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第1章
危険信号
しおりを挟む私たちはしばらくその話を聞いていたが、結局その少女の事は分からずじまいだった。私もサラナもそのような力を持ってる異端者を見た事がなかったからだ。
「まぁこの管理村に来たら何か分かると思ってやってきたんだよな」
サラナは頷いた。
『その後の御家族はどうなったんですか?』
「さぁな、軍人になってればどこかで遭遇もできたはずだが」
それは、今も逃げていると言うことか、どこかで命を終えてしまっているか、結婚して幸せになっているか………。
「その家族と出会った街はどこなんだ」
ジジと別れ軍施設を出たのは夜中だった。
ミッシェルの街中にある小さな宿にはいった。
ベッドにサラナは腰掛けるとはぁとため息をついた。
サラナはジジから聞き出した情報を元に例の家族がいるとされてた街に出向くと言う。
『サラナ、ジジの話は30年以上前の話だよ?何もなかったらどうするの?』
「そうだとしても、なにか手がかりはあるだろ」
闇雲に動いているサラナに、私はますます不信感を覚えていた。
あと1つ彼にどうしても聞かねばならないことがあった。
『管理村の生活を私に見せようとしてた?』
一瞬、サラナの表情が固くなった。
『軍人とも親しかったみたいだし、薄々思ってたんだけどあなた軍人関係者?』
「異端専門の医者だって言ったろ。そりゃ管理村近くの軍人とは顔見知り」
『生活を見せようとしてたのは?』
「それは………」
『もしかして、私の力が無効化出来なかった場合に、自ら軍に行きたくなるように仕向けてるとか?』
サラナはベッドから立ち上がると、シャワー浴びてくると言い残して立ち去ろうとした。
『まって』
「都市伝説だからこそ、何もなかった時の事を考えたら、コニーちゃんには逃げるだけの生き方はして欲しくなかった」
『だから管理村の生活を見せて逃げ場所を作ろうとしたの?』
「逃げ場所って………」
『私は不老不死。軍に捕まったら、密猟者に捕まったら、一生囚われの身。悪いけど、あなたが望む生活だけは絶対にしたくない』
「分かってる、でも………」
『でもなに?』
サラナは何か言いたげな表情をしていたが、無言で立ち上がるとそのままシャワー室へ入って行った。
逃げるとしたら今しかない。
置き手紙もなにも書かず、私は宿の外に出ていた。
駅に戻ったところで終電はないが、どこかの飲み屋で朝まで時間を潰せたら………と駅前を歩いてみたもの開いている店はなかった。
宿で別の部屋取って朝早くに出ようかと宿に戻ろうとしたが、どこからか視線を感じて後ろを振り返った。
背後には、1人の男が立っていた。
「こんばんは」
私は男の言葉を無視して出てきた宿の方向へ向かった。
男は私の後を追いかけては来なかったが
「コニー•プラットさんだよね?」と呼びかけられた。
私は足を止めて、男の方をもう一度振り返った。
「やっぱりコニーさん?」
『………だったらなによ?』
私の中で危険信号のサイレンが鳴り響いた。こんな夜中に、声をかけてくる見知らぬ男。しかも私の名前を知っている。
「涙の子、だよね」
その瞬間、背後から誰かに両腕を拘束された。
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