元社畜、スキル『おっさん』で快適な異世界ライフを送る~全てのおっさん(達人)のスキル使い放題はチート過ぎる!!~

荒井竜馬@書籍発売中

文字の大きさ
7 / 63

第7話 初めての依頼

しおりを挟む
「悪いな。剣まで貸してもらって」

「いいって! さすがに、丸腰で依頼を受けるわけにもいかないだろ?」

 ノエルは手を横に振って、気にするなと言って笑っていた。

 冒険者ギルドで受ける依頼を決めてから、さっそく依頼に向かおうと思ったのだが、今度は武器を何も持っていないことに気がついた。

 受けた依頼は薬草の採取だったので、最悪なくても行けるだろうと思っていたのだが、ノエルがそれなら昔父親が使っていた剣があるから貸してやると言ってくれた。

 子供に入会費を借りるだけでなく、武器まで借りるなんてことはできない。

 そう考えて断ろうとしたのだが、ノエルに押される形で結局剣を借りることになった。

 正直かなり助かるではあるが、ここまでして貰っていいのだろうかと思ってしまう。

……まぁ、今はお金もないわけだし、ノエルの優しさに感謝してこの剣を使わせてもらうとしよう。

「おっさんって、薬草の採取とかしたことあるのか? 思った以上に薬草の採取って面倒だぞ?」

「それは問題ない。まぁ、任せてくれって」

 俺はノエルの言葉に得意げな笑みを返してから、辺りを見渡した。

 そろそろギルド職員の女性の話に聞いた群生地が近いかもしれない。俺はそう考えて、さっそくスキル『おっさん』を発動することにした。

 薬草の群生地を見つけて、それが薬草かどうか判断できるおっさんは……やっぱり、探検家とかかな。

『おっさんスキル発動:おっさん探検家』

 そんな声が脳内に直接聞こえてきた次の瞬間には、体が勝手に動き出した。

「おっさん? ギルド職員のお姉さんが言っていたのは、そっちじゃないぜ?」

「分かっている。こっちの方が薬草の良い群生地があるんだ」

「なんでそんなこと分かるんだ? ちょっと、待ってくれよおっさん」

 俺が迷うことなくどんどん進んでいくと、ノエルが慌てたように俺の後ろをついてきた。

それから、ノエルは思い出したように『あれ? おっさんって方向音痴のはずでは?』と呟いていた。

 俺は魔物の気配と、茂みにある危険などを避けながら、最短距離で薬草の群生地に最短距離で向かって行く。

「もうすぐだ。この茂みの先だな」

「なぁ、本当にこんなところに薬草があるのかよ? 薬草採取の依頼でこっちの方まで来る冒険者いないぜ」

 不満そうなノエルの声を聞きながら茂みを抜けると、そこには辺り一面に色んな種類の薬草が広がっていた。

「は? え、なんだこの薬草の群生地! こんなのあるなんて知らなかったぞ!」

「定番の『薬草』に、『滋養強草』、『リフレッシュ草』、『黄金草』にその他諸々。うん。これだけあれば、入会費を返しても余裕でおつりが来るな」

 俺が薬草の群生地を見てそう言うと、ノエルが驚いたように俺の方にバッと振り返った。

「おっさん、薬草の知識もあるのか? そんなパッと見ただけで簡単に分かるなんて凄すぎないか⁉」

 ノエルに羨望の眼差しを向けられて、俺は少しだけ得意げに笑う。

「まぁな。おっさんの手にかかればこんなもんだ」

 俺は軽くふざけたように言ったつもりだったのだが、ノエルは『おっさんすげーな!』と言って本気にしてしまっていた。

 いや、俺はただスキルを使っただけで、凄いのは俺じゃなくておっさん探検家の方なんだけどな。

 まぁ、いいか。

 俺は訂正するタイミングを失ったので、ノエルに勘違いをさせておくことにした。

 それに、これだけ凄い、凄いと言われれば悪い気はしないし。

「それじゃあ、色々採取していくか」

 俺はノエルにそう言って、ノエルと共に薬草の採取をすることにしたのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!! 2巻2月9日電子版解禁です!! 紙は9日に配送開始、12日発売! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)

処理中です...