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国境ラインエクスプレス
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「あのまま、あなたと一緒になっていたらきっと幸せになれたのに」
携帯電話に受信されたメールを開いては閉じるのを繰り返した。
もう一か月ほど前に届いたメールを消しきれないのは何故だろう
意を決してこの列車に乗り込んだというのに・・・
液晶に浮かぶたった2行の
その文字の向こうに過去の僕たちが再生された。
僕たちは当時、築30年以上の古びたアパートに暮らしていた。
バイトから帰る道のりで、くたびれたタバコ屋の角を曲がると僕たちの住むアパートが見えた
ふたりの部屋に明かりが灯っていると、僕はいつも駆け足になった。
部屋に入ると夕飯のにおいがして、
キッチンから彼女の「おかえり」の声がした
お互いの誕生日にはケーキを買って、ささやかな贅沢をした。
彼女の誕生日にはバイトで貯めたペアリングを買った。
あの時の僕たちは、若くてお金もなくて苦労もしたけど幸せだった。
いま思えば、僕たちは寂しい者同士が寄り添うように暮らしていた
彼女の存在は大切であることに違いはなかったけども
いつしか家族のような、仲間のような感情にかわっていったのかもしれない。
ある時、帰宅すると灯りはなく
食卓のテーブルの上には指輪と置手紙が残されていた。
ただ一言「夢がなくなった」とだけ書かれていた。
僕の心の中の灯りは、いまも消されたままなのだ。
ーーーーーーーーーー
それから5年越しに届いたこのメール。
携帯電話を握りしめ、目を閉じる。
あの時の部屋の灯り、夕飯のにおい、テレビを見ながら一緒に笑ったこと
誕生日に食べたケーキ、指輪の感触
あの空間や、彼女を取り巻くものはすぐに思い出せるのに
肝心の彼女の顔を思い出そうとすると、ぼんやりしてしまう
目が二重だった、まつげも長かった気がする、それはすべて印象で
映像として思い出せない
ああ、僕は彼女の顔すら思い出せなくなってしまったんだ。
僕は過去の空間の中で泳いでいた。
すると、
「ここは空いていますか」
電車の揺れがゆりかごのようでウトウトしかけたとき
初老の男性に話しかけられた。
国境へと向かうこの電車は
空席ばかりで空いているにも関わらず
なぜこの初老の男性はわざわざ自分の向いに相席をするのだろうか
「どうぞ」
と一言だけ返事をした
その初老の男性は静かに座り、窓の外を見た。
僕も続けて窓の外を見た。
窓の外の風景は、生まれ親しんだ街並み
住宅街の無数の灯りが夜景として瞬いている。
その小さな明かりの数だけ慎ましくも温かい生活の営みと団らんがあるのだ。
通り過ぎてゆく過去と風景。
僕はこれまでの暮らしてきた生活や思い出と別れ
あらたな人生へと歩きだすと決めてこの列車に乗り込んだのだ
「さようなら」
僕は心の中で別れを告げた。
「旅行ですか?」
初老の男性は僕に話しかけた。
いいえ、とだけ答えた。
「これは片道切符なんです。もうここには戻らないつもりです。」
「そうですか、それは大きな決心をしましたね」
初老の男性は言った。
男性の手元を見た。
左手の薬指に指輪があるのを見て、僕の胸はチクりと痛みを感じた。
僕が捨てきれない指輪とこの男の指輪は意味が違うものだと思うからだ。
「過去を捨てて、すべてをゼロに近い状態にして、
そこから人生をやりなおしたくなったんです。」
男は小さくうなづきながら、そして優しく僕に問いかけた
「つらいことがあったんですね?」
「・・・つらいというか、とっくに終わったことです。
なのに、どういう風にとらえていいのかわからないんです。
つらいと言えば、僕なりに大切にしていたものすら、思い出せなくなってしまったことかもしれません」
なぜ、初対面の男にこんなことを話してしまうのだろうか
けど、この男にはかなり前から知っているかのような不思議な安心感があった。
ひとつひとつ、ゆっくりと丁寧な話し方が僕の心を落ち着かせた。
「国境を越えたら向こうはいいところです。気候も温暖で、景色もとても美しい。
異国の新しい世界がきっと貴方を癒してくれるでしょう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ありがとうございます」
「むこうに着いたら、何か仕事をするのですか」
「まだ、なにも決めていません。着いたら考えます」
「時間はたくさんありますから、ゆっくり決めたらいいですよ」
「そちらは・・・仕事は何をされているんですか」
「私ですか? 私は農園をやっています。ぶどうなんですけどね、もう30年にもなります。」
「ぶどう・・・」
「どこまでも緑が続いてて大自然ですよ。昼間は真上に太陽がくるから暑いんですが、眼下には湖があってとても美しいですよ。
その中で育つぶどうは美味しいです。実が詰まってずっしりと重くてね。
そして日没になると湖は金色に光ってね、ぶどうも真っ赤に染まります。ああ、今日も一日が終わったなと。太陽と一緒に生きている気持ちになります」
この初老の男の話を聞いて、自分の中に
広大な農園、太陽を浴びる果実、金色に輝く眼下の湖、
そして真っ赤な夕焼けを背に家路へ向かうこの男の風景を想像できた。
社内アナウンスが流れる
「国境を越えました、まもなく終点になります」
初老の男は
「外を見てください、国境を越えました。もう朝ですよ。」
「・・・あれは?」
車窓から見えた風景は、一面に広がる満開の花畑だった。
どこまで続いてるのか、絨毯のように敷き詰められた白い花が風に乗って、一斉に揺れている。
「カモミール畑です。毎年初夏になると咲くんです。アルプスの大自然で育ったカモミールです。
窓を開けてみてください。リンゴのようないい香りがしますよ」
言われるまま窓を少し10センチほど上へ開けると
その隙間から心地よい風と、カモミールの香りがやってきた。
甘くて清涼な香りだった。
まるで絵はがきのような、童話のような風景に心を奪われていると
「では、わたしはこの辺で・・・あなたの幸運を願っていますよ」
と男が席を立った。
「あ、すみません、どこの農園ですか また会えますか」
すると男は穏やかに笑い
「ええ、会えますよ。30年後に」
「30年後? それは、どういう・・・」
「どうか、過去を忘れてしまうことを悲しまないでください。
新しい世界を受け入れる準備ができているのです。
あなたの幸せを願っています。」
そういって、男は出口のほうへ去っていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕は再び一人になった。
窓の外から見える景色は、まだ一面のカモミール畑だった
もう僕が暮らした町は見えない向こう側の世界になった。
目的地には一体何が見えるのだろうか
窓をさらに半分ぐらいまで開けた。
強い風が一気に入り込み、その勢いに一瞬ひるんだ。
窓の外へ手を伸ばし、指輪を放った。
そして最後の最後まで残したメールを削除した。
僕は自分の意志で国境を越えたんだ。
携帯電話も窓の外に同じように放った。
終点に着くと無人の終着駅を降りたのは僕ひとりだけだった。
初夏の太陽が真上から僕を見下ろしている。
屋根のないホーム、1面1線だけの線路には草がたくさん茂っていた
ホームを降りると待合席を兼ねた黄色い廃バスと塗装の落ちた古いポストが最果ての場所を思わせた。
無人駅をあとにして、見渡す限りの田園と遥か向こうまで一直線に伸びている、
舗装されていないでこぼこ道を歩き始めた。
地図も持たずにやってきた僕はあてもなく
自分の感じたままの方向へ歩いていた。
もう何時間歩いただろうか、空は徐々に赤く染まり始めた。
田園は徐々に荒道へと変わり、おそらく山の方へ向かっているのだろう。
暑さと疲労でふと足を止める。見上げると
赤い果実を絞り落したような真っ赤な夕焼けと、空を渡る鳥は漆黒の影絵のようだった。
遠くにある山の稜線に沈んでゆく太陽を見ながら、再び歩いた。
明日は明日の夕焼けがあるんだろう。そしてまた陽が昇っていく。
あの男が言っていたように、太陽を毎日見ながら暮らすのも悪くないなと思った。
どこに向かってるかは分からない、でも僕は前へ前へ歩いている
疲れ果てて、足が棒になるまで、立ち上がれなくなるまで歩こう
そうしてたどり着いた場所が、僕の新しい場所だ。
携帯電話に受信されたメールを開いては閉じるのを繰り返した。
もう一か月ほど前に届いたメールを消しきれないのは何故だろう
意を決してこの列車に乗り込んだというのに・・・
液晶に浮かぶたった2行の
その文字の向こうに過去の僕たちが再生された。
僕たちは当時、築30年以上の古びたアパートに暮らしていた。
バイトから帰る道のりで、くたびれたタバコ屋の角を曲がると僕たちの住むアパートが見えた
ふたりの部屋に明かりが灯っていると、僕はいつも駆け足になった。
部屋に入ると夕飯のにおいがして、
キッチンから彼女の「おかえり」の声がした
お互いの誕生日にはケーキを買って、ささやかな贅沢をした。
彼女の誕生日にはバイトで貯めたペアリングを買った。
あの時の僕たちは、若くてお金もなくて苦労もしたけど幸せだった。
いま思えば、僕たちは寂しい者同士が寄り添うように暮らしていた
彼女の存在は大切であることに違いはなかったけども
いつしか家族のような、仲間のような感情にかわっていったのかもしれない。
ある時、帰宅すると灯りはなく
食卓のテーブルの上には指輪と置手紙が残されていた。
ただ一言「夢がなくなった」とだけ書かれていた。
僕の心の中の灯りは、いまも消されたままなのだ。
ーーーーーーーーーー
それから5年越しに届いたこのメール。
携帯電話を握りしめ、目を閉じる。
あの時の部屋の灯り、夕飯のにおい、テレビを見ながら一緒に笑ったこと
誕生日に食べたケーキ、指輪の感触
あの空間や、彼女を取り巻くものはすぐに思い出せるのに
肝心の彼女の顔を思い出そうとすると、ぼんやりしてしまう
目が二重だった、まつげも長かった気がする、それはすべて印象で
映像として思い出せない
ああ、僕は彼女の顔すら思い出せなくなってしまったんだ。
僕は過去の空間の中で泳いでいた。
すると、
「ここは空いていますか」
電車の揺れがゆりかごのようでウトウトしかけたとき
初老の男性に話しかけられた。
国境へと向かうこの電車は
空席ばかりで空いているにも関わらず
なぜこの初老の男性はわざわざ自分の向いに相席をするのだろうか
「どうぞ」
と一言だけ返事をした
その初老の男性は静かに座り、窓の外を見た。
僕も続けて窓の外を見た。
窓の外の風景は、生まれ親しんだ街並み
住宅街の無数の灯りが夜景として瞬いている。
その小さな明かりの数だけ慎ましくも温かい生活の営みと団らんがあるのだ。
通り過ぎてゆく過去と風景。
僕はこれまでの暮らしてきた生活や思い出と別れ
あらたな人生へと歩きだすと決めてこの列車に乗り込んだのだ
「さようなら」
僕は心の中で別れを告げた。
「旅行ですか?」
初老の男性は僕に話しかけた。
いいえ、とだけ答えた。
「これは片道切符なんです。もうここには戻らないつもりです。」
「そうですか、それは大きな決心をしましたね」
初老の男性は言った。
男性の手元を見た。
左手の薬指に指輪があるのを見て、僕の胸はチクりと痛みを感じた。
僕が捨てきれない指輪とこの男の指輪は意味が違うものだと思うからだ。
「過去を捨てて、すべてをゼロに近い状態にして、
そこから人生をやりなおしたくなったんです。」
男は小さくうなづきながら、そして優しく僕に問いかけた
「つらいことがあったんですね?」
「・・・つらいというか、とっくに終わったことです。
なのに、どういう風にとらえていいのかわからないんです。
つらいと言えば、僕なりに大切にしていたものすら、思い出せなくなってしまったことかもしれません」
なぜ、初対面の男にこんなことを話してしまうのだろうか
けど、この男にはかなり前から知っているかのような不思議な安心感があった。
ひとつひとつ、ゆっくりと丁寧な話し方が僕の心を落ち着かせた。
「国境を越えたら向こうはいいところです。気候も温暖で、景色もとても美しい。
異国の新しい世界がきっと貴方を癒してくれるでしょう」
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「ありがとうございます」
「むこうに着いたら、何か仕事をするのですか」
「まだ、なにも決めていません。着いたら考えます」
「時間はたくさんありますから、ゆっくり決めたらいいですよ」
「そちらは・・・仕事は何をされているんですか」
「私ですか? 私は農園をやっています。ぶどうなんですけどね、もう30年にもなります。」
「ぶどう・・・」
「どこまでも緑が続いてて大自然ですよ。昼間は真上に太陽がくるから暑いんですが、眼下には湖があってとても美しいですよ。
その中で育つぶどうは美味しいです。実が詰まってずっしりと重くてね。
そして日没になると湖は金色に光ってね、ぶどうも真っ赤に染まります。ああ、今日も一日が終わったなと。太陽と一緒に生きている気持ちになります」
この初老の男の話を聞いて、自分の中に
広大な農園、太陽を浴びる果実、金色に輝く眼下の湖、
そして真っ赤な夕焼けを背に家路へ向かうこの男の風景を想像できた。
社内アナウンスが流れる
「国境を越えました、まもなく終点になります」
初老の男は
「外を見てください、国境を越えました。もう朝ですよ。」
「・・・あれは?」
車窓から見えた風景は、一面に広がる満開の花畑だった。
どこまで続いてるのか、絨毯のように敷き詰められた白い花が風に乗って、一斉に揺れている。
「カモミール畑です。毎年初夏になると咲くんです。アルプスの大自然で育ったカモミールです。
窓を開けてみてください。リンゴのようないい香りがしますよ」
言われるまま窓を少し10センチほど上へ開けると
その隙間から心地よい風と、カモミールの香りがやってきた。
甘くて清涼な香りだった。
まるで絵はがきのような、童話のような風景に心を奪われていると
「では、わたしはこの辺で・・・あなたの幸運を願っていますよ」
と男が席を立った。
「あ、すみません、どこの農園ですか また会えますか」
すると男は穏やかに笑い
「ええ、会えますよ。30年後に」
「30年後? それは、どういう・・・」
「どうか、過去を忘れてしまうことを悲しまないでください。
新しい世界を受け入れる準備ができているのです。
あなたの幸せを願っています。」
そういって、男は出口のほうへ去っていった。
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僕は再び一人になった。
窓の外から見える景色は、まだ一面のカモミール畑だった
もう僕が暮らした町は見えない向こう側の世界になった。
目的地には一体何が見えるのだろうか
窓をさらに半分ぐらいまで開けた。
強い風が一気に入り込み、その勢いに一瞬ひるんだ。
窓の外へ手を伸ばし、指輪を放った。
そして最後の最後まで残したメールを削除した。
僕は自分の意志で国境を越えたんだ。
携帯電話も窓の外に同じように放った。
終点に着くと無人の終着駅を降りたのは僕ひとりだけだった。
初夏の太陽が真上から僕を見下ろしている。
屋根のないホーム、1面1線だけの線路には草がたくさん茂っていた
ホームを降りると待合席を兼ねた黄色い廃バスと塗装の落ちた古いポストが最果ての場所を思わせた。
無人駅をあとにして、見渡す限りの田園と遥か向こうまで一直線に伸びている、
舗装されていないでこぼこ道を歩き始めた。
地図も持たずにやってきた僕はあてもなく
自分の感じたままの方向へ歩いていた。
もう何時間歩いただろうか、空は徐々に赤く染まり始めた。
田園は徐々に荒道へと変わり、おそらく山の方へ向かっているのだろう。
暑さと疲労でふと足を止める。見上げると
赤い果実を絞り落したような真っ赤な夕焼けと、空を渡る鳥は漆黒の影絵のようだった。
遠くにある山の稜線に沈んでゆく太陽を見ながら、再び歩いた。
明日は明日の夕焼けがあるんだろう。そしてまた陽が昇っていく。
あの男が言っていたように、太陽を毎日見ながら暮らすのも悪くないなと思った。
どこに向かってるかは分からない、でも僕は前へ前へ歩いている
疲れ果てて、足が棒になるまで、立ち上がれなくなるまで歩こう
そうしてたどり着いた場所が、僕の新しい場所だ。
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