捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~

荒井竜馬@書籍発売中

文字の大きさ
32 / 57

第32話 魔改造冷蔵庫

しおりを挟む
「おお、これがメビウス様がおっしゃっていた保存庫ですか」

 俺たちは手分けをして、仕様変更をした冷蔵庫に次々に野菜を入れていった。籠いっぱいになっている野菜を入れても未だに余裕がある冷蔵庫を見て、ラインさんたちは野菜が入っていく様子を見て目を丸くしていた。

 今回仕様変更した冷蔵庫には、大容量であることと野菜の鮮度を保つことの二点のみに特化させた。

 『家電量販店』にある色んなものを仕様変更して気づいたが、仕様変更をするときの機能を少なくすれば少なくするほど、よりその機能を強くするみたいだった。

 だから、もともと大容量と野菜の鮮度を保つ冷蔵庫を使って、さらにその二点を強めることに成功できたのだと思う。

 というか、いったいどれほど多くはいるんだろう。いく収納してもまだまだ空きがある。

「旦那様。この冷蔵庫は旦那様のランドセルみたいな感じなのですか?」

「ランドセルよりも保存に適した感じかな。大きさとかは同じ感じだと思うよ」

 俺は後ろから俺に抱きつく姿勢で冷蔵庫を見ていたアリスに答える。

 多分、感覚的にはランドセルが持ち運び用のアイテムボックスで、冷蔵庫が据え置き型のアイテムボックスみたいな感じだ。

 元々の容量の違いを考えれば、そんな感じかなと思う。

「ご主人様―、これでもう野菜は全部入れ終えたってー!」

「マジか。まさか、あれだけあった野菜がすべては入ったのか……」

 俺は家具屋の言葉を聞いて、少しの間言葉を失ってしまった。

 無駄に『死地』が広かったことと、土とか肥料が無料だったこともあり、調子に乗って随分と大きな畑を作った。

 当然、その畑の収穫量というのも馬鹿みたいに多い。

 それがあの冷蔵庫一つに全て入ってしまうとは思いもしなかった。

「では、メビウス様。また何かありましたら、お声がけください!」

「あっ、ラインさん。この後少しいいですか?」

 俺は一仕事終えてそう言ってきたラインさんを呼び止めた。すると、ラインさんは嫌な顔一つすることなく小さくガッツポーズをする。

「ええ、もちろんです! 今度は何をすればいいでしょうか?」

「えっとですね。明日からしばらくの間、留守をお願いしたいんです」

 俺がそう言うと、ラインさんは少し間があってから表情を硬くさせた。

「留守をですか? え、メビウス様たちはどちらに行かれるんです?」

「野菜の販売ルートの確立させるために、ちょっと営業に行ってきます」

 野菜を収穫できたのなら、その販売ルートを確立させなければならない。

 俺たちはラインさんたちが農作業をしているうちに、アリスとカグヤに意見出してもらいながら、今後の方針を決めていた。

 まず初めにすべきは、収穫した野菜の販売ルートを確立させること。

 野菜を収穫しても、それらを販売することができなければ意味がない。

まずは近くにあるグラン大国のレスタンス領あたりに営業をかけてみるつもりだ。あそこは、商人の街で有名だから、『死地』で取れた野菜も悪くない値段で買い取ってもらえると思う。

 徐々に『死地』でも野菜が取れるという認識から、そこに小さな国があるということを知ってもらう感じがいいだろうな。

「そう言うことでしたら、お任せください! 命に代えてでもこの館と仲間たちをお守りいたします!」

「い、いえ、命が危ないと思ったら、全然逃げてもらって平気なので!」

 俺は襲ってきた魔物を想定して闘志を燃やすラインさんを見て、慌てて手を横に振った。

 さすがに、仕様変更をしたお掃除ロボットを何個か置いていくつもりだし、ラインさんたちが危険な目に遭うことはないとは思う。

 念のために、仕様変更をしたエアガンとかも置いていった方がいいかな?

 俺がそう考えていると、突然ドタドタッと足音が聞こえてきた。

 何だろうかと思って振り向くと、そこにはラインさんの仲間の女性の姿があった。

「モモイ。突然メビウス様の館に入ってくるなんて失礼だろ」

「す、すみません、メビウス様。でも、緊急事態でして」

 ラインさんに指摘されたモモイという女性は肩で息をしながら、ペコっと俺に頭を下げてきた。

「いえ、大丈夫ですよ。それよりも、緊急事態って言うのは?」

 息を乱しているモモイさんの様子が気になって聞くと、モモイさんは勢いよく顔を上げて続ける。

「グラン大国から、国家騎士団だっていう人たちが来ました!」

「え……」

 俺は思ってもいなかった言葉を受けて、固まってしまった。

 なんで急に国家騎士団が『死地』なんかにやってきたんだ?

「旦那様、ご安心を。このくらいの数でしたら、私が蹴散らします」

「ご主人様、明日置いていくはずだったお掃除ロボット全部貸してー。私が操縦して一気に殲滅するから」

 俺がやけに冷たい声色に驚いて振り向くと、そこにはデッキブラシを振り回しているアリスと、タブレットを片手で持って素早く操作しているカグヤの姿があった。

 まさかとは思うけど、カグヤも戦える系のメイドなのか……。

 俺は以前魔物と戦った時のアリスの強さを思い出して、慌てて二人を落ち着かせる。

「ま、まって、二人とも! 別に相手も戦争をしようと思ってきてないんだろうからさ!」

 なぜグラン大国の国家騎士団がやってきたのかは分からないが、別に戦うつもりはないのだおる。

 初めから戦うつもりだったら、何もご丁寧に俺たちが出てくるまで待ったりはしないはずだ。

 というか、これってむしろチャンスなのでは?

 どのみち、ここで国を建てるのなら後ろ盾になる国は必要だった。どうやって接触を図るかと考えていた所に、国からの使いのような者が来てくれたのだ。

 この機会を逃すわけにいかない。

 俺はそう考えて、気を引き締めて一階の入口へと向かったのだった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

『規格外の薬師、追放されて辺境スローライフを始める。〜作ったポーションが国家機密級なのは秘密です〜』

雛月 らん
ファンタジー
俺、黒田 蓮(くろだ れん)35歳は前世でブラック企業の社畜だった。過労死寸前で倒れ、次に目覚めたとき、そこは剣と魔法の異世界。しかも、幼少期の俺は、とある大貴族の私生児、アレン・クロイツェルとして生まれ変わっていた。 前世の記憶と、この世界では「外れスキル」とされる『万物鑑定』と『薬草栽培(ハイレベル)』。そして、誰にも知られていない規格外の莫大な魔力を持っていた。 しかし、俺は決意する。「今世こそ、誰にも邪魔されない、のんびりしたスローライフを送る!」と。 これは、スローライフを死守したい天才薬師のアレンと、彼の作る規格外の薬に振り回される異世界の物語。 平穏を愛する(自称)凡人薬師の、のんびりだけど実は波乱万丈な辺境スローライフファンタジー。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~

にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。 「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。 主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

処理中です...