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03:何気ない、一方通行な会話
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「あきと、来たよ。今日も一日、お疲れ様。って、疲れてるのは私の方か」
からりとした声が、静まり返った病室に響いた。
椅子を引く音。
バッグを床に置く音。
いつもの定位置に腰を下ろした音。
ふーっと大きなため息をついたような様子も、耳から聞き取れた。
それからすぐに、莉子はいつもの笑顔を取り戻しただろう。
そんなところも、俺には想像できる。
「聞いて聞いて! 今日ね、もう信じられないくらい面白いことがあって。うちの五十嵐部長、いるでしょ? あの、いっつも七三分けをがっちがちに固めてる、生真面目な顔した部長。あの人がさ、今日、すっごい面白いカツラ被ってきたの! ……って言っても、まあ、あれはカツラじゃなくて地毛なんだけど。でも今日はね、一段と分け目の角度が鋭角っていうか、なんていうか……コンパスで描いたみたいにピシッてなってて。おまけに、雨で湿気てたせいかな、普段は後頭部にへばりついてるはずの貴重な数本が、ぴょんってアンテナみたいに立ってたんだよ!」
莉子はくすくすと、笑い声を漏らす。
おそらく、その光景を思い出すように宙を見つめているだろう。
彼女が何かを語る時はいつもそうだ。
まるで俺が隣で相槌を打っているかのように、生き生きと、楽しそうに、日常の些細な出来事を切り取ったように語る姿が目に浮かぶ。
「もうね、経理部の全員、笑いをこらえるのに必死で。キーボード打つふりして肩震わせてるの。特に隣の席の田中さん、あの人笑い上戸だから、もう限界だったみたいで。部長が『田中くん、この伝票の数字だが……』って話しかけた瞬間に、『ブフッ!』って。盛大に吹き出しちゃって。部長、眉間にしわ寄せて『……何か面白いことでも?』って低い声で言うもんだから、田中さん、顔真っ赤にしちゃって。『い、いえ! 部長のありがたいお言葉が身に染みて、感動のあまりつい……!』なんて、訳の分からない言い訳してた。バカだよねぇ。でも、なんか、平和だなって思っちゃった。あきとがいない会社は、やっぱりちょっと寂しいけど。でも、皆こうやって頑張ってるよ」
彼女はそこで、一度言葉を切る。
しばしの沈黙。彼女が、俺の顔をじっと見つめているような気がした。
その視線に、俺は「ここにいるぞ」と念を送る。
「あ、そうだ。ランチね、今日は新しくできたイタリアンに行ってみたんだ。ほら、あきとが好きだった会社の裏の洋食屋さん、あったでしょ? あそこが閉店しちゃって、その跡地にできたお店。期待してカルボナーラ頼んだんだけど……うーん、ちょっと残念だったかな。生クリームが多くて、こってりしすぎ。あきとが作ってくれる、卵とチーズだけのシンプルなカルボナーラの方が、百万倍美味しいや。……なんて、本人に言っても仕方ないか」
莉子の声が、少しだけ寂しそうなる。
ゴソゴソと、ビニールの擦れる音がした。
バックから何かを取り出そうとしているのかもしれない。
「はい、これ。コンビニで見つけたんだけど、新しい味のグミ。あきと、グミ好きだったでしょ? いつも仕事中にこっそり食べてたの、知ってるんだから。これも一応、枕元に置いとくね。食べたくなるかもしれないし」
食べたい。今すぐにでも食べたいよ。君が選んでくれたものなら、どんな味だって最高に決まってる。
そんな心の叫びは、もちろん音にはならない。
カサリ、と小さな音。莉子が、グミの袋をサイドテーブルに置いたらしい。
今度は、濡れたタオルで俺の手を優しく拭き始めた。
「指、冷たいね。でも、なんだか、前より少しだけ血色が良くなった気がするな。気のせいかな? ううん、きっと良くなってるんだよ。毎日少しずつ、少しずつだよね」
自分に言い聞かせるような、祈るような声だった。
彼女の指が、俺の指を一本一本丁寧に拭いていく。
その感触はないのに、彼女の温もりだけが、心の奥深くにじんわりと染み渡るようだった。
「そういえばね。駅前の再開発、だいぶ進んできたよ。前、ふたりでよく散歩した公園の隣、ずっと工事してたでしょ。あそこにね、新しい商業ビルが建つんだけど、そのテナントがこの前発表されたの。そしたらなんと! あきとがずっと『美味しい、美味しい』って言ってた、あの吉祥寺のチーズケーキ屋さんの支店が入るんだって! すごくない? 私、その看板見つけた時、思わず『あきとー!』って叫びそうになっちゃった。周りに人がいなくてよかったよ、ほんと」
彼女の声が、ぱっと弾む。
その声を聞くだけで、俺の暗闇に『ぱあっ』と光が灯る。
俺が好きだと言った店のことを、彼女は全部覚えてくれている。
「だからね、約束。あきとが目を覚ましたら、一番乗りで行こうね。私、ショーケースの端から端まで、全部注文しちゃうんだから。あきとが食べきれなかったら、私が全部食べてあげる。それで、ふたりして『もう食べられないー』って言いながら、またあの公園のベンチで休むの。いいでしょ、この計画。完璧じゃない?」
完璧だよ、莉子。最高の計画だ。
だから、頼む。俺の分まで太るなんて言うな。
俺は、俺の分のチーズケーキを、ちゃんと自分で食べるから。
君が美味しそうに頬張る顔を、隣で見ながら。
「……あ、あとね、これも報告。あきとが育ててたベランダのローズマリー、私がちゃんと水やりしてるからね。この前、ちょっと元気なくなっちゃって、慌ててネットで育て方調べたんだ。そしたら、水のやりすぎは根腐れの原因になるんだって。危なかったー。あきとが大事にしてた子を、枯らしちゃうところだった。でも、今はもう大丈夫。新しい葉っぱも出てきたんだよ。今度、写真撮ってくるね。あきとの会社のパソコン、パスワード分からなくて開けないから、スマホで撮って、ここに飾っておくから」
彼女は、俺が残した小さな世界を、一つひとつ大切に守ってくれていた。
俺の部屋の合鍵を渡した時のことを思い出す。「いつでも来ていいから」と言った俺に、彼女は顔を真っ赤にして「……お、お邪魔します」と小さな声で答えた。
あの鍵が、今、こんな形で役に立っているなんて。
嬉しいような、申し訳ないような、複雑な気持ちが胸に渦巻く。
「……ねえ、あきと」
ふと、彼女の声のトーンが少しだけ低くなった。
いつも俺を励ますための明るい声とは違う、彼女自身の心が滲み出たような声。
「私ね、たまに、怖くなるんだ。このまま、あきとがずっと目を覚まさなかったらどうしよう、って。そしたら、私、どうすればいいんだろう。あきとのいない世界で、どうやって笑えばいいんだろうって」
やめてくれ。
そんな悲しいことを言わないでくれ。
俺はここにいる。
必ず戻る。
そう伝えたいのに、俺の身体は沈黙を貫くだけだ。
「……ううん、だめだめ! 弱気になっちゃダメだよね。ごめん、今のなし! あきとは絶対に戻ってくるもん。私、知ってるんだから。あきとって、いっつもギリギリのところで、ちゃんと辻褄合わせてくるもんね。会社のプロジェクトだって、いつも最後の最後で大逆転するじゃない。だから、今回もきっと大丈夫。史上最大の寝坊、ってだけだよね」
彼女は、必死に自分を奮い立たせるように、早口でまくし立てた。
努めて明るく振る舞う声には、微かな震えが混じっている。
俺だけが、その震えに気づいていた。
君は、いつもそうだ。
俺の前では決して弱音を吐かない。
俺が落ち込んでいる時も、いつも隣で笑って、「大丈夫だよ」と言ってくれた。
今も、動かない俺を不安にさせまいと、ひとりで必死に戦ってくれている。
「よし! じゃあ、今日はこの辺で。また明日来るからね。明日は、もっと面白い話、持ってくるから。覚悟しといてよ?」
莉子はそう言って、わざと大きな音を立てて椅子から立ち上がった。
「おやすみ、あきと。また、明日ね」
最後に、もう一度。優しい声が俺の耳に届く。
パタパタというスリッパの音が遠ざかり、ドアが静かに閉まる。
ひとり残された病室で、俺はぴくりとも動けないまま。
それでも俺は、彼女が残していった言葉の温もりを、ただ抱きしめていた。
莉子。
君がここに通い続けてくれる限り、俺は絶対に諦めない。
君が語る未来の約束を、すべて叶えるために。
必ず、この暗闇から抜け出してみせる。
だから、もう少しだけ。
もう少しだけ、待っていてくれ。
-つづく-
からりとした声が、静まり返った病室に響いた。
椅子を引く音。
バッグを床に置く音。
いつもの定位置に腰を下ろした音。
ふーっと大きなため息をついたような様子も、耳から聞き取れた。
それからすぐに、莉子はいつもの笑顔を取り戻しただろう。
そんなところも、俺には想像できる。
「聞いて聞いて! 今日ね、もう信じられないくらい面白いことがあって。うちの五十嵐部長、いるでしょ? あの、いっつも七三分けをがっちがちに固めてる、生真面目な顔した部長。あの人がさ、今日、すっごい面白いカツラ被ってきたの! ……って言っても、まあ、あれはカツラじゃなくて地毛なんだけど。でも今日はね、一段と分け目の角度が鋭角っていうか、なんていうか……コンパスで描いたみたいにピシッてなってて。おまけに、雨で湿気てたせいかな、普段は後頭部にへばりついてるはずの貴重な数本が、ぴょんってアンテナみたいに立ってたんだよ!」
莉子はくすくすと、笑い声を漏らす。
おそらく、その光景を思い出すように宙を見つめているだろう。
彼女が何かを語る時はいつもそうだ。
まるで俺が隣で相槌を打っているかのように、生き生きと、楽しそうに、日常の些細な出来事を切り取ったように語る姿が目に浮かぶ。
「もうね、経理部の全員、笑いをこらえるのに必死で。キーボード打つふりして肩震わせてるの。特に隣の席の田中さん、あの人笑い上戸だから、もう限界だったみたいで。部長が『田中くん、この伝票の数字だが……』って話しかけた瞬間に、『ブフッ!』って。盛大に吹き出しちゃって。部長、眉間にしわ寄せて『……何か面白いことでも?』って低い声で言うもんだから、田中さん、顔真っ赤にしちゃって。『い、いえ! 部長のありがたいお言葉が身に染みて、感動のあまりつい……!』なんて、訳の分からない言い訳してた。バカだよねぇ。でも、なんか、平和だなって思っちゃった。あきとがいない会社は、やっぱりちょっと寂しいけど。でも、皆こうやって頑張ってるよ」
彼女はそこで、一度言葉を切る。
しばしの沈黙。彼女が、俺の顔をじっと見つめているような気がした。
その視線に、俺は「ここにいるぞ」と念を送る。
「あ、そうだ。ランチね、今日は新しくできたイタリアンに行ってみたんだ。ほら、あきとが好きだった会社の裏の洋食屋さん、あったでしょ? あそこが閉店しちゃって、その跡地にできたお店。期待してカルボナーラ頼んだんだけど……うーん、ちょっと残念だったかな。生クリームが多くて、こってりしすぎ。あきとが作ってくれる、卵とチーズだけのシンプルなカルボナーラの方が、百万倍美味しいや。……なんて、本人に言っても仕方ないか」
莉子の声が、少しだけ寂しそうなる。
ゴソゴソと、ビニールの擦れる音がした。
バックから何かを取り出そうとしているのかもしれない。
「はい、これ。コンビニで見つけたんだけど、新しい味のグミ。あきと、グミ好きだったでしょ? いつも仕事中にこっそり食べてたの、知ってるんだから。これも一応、枕元に置いとくね。食べたくなるかもしれないし」
食べたい。今すぐにでも食べたいよ。君が選んでくれたものなら、どんな味だって最高に決まってる。
そんな心の叫びは、もちろん音にはならない。
カサリ、と小さな音。莉子が、グミの袋をサイドテーブルに置いたらしい。
今度は、濡れたタオルで俺の手を優しく拭き始めた。
「指、冷たいね。でも、なんだか、前より少しだけ血色が良くなった気がするな。気のせいかな? ううん、きっと良くなってるんだよ。毎日少しずつ、少しずつだよね」
自分に言い聞かせるような、祈るような声だった。
彼女の指が、俺の指を一本一本丁寧に拭いていく。
その感触はないのに、彼女の温もりだけが、心の奥深くにじんわりと染み渡るようだった。
「そういえばね。駅前の再開発、だいぶ進んできたよ。前、ふたりでよく散歩した公園の隣、ずっと工事してたでしょ。あそこにね、新しい商業ビルが建つんだけど、そのテナントがこの前発表されたの。そしたらなんと! あきとがずっと『美味しい、美味しい』って言ってた、あの吉祥寺のチーズケーキ屋さんの支店が入るんだって! すごくない? 私、その看板見つけた時、思わず『あきとー!』って叫びそうになっちゃった。周りに人がいなくてよかったよ、ほんと」
彼女の声が、ぱっと弾む。
その声を聞くだけで、俺の暗闇に『ぱあっ』と光が灯る。
俺が好きだと言った店のことを、彼女は全部覚えてくれている。
「だからね、約束。あきとが目を覚ましたら、一番乗りで行こうね。私、ショーケースの端から端まで、全部注文しちゃうんだから。あきとが食べきれなかったら、私が全部食べてあげる。それで、ふたりして『もう食べられないー』って言いながら、またあの公園のベンチで休むの。いいでしょ、この計画。完璧じゃない?」
完璧だよ、莉子。最高の計画だ。
だから、頼む。俺の分まで太るなんて言うな。
俺は、俺の分のチーズケーキを、ちゃんと自分で食べるから。
君が美味しそうに頬張る顔を、隣で見ながら。
「……あ、あとね、これも報告。あきとが育ててたベランダのローズマリー、私がちゃんと水やりしてるからね。この前、ちょっと元気なくなっちゃって、慌ててネットで育て方調べたんだ。そしたら、水のやりすぎは根腐れの原因になるんだって。危なかったー。あきとが大事にしてた子を、枯らしちゃうところだった。でも、今はもう大丈夫。新しい葉っぱも出てきたんだよ。今度、写真撮ってくるね。あきとの会社のパソコン、パスワード分からなくて開けないから、スマホで撮って、ここに飾っておくから」
彼女は、俺が残した小さな世界を、一つひとつ大切に守ってくれていた。
俺の部屋の合鍵を渡した時のことを思い出す。「いつでも来ていいから」と言った俺に、彼女は顔を真っ赤にして「……お、お邪魔します」と小さな声で答えた。
あの鍵が、今、こんな形で役に立っているなんて。
嬉しいような、申し訳ないような、複雑な気持ちが胸に渦巻く。
「……ねえ、あきと」
ふと、彼女の声のトーンが少しだけ低くなった。
いつも俺を励ますための明るい声とは違う、彼女自身の心が滲み出たような声。
「私ね、たまに、怖くなるんだ。このまま、あきとがずっと目を覚まさなかったらどうしよう、って。そしたら、私、どうすればいいんだろう。あきとのいない世界で、どうやって笑えばいいんだろうって」
やめてくれ。
そんな悲しいことを言わないでくれ。
俺はここにいる。
必ず戻る。
そう伝えたいのに、俺の身体は沈黙を貫くだけだ。
「……ううん、だめだめ! 弱気になっちゃダメだよね。ごめん、今のなし! あきとは絶対に戻ってくるもん。私、知ってるんだから。あきとって、いっつもギリギリのところで、ちゃんと辻褄合わせてくるもんね。会社のプロジェクトだって、いつも最後の最後で大逆転するじゃない。だから、今回もきっと大丈夫。史上最大の寝坊、ってだけだよね」
彼女は、必死に自分を奮い立たせるように、早口でまくし立てた。
努めて明るく振る舞う声には、微かな震えが混じっている。
俺だけが、その震えに気づいていた。
君は、いつもそうだ。
俺の前では決して弱音を吐かない。
俺が落ち込んでいる時も、いつも隣で笑って、「大丈夫だよ」と言ってくれた。
今も、動かない俺を不安にさせまいと、ひとりで必死に戦ってくれている。
「よし! じゃあ、今日はこの辺で。また明日来るからね。明日は、もっと面白い話、持ってくるから。覚悟しといてよ?」
莉子はそう言って、わざと大きな音を立てて椅子から立ち上がった。
「おやすみ、あきと。また、明日ね」
最後に、もう一度。優しい声が俺の耳に届く。
パタパタというスリッパの音が遠ざかり、ドアが静かに閉まる。
ひとり残された病室で、俺はぴくりとも動けないまま。
それでも俺は、彼女が残していった言葉の温もりを、ただ抱きしめていた。
莉子。
君がここに通い続けてくれる限り、俺は絶対に諦めない。
君が語る未来の約束を、すべて叶えるために。
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もう少しだけ、待っていてくれ。
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