さい子の方に孤児院に案内してもらうと、お姉さんの方が到着するなり先生に抱き着いて泣いてしまった。やばい泣かせた。そんなつもりはなかったのに。
穏やかそうな先生は宥めながらも、大丈夫だから奥に行ってなさい、と2人を促し、僕達も中に招待してくれた。
「妹さんかしら」
「あ、そうです」
「かほです……」
自分より少しお姉さんの女の子が泣いてしまったことに、もしかしたら自分のせいかも、と思ってしまったのだろう、果穂も大人しくなってしまった。
先生に簡単に説明をすると、あらそんなことが、と少し気の抜けた返事が返ってきた。
「確かにそうですねえ、知らない方から食べ物は頂かないようにお話してます」
「すみません……」
「いいえぇ、ありがとう、気を遣って下さったのよねえ、おなかすいてる子がいたら気になっちゃいますよねえ、優しい子達ね」
「……」
あっこれ僕も子供扱いされてるやつだ。実際子供なんですけど。
「難しい問題なんですよねえ……変なものが入ってたら危ないですし、でも経営が苦しいのは事実ですし……」
「これも持って帰った方がいいでしょうか、ほんとにたくさん作っちゃったんで……怪しかったらどれか食べてみせますが」
「ふふ、大丈夫ですよ、ありがとう、本当に頂いていいのかしら」
「是非」
「もうあの子達見てしまったから……取り上げてしまうのも可哀想だものねぇ、ありがとう、頂きます」
「はい……あの、経営って王都の方で色々してるんでしょうか」
「まぁ……そうですねえ」
「厳しそうに見えるのですが……」
何でだろう。小さい街でもないし、10数人の規模ならもっとどうにかならないものだろうか。
「大丈夫ですよぉ、あまりお気になさらないで。こういうことはね、どうにかなるものなのですよ」
「……」
「さあ、今日はおかえり下さい、丘を降りるのでしょう、ね」
優しい声に諭され、頭を下げ、家に帰る。
ちょっと暗くなってしまった。
僕だって金持ちじゃない。ちょっと前まではこの世界でどう生活していくか考えていたし、毎月毎月安定して寄付とかも出来ないだろう。
でも……でも果穂と同じ年頃の子供達が満足に食べられてないのを見ると……どうにかしたいと思ってしまうのは普通だと思う。
思ってるだけでその行動の仕方がわからないんだけど。
「ご飯をうちで作って持ってくのも現実味がないわよねえ」
「うちで作ればご飯ならタダみたいなものですもんね」
「でも毎日持っていくわけにもなあ」
「材料だけ渡すわけにもいかないですよね」
「その為に外に稼ぎに行くのもねぇ……カホもいるし」
「そこなんだよなー……果穂に危ないことはしたくない」
帰ってきた3人に相談してみる。
そんなことするなという人は誰もいなくて、皆真剣に考えてくれる。
うーん、と4人で頭を悩ませてると、果穂も寄ってきて、明日も何か持っていこうと言う。
明日だけならいいよ、でもそれはそれで子供達たちに明後日もあるかもしれないと期待だけさせてしまう。
そんな上げて下げるのもどうかと思ってしまって……
どうにも解決策が見当たらない。
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