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プロローグ

契り

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コニー•セブンと聞き
軍人達は戸惑ったような表情を見せたがすぐにこう切り返した。
「ならこの新郎となる男の名前は答えられるのか?」
疑われているのは分かっている。
はぁ?と私は口に出したあと、BARで見せてくれた男の身分証明の名前を口にした。
『彼はサラナ•プラット。異端専門の医者です』
サラナの口元が緩んだ。
「という訳で軍人さん、僕ら運命で結ばれてるからさ!」とサラナは身分証明書を軍人に渡した。


その後、私とサラナは別々に聴取を受け解放されたのは3日後だった。
たった3日だったのにとても長かった。
建物の隙間から見える夕日が眩しく輝いていた。
仕事や用事を終えた人が、家に帰り出す時間帯であり、少し街が賑やかな時間帯に私は解放された。

時間差でサラナが先に出されたことは知っていたが、どこにいるのかは知らない。
働いていたあのBARにも戻れないのは分かっていた。
結局また新しい街に行くだけ。でも軍の監視が強くなるのも感じている。
このまま結婚しなかったら、虚偽の罪でまた追われる羽目になるのだ。
つまりサラナを探し出して、婚約破棄か本当に結婚するか話し合う必要がある。
できれば婚約破棄をしてほしい。

とりあえず虱潰しに裏通のBARから覗いてみるか。
運命だとか、ディスティニー等の名前が入ったBARがあればそこにいる気がした。

その私の考えは当たっていた。
「おー!」裏道のさらに奥、運命というBARのカウンターにサラナは座っていた。
『一軒目かよ』
「やっぱり運命じゃんか」
なにが運命だ、と私は扉を閉め、その席の隣に座る。
マティーニお願いします、と私がマスターに声をかけるとマスターは優しく微笑んだ。

それから数分、サラナの話を聞いた。
生まれが北の田舎の方で、3人兄弟の末っ子で、親も医者で戦地で亡くなったと話してくれた。
話が上手いのか表情が豊かなのか、気がついたら吸い込まれそうになる。
一通り話し終えると、サラナは急に静かになった。
「つぎ、コニーちゃんね」
あー……と心の声が出てくる。
『違う、私は婚約破棄してもらいたくてきた』
「婚約破棄はしない。というか、今ここでしちゃうと軍が黙ってないと思うよ」
『それは分かってる、でもあなたの目的はなに?』
「稀な異端者の中には、【その力を無効にする異端者】がいる。そしてその力を【他の誰かに与えてしまう異端者】がいるって聞いたことない?」
それを聞いた私は思わず笑ってしまった。
『有名な都市伝説じゃん。信じてるの?』
「俺はその異端者に、君の涙の力を奪って、俺に与えて欲しいと思っている。」

サラナの真剣な表情に、言葉が出なくなった私は目の前にあったマティーニを口に含むと、席を立った。
『ごめんなさい、やっぱ無理』
マスターにお金を渡そうと財布を出したところで、サラナは続けた。
「外に出たら軍の人や君を誘拐した悪い人たちがうじゃうじゃいるかもね」
『なにそれ脅す気?』
「俺もここで結婚しないとヤバくなるんだよね」

マスターはチラッと外を覗いてくれた。
「見知らぬ顔がいますね」
ツメが甘かったか、と後悔したがなんとかこの街から出たかった。
「どうします?裏から出ますか?」
『このお店には迷惑かけられません、表から出ます』
と、サラナに声をかけた。
『あなたと結婚すれば、またこのお店来れる?』
「堂々と来れるよ」
『だったら結婚する、ここのお酒もおつまみも美味しかったからまた来たい』
それを聞いたマスターの顔が明るくなった。

『それでサラナさんこれからどうするの?』
「まずは異端者の集まりに顔出しだ」
お店の扉の前に立ち、マスターにまた来ますと告げた後、私はサラナの腕に手を回した。
「ルルちゃん!」
『源氏名で呼ばないで』

こうして私は、コニー•プラットとなって、サラナについて行くこととなった。
他に行く事もなかったし、逃げるだけだった。それが結婚すれば追われなくて済むならば。

そして、現在。
私は列車に乗っていた。







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