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本編
それは呪いのような恋3※
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「はぁ、大きな胸。この胸にずっと埋もれたかった」
赤ちゃんみたいに私の胸に吸いつきながら、誠也は満足そうな吐息を漏らした。息や唇の感触がくすぐったい。そして、恥ずかしい。
自信のない体を美男子の前に晒している状況につい逃げたくなるけれど、誠也が逃してくれるわけがないという確信があったので、もうどうにでもしてという心境になる。
「誠也くん、胸が好きだね」
「男で、この胸が嫌いなヤツなんていない。他のヤツには触らせないけど。触ったら殺す。そして呼び方は誠ちゃんの方がいい」
「誠ちゃん以外触りたい物好きはいな……んっ!」
胸を揉みしだかれながら何度も吸い上げられ、体が震える。先ほどと違う優しい触れ方。それは居心地の悪いような気持ちと熱を体に生む。
「下も脱がせてもいい?」
「うん」
優しく訊ねられてうなずくと、野暮ったいロングスカートはするりと脱がされた。
「誠ちゃん、灯り。消して欲しい」
下着一枚になってしまったことで、今さらながら煌々と部屋を照らす灯りが気になってしまう。涙目で懇願する私に、誠也はにこりと可愛い笑顔を浮かべてみせた。
「ダメ。ぜんぶ見たいから」
「やだぁ」
「ごめんね」
誠也の『ごめんね』の後ろには大体『でも言うことはきいてあげない』が付いている。腹立たしくて睨むと、ごまかすようにキスをされた。
「恥ずかしいから……」
「恥ずかしがる美咲ちゃん、可愛い。やばいな、挿れてもないのに暴発しそう」
誠也はそう言いながら私の下着に手を入れる。
そして恥毛を指先で弄んだ後に、恥丘にたっぷりついたお肉や陰唇をふにふにと指で挟んで揉んだ。恥ずかしくて身を捩ると唇を塞がれ、厚めの舌を口内にねじ込まれる。
「ふっ……んっ」
「美咲ちゃん、美咲ちゃん」
甘い声で時折私の名前を呼びながら、誠也は深い口づけを繰り返す。唇を食まれ、舌を吸われ、絡められて。息を切らせながらそれに応えている間に、割れ目に長い指がするりと伸びた。その指は花弁をゆるゆると撫でる。秘所を探っていない方の手は胸に触れて、優しく揉んだり引っ張ったりを繰り返した。そのそれぞれの動きに未知の感覚が刺激される。
怖い、体が内側から変わっていくみたい。腰骨から背骨をぞわぞわした感覚が這い上がり、それが体中に広がっていく。
指はしばらく花弁を撫でた後に、クリトリスに触れ、何度か擦り上げた。
「んっ! んっ!」
唇を塞がれているので喘ぎ声はくぐもったものになる。指は花芽を摘んだり、弾いたりと、様々な動きで刺激した。
「気持ちいい?」
唇を離した誠也が、私の顔を一心不乱に見つめながら訊ねてくる。恥ずかしい。感じている不細工な顔なんて見ないで欲しい。だけど羞恥心は、指に溶かされ快楽に紛れていく。
「きもちい、せいちゃ。あっあっ」
「可愛い、美咲ちゃん……。オナニーはふだんしないの?」
「少し、だけ」
「そっか。美咲ちゃんも一人でするんだ。見てみたいなぁ」
誠也は嬉しそうにとんでもないことを言う。
「僕はね、美咲ちゃんを想っていつも一人でしてた。美咲ちゃんのここを……」
「あんっ!」
クリトリスが強めに潰され、私は声を上げながら誠也にすがりついた。
「いっぱい虐めたら、どんな声で啼くのかなとか。ここにアレを挿れたら……どんな可愛い顔をするのかなって」
くぷり、と指が蜜穴に埋まった。指は浅いところを優しい動きで出入りする。その淡い刺激に身を震わせながら顔を上げると、誠也の熱の篭もった視線が向けられていた。どくりと心臓が鳴って、蜜穴はきゅっと指を締めつける。
「わ、すごい。きゅって締めつけた。ここに僕のが入るんだね。このちっちゃくて、狭い穴に。早くずぽずぽしたいけど、傷つけないようにじっくりほぐさないと」
「せいちゃ」
「美咲ちゃん、痛くないようにしたいから。恥ずかしいかもしれないけれど……」
ころりとベッドに体を転がされ、パンツをするりと脱がされた。続けて腿を持つようにして、足を胸の方へと持ち上げられる。腿と胸がくっついて、脂肪の塊がむにゅりと歪んだ。
「いやっ」
「ああ、可愛い。これが美咲ちゃんの……」
興奮したように息を荒げる誠也が、食入るように秘所を凝視する。怖いし、恥ずかしくて逃げたい。だけどどれだけ抵抗してもびくともしなくて、足はがっちりと固定されてしまう。
「せいちゃん。本当にいや、はずかしいっ」
「綺麗なピンク色だ。可愛い、食べていい? お口をくっつけて、いっぱいキスして、可愛い処女穴に舌をねじ込みたい。中のお肉を舌でかき回したら、とても熱いんだろうね。美咲ちゃんのここは、どんな味がするのかな」
どうしよう。王子様が変態なことばかりを言う。涙目で睨むとうっとりするような笑みを向けられるけれど、ちっとも嬉しくなんてない。
「やだよ……変態っ。ひ、ひゃああ!?」
べろりと花弁全体を舌で舐め上げられて、私は思わず悲鳴を上げた。誠也は私の反応を見て満足そうな顔をした後に、何度もそこに口づけた。
「やっ、ああっ」
恥肉をやわやわと食んだり舐めたりされた後に、ひだをたっぷりと舐められる。
「ひっ、や。あっ……ああんっ」
「可愛い声。もっと声を上げて? 防音がしっかりしたマンションだからね。いっぱいいっぱい声を上げていいよ」
「ああああんっ!」
ちゅぱちゅぱと吸い出すように陰核を吸われて私は嬌声を上げた。ごぽりと蜜が蜜壺から零れた感覚がする。それはきっと、綺麗な誠也の顔を汚してしまっているだろう。
「はぁ、びしょびしょ。これが美咲ちゃんの雌の匂い……」
「いやぁ……せいちゃん、へんたい。恥ずかしいことばっかり」
「ふふ、美咲ちゃんに変態って言われるとすごく興奮する」
「興奮、しないでぇ」
「僕は王子様じゃなくて、美咲ちゃんのことが大好きで、美咲ちゃんのことが抱きたくて抱きたくてたまらないただの男だからね。変態でいいの」
誠也はそう言うと、また蜜壺に吸いついた。舌が蜜穴に埋まり、じゅぷじゅぷと抜き差しをされる。
「やっ、あん、あっ。やぁ、せいちゃ、舌がっ」
「美咲ちゃん、もっと。もっと食べさせて」
ぴちゃぴちゃと音を鳴らしながら誠也は唇や舌での愛撫を続ける。花弁を、蜜口を。誠也はそれらを丁寧に味わうように舐め、蜜が溢れればそれを吸い上げて嬉しそうに笑う。その様子はまるで飢えた犬のようだ。
「せいちゃ、せいちゃ」
私は誠也の名前を呼びながら、湧き上がる快楽に体を震わせることしかできない。最初は恥ずかしくて仕方なかったのに。今はねだるように自分で足を開いて、腰まで揺らしている。
「美咲ちゃん、気持ちよさそう。ずっと舐めてあげたいけど、僕も限界が近いからなぁ」
長い口淫の後に、誠也はようやくそこから口を離した。お尻の方まで蜜が零れて、長い間舌で蹂躙されていた蜜口はひくひくと物欲しげに震えている。腰骨やお臍の下あたりは甘い疼きを孕んでいて、唇からは『はふ』と甘くて深い吐息が漏れた。
今度は指を入れられたけれどさんざん潤されたそこは、痛みは感じない。誠也は『限界』が近いと言いながらも、狭いそこを指で丁寧に開いていった。
「美咲ちゃん、ごめんね」
謝罪と共に、誠也の体が離れていく気配がする。そして蜜口に、ぬるりとなにかが当たる感触がした。そちらに目を向けると……花弁にサイズがあきらかに合わない男性器を押し当てている誠也がいた。その光景に、私は思わず目を瞠る。
「せいちゃん、こわい」
「うん、ごめん。でもしたい……」
「こわい」
「ごめんね」
また、私の言うことなんて聞く気がない時の『ごめんね』だ。慣れたそれを聞いて仕方ないなと言う気持ちが篭もった笑みを漏らすと、誠也も安心したように笑みを零す。そして腰をじわりと進められた。
「んっ」
「美咲ちゃん、きつい。力、抜いて」
「ごめん、せいちゃん」
「ああ、くそ。謝らせたいわけじゃなくて。僕もはじめてだから、上手くできなくて。こっちこそごめん」
そっか、誠也もはじめてなんだ。考えてみれば、それは当たり前なのだけれど。誠也は子供の頃からずっと、私の後ばかり追いかけていたんだから。
「ずっと、したいの我慢してた?」
「うん」
大きな先端が、狭い入り口を抜ける。その圧迫感を私は細かい息を吐きながら逃がそうとした。
「ごめんね、せいちゃん。我慢させて」
「ううん。僕こそ、ごめん。美咲ちゃんに選択肢をあげられなくて」
ゆっくりと、内側を刮ぐようにして熱杭が進む。こんなものが奥まで入るのか不安になったけれど、膣壁をかき分けるようにしながら、それは確実に中を支配していく。
「せいちゃん、あのね」
「うん」
「……好き。あぅんっ!」
もう何年ぶりになるかもわからない。その言葉を私は口にしていた。それと同時に熱は最奥まで進んで、ごつりと奥に当たった。
「やば、出そうだった。美咲ちゃんがそんなこと言うから。でも嬉しい、本当に僕のこと、好き?」
囁いて誠也は私の体を抱きしめる。中に肉杭が入ったままだから、自然と下から内臓を押し上げられるみたいになる。それが苦しくて『んぅ』と可愛くない唸り声を上げると、慌てた誠也に何度も頭を撫でられた。
「誠ちゃん、好き」
「あーだめ、出る。後でまた言って。情けないことになりたくない」
誠也は余裕のない声で言うと、ゆっくりと腰を動かしはじめた。お腹の奥を抉られながら口づけをされ、すがるように背中に手を回す。
部屋に響くのはぱちゅぱちゅという粘度の高い水音、口づけの合間に漏れ出る互いの荒い呼吸音。ただ、それだけ。睦言なんて言う余裕もなく、ただひたすら貪り合っている私たちはまるで獣のようだと思った。
誠也の腰の動きが少しずつ早くなる。隙間なく内側を埋められた状態で激しく貪られるのは少し痛くて、苦しい。だけど誠也が気持ちよさそうだから。私は嬉しくて泣きそうになった。
「美咲ちゃん、美咲ちゃん」
「あっあっ。せいちゃ、せいちゃ」
ぎゅっと私を抱きしめて、誠也が必死に腰を振る。その動きに翻弄されながら私も誠也の名前を呼んだ。
「好き、せいちゃ」
自分でも信じられないような甘ったるい声で誠也を呼ぶと、誠也は低く呻いて私を抱きしめたまま小さく震えた。ああ、中に出されてるんだ。最後の一滴まで中に注ごうとするかのように、誠也は奥へ奥へと熱を押しつけてくる。それはやがて、私の体からぬぽりと抜け落ちた。
「かっこ悪い……美咲ちゃんを満足させてないのに」
誠也は私を抱きしめたまま、拗ねたような声を出す。
「気持ちよかったよ?」
「慰めなくていい。次はもっと頑張る。というか今からでも頑張る。でも、美咲ちゃんがつらいかな……」
今の誠也は『王子様』じゃなくてなんだか『ふつうの男の子』だ。そんな彼が可愛く見えて、私はくすくすと笑った。
「今日はもうダメ。股が痛いし。その、妊娠とか、怖いし」
「むしろ僕は、妊娠して欲しい」
……重い。私はまだそこまでの覚悟はしていないのに。
「金銭的な負担は心配ないよ? このマンション、僕のだし」
「このお部屋が?」
「ううん、一棟。だいぶ前に、祖父ちゃんにもらった」
そういえば、誠也のお祖父さんはどこかの社長だった気がする。それもあって周囲の女子たちはギラギラとしてたんだなぁ。大学生でマンション一棟を持ってるなんて、どんなセレブなんだ。
うん、やっぱり誠也は王子様だな。
「誠ちゃんと一緒に、卒業したい」
あれだけ逃げたいと思っていたのに。一度捕まる覚悟を決めると、肝が据わるものだ。未来のことまで口にできる。じっと見つめてそう言うと、誠也の顔は真っ赤になった。
「じゃあ、我慢する」
抱きしめられ、胸に頬を擦り寄せる。そうしているうちに、意識は少しずつ微睡みに溶けていく。
「……美咲ちゃん、ごめんね。逃してあげられなくて」
眠りに落ちる一瞬前に、誠也のそんな声が聞こえた気がした。
大丈夫、もう逃げないよ。
自分が嫌いな私は、また落ち込んだり、たくさん泣いたりするだろうけど。
みっともなく震える足で貴方の隣に立とうと思う。
……貴方の呪いを解くお姫様が現れないようにと、心の奥で浅ましく願いながら。
赤ちゃんみたいに私の胸に吸いつきながら、誠也は満足そうな吐息を漏らした。息や唇の感触がくすぐったい。そして、恥ずかしい。
自信のない体を美男子の前に晒している状況につい逃げたくなるけれど、誠也が逃してくれるわけがないという確信があったので、もうどうにでもしてという心境になる。
「誠也くん、胸が好きだね」
「男で、この胸が嫌いなヤツなんていない。他のヤツには触らせないけど。触ったら殺す。そして呼び方は誠ちゃんの方がいい」
「誠ちゃん以外触りたい物好きはいな……んっ!」
胸を揉みしだかれながら何度も吸い上げられ、体が震える。先ほどと違う優しい触れ方。それは居心地の悪いような気持ちと熱を体に生む。
「下も脱がせてもいい?」
「うん」
優しく訊ねられてうなずくと、野暮ったいロングスカートはするりと脱がされた。
「誠ちゃん、灯り。消して欲しい」
下着一枚になってしまったことで、今さらながら煌々と部屋を照らす灯りが気になってしまう。涙目で懇願する私に、誠也はにこりと可愛い笑顔を浮かべてみせた。
「ダメ。ぜんぶ見たいから」
「やだぁ」
「ごめんね」
誠也の『ごめんね』の後ろには大体『でも言うことはきいてあげない』が付いている。腹立たしくて睨むと、ごまかすようにキスをされた。
「恥ずかしいから……」
「恥ずかしがる美咲ちゃん、可愛い。やばいな、挿れてもないのに暴発しそう」
誠也はそう言いながら私の下着に手を入れる。
そして恥毛を指先で弄んだ後に、恥丘にたっぷりついたお肉や陰唇をふにふにと指で挟んで揉んだ。恥ずかしくて身を捩ると唇を塞がれ、厚めの舌を口内にねじ込まれる。
「ふっ……んっ」
「美咲ちゃん、美咲ちゃん」
甘い声で時折私の名前を呼びながら、誠也は深い口づけを繰り返す。唇を食まれ、舌を吸われ、絡められて。息を切らせながらそれに応えている間に、割れ目に長い指がするりと伸びた。その指は花弁をゆるゆると撫でる。秘所を探っていない方の手は胸に触れて、優しく揉んだり引っ張ったりを繰り返した。そのそれぞれの動きに未知の感覚が刺激される。
怖い、体が内側から変わっていくみたい。腰骨から背骨をぞわぞわした感覚が這い上がり、それが体中に広がっていく。
指はしばらく花弁を撫でた後に、クリトリスに触れ、何度か擦り上げた。
「んっ! んっ!」
唇を塞がれているので喘ぎ声はくぐもったものになる。指は花芽を摘んだり、弾いたりと、様々な動きで刺激した。
「気持ちいい?」
唇を離した誠也が、私の顔を一心不乱に見つめながら訊ねてくる。恥ずかしい。感じている不細工な顔なんて見ないで欲しい。だけど羞恥心は、指に溶かされ快楽に紛れていく。
「きもちい、せいちゃ。あっあっ」
「可愛い、美咲ちゃん……。オナニーはふだんしないの?」
「少し、だけ」
「そっか。美咲ちゃんも一人でするんだ。見てみたいなぁ」
誠也は嬉しそうにとんでもないことを言う。
「僕はね、美咲ちゃんを想っていつも一人でしてた。美咲ちゃんのここを……」
「あんっ!」
クリトリスが強めに潰され、私は声を上げながら誠也にすがりついた。
「いっぱい虐めたら、どんな声で啼くのかなとか。ここにアレを挿れたら……どんな可愛い顔をするのかなって」
くぷり、と指が蜜穴に埋まった。指は浅いところを優しい動きで出入りする。その淡い刺激に身を震わせながら顔を上げると、誠也の熱の篭もった視線が向けられていた。どくりと心臓が鳴って、蜜穴はきゅっと指を締めつける。
「わ、すごい。きゅって締めつけた。ここに僕のが入るんだね。このちっちゃくて、狭い穴に。早くずぽずぽしたいけど、傷つけないようにじっくりほぐさないと」
「せいちゃ」
「美咲ちゃん、痛くないようにしたいから。恥ずかしいかもしれないけれど……」
ころりとベッドに体を転がされ、パンツをするりと脱がされた。続けて腿を持つようにして、足を胸の方へと持ち上げられる。腿と胸がくっついて、脂肪の塊がむにゅりと歪んだ。
「いやっ」
「ああ、可愛い。これが美咲ちゃんの……」
興奮したように息を荒げる誠也が、食入るように秘所を凝視する。怖いし、恥ずかしくて逃げたい。だけどどれだけ抵抗してもびくともしなくて、足はがっちりと固定されてしまう。
「せいちゃん。本当にいや、はずかしいっ」
「綺麗なピンク色だ。可愛い、食べていい? お口をくっつけて、いっぱいキスして、可愛い処女穴に舌をねじ込みたい。中のお肉を舌でかき回したら、とても熱いんだろうね。美咲ちゃんのここは、どんな味がするのかな」
どうしよう。王子様が変態なことばかりを言う。涙目で睨むとうっとりするような笑みを向けられるけれど、ちっとも嬉しくなんてない。
「やだよ……変態っ。ひ、ひゃああ!?」
べろりと花弁全体を舌で舐め上げられて、私は思わず悲鳴を上げた。誠也は私の反応を見て満足そうな顔をした後に、何度もそこに口づけた。
「やっ、ああっ」
恥肉をやわやわと食んだり舐めたりされた後に、ひだをたっぷりと舐められる。
「ひっ、や。あっ……ああんっ」
「可愛い声。もっと声を上げて? 防音がしっかりしたマンションだからね。いっぱいいっぱい声を上げていいよ」
「ああああんっ!」
ちゅぱちゅぱと吸い出すように陰核を吸われて私は嬌声を上げた。ごぽりと蜜が蜜壺から零れた感覚がする。それはきっと、綺麗な誠也の顔を汚してしまっているだろう。
「はぁ、びしょびしょ。これが美咲ちゃんの雌の匂い……」
「いやぁ……せいちゃん、へんたい。恥ずかしいことばっかり」
「ふふ、美咲ちゃんに変態って言われるとすごく興奮する」
「興奮、しないでぇ」
「僕は王子様じゃなくて、美咲ちゃんのことが大好きで、美咲ちゃんのことが抱きたくて抱きたくてたまらないただの男だからね。変態でいいの」
誠也はそう言うと、また蜜壺に吸いついた。舌が蜜穴に埋まり、じゅぷじゅぷと抜き差しをされる。
「やっ、あん、あっ。やぁ、せいちゃ、舌がっ」
「美咲ちゃん、もっと。もっと食べさせて」
ぴちゃぴちゃと音を鳴らしながら誠也は唇や舌での愛撫を続ける。花弁を、蜜口を。誠也はそれらを丁寧に味わうように舐め、蜜が溢れればそれを吸い上げて嬉しそうに笑う。その様子はまるで飢えた犬のようだ。
「せいちゃ、せいちゃ」
私は誠也の名前を呼びながら、湧き上がる快楽に体を震わせることしかできない。最初は恥ずかしくて仕方なかったのに。今はねだるように自分で足を開いて、腰まで揺らしている。
「美咲ちゃん、気持ちよさそう。ずっと舐めてあげたいけど、僕も限界が近いからなぁ」
長い口淫の後に、誠也はようやくそこから口を離した。お尻の方まで蜜が零れて、長い間舌で蹂躙されていた蜜口はひくひくと物欲しげに震えている。腰骨やお臍の下あたりは甘い疼きを孕んでいて、唇からは『はふ』と甘くて深い吐息が漏れた。
今度は指を入れられたけれどさんざん潤されたそこは、痛みは感じない。誠也は『限界』が近いと言いながらも、狭いそこを指で丁寧に開いていった。
「美咲ちゃん、ごめんね」
謝罪と共に、誠也の体が離れていく気配がする。そして蜜口に、ぬるりとなにかが当たる感触がした。そちらに目を向けると……花弁にサイズがあきらかに合わない男性器を押し当てている誠也がいた。その光景に、私は思わず目を瞠る。
「せいちゃん、こわい」
「うん、ごめん。でもしたい……」
「こわい」
「ごめんね」
また、私の言うことなんて聞く気がない時の『ごめんね』だ。慣れたそれを聞いて仕方ないなと言う気持ちが篭もった笑みを漏らすと、誠也も安心したように笑みを零す。そして腰をじわりと進められた。
「んっ」
「美咲ちゃん、きつい。力、抜いて」
「ごめん、せいちゃん」
「ああ、くそ。謝らせたいわけじゃなくて。僕もはじめてだから、上手くできなくて。こっちこそごめん」
そっか、誠也もはじめてなんだ。考えてみれば、それは当たり前なのだけれど。誠也は子供の頃からずっと、私の後ばかり追いかけていたんだから。
「ずっと、したいの我慢してた?」
「うん」
大きな先端が、狭い入り口を抜ける。その圧迫感を私は細かい息を吐きながら逃がそうとした。
「ごめんね、せいちゃん。我慢させて」
「ううん。僕こそ、ごめん。美咲ちゃんに選択肢をあげられなくて」
ゆっくりと、内側を刮ぐようにして熱杭が進む。こんなものが奥まで入るのか不安になったけれど、膣壁をかき分けるようにしながら、それは確実に中を支配していく。
「せいちゃん、あのね」
「うん」
「……好き。あぅんっ!」
もう何年ぶりになるかもわからない。その言葉を私は口にしていた。それと同時に熱は最奥まで進んで、ごつりと奥に当たった。
「やば、出そうだった。美咲ちゃんがそんなこと言うから。でも嬉しい、本当に僕のこと、好き?」
囁いて誠也は私の体を抱きしめる。中に肉杭が入ったままだから、自然と下から内臓を押し上げられるみたいになる。それが苦しくて『んぅ』と可愛くない唸り声を上げると、慌てた誠也に何度も頭を撫でられた。
「誠ちゃん、好き」
「あーだめ、出る。後でまた言って。情けないことになりたくない」
誠也は余裕のない声で言うと、ゆっくりと腰を動かしはじめた。お腹の奥を抉られながら口づけをされ、すがるように背中に手を回す。
部屋に響くのはぱちゅぱちゅという粘度の高い水音、口づけの合間に漏れ出る互いの荒い呼吸音。ただ、それだけ。睦言なんて言う余裕もなく、ただひたすら貪り合っている私たちはまるで獣のようだと思った。
誠也の腰の動きが少しずつ早くなる。隙間なく内側を埋められた状態で激しく貪られるのは少し痛くて、苦しい。だけど誠也が気持ちよさそうだから。私は嬉しくて泣きそうになった。
「美咲ちゃん、美咲ちゃん」
「あっあっ。せいちゃ、せいちゃ」
ぎゅっと私を抱きしめて、誠也が必死に腰を振る。その動きに翻弄されながら私も誠也の名前を呼んだ。
「好き、せいちゃ」
自分でも信じられないような甘ったるい声で誠也を呼ぶと、誠也は低く呻いて私を抱きしめたまま小さく震えた。ああ、中に出されてるんだ。最後の一滴まで中に注ごうとするかのように、誠也は奥へ奥へと熱を押しつけてくる。それはやがて、私の体からぬぽりと抜け落ちた。
「かっこ悪い……美咲ちゃんを満足させてないのに」
誠也は私を抱きしめたまま、拗ねたような声を出す。
「気持ちよかったよ?」
「慰めなくていい。次はもっと頑張る。というか今からでも頑張る。でも、美咲ちゃんがつらいかな……」
今の誠也は『王子様』じゃなくてなんだか『ふつうの男の子』だ。そんな彼が可愛く見えて、私はくすくすと笑った。
「今日はもうダメ。股が痛いし。その、妊娠とか、怖いし」
「むしろ僕は、妊娠して欲しい」
……重い。私はまだそこまでの覚悟はしていないのに。
「金銭的な負担は心配ないよ? このマンション、僕のだし」
「このお部屋が?」
「ううん、一棟。だいぶ前に、祖父ちゃんにもらった」
そういえば、誠也のお祖父さんはどこかの社長だった気がする。それもあって周囲の女子たちはギラギラとしてたんだなぁ。大学生でマンション一棟を持ってるなんて、どんなセレブなんだ。
うん、やっぱり誠也は王子様だな。
「誠ちゃんと一緒に、卒業したい」
あれだけ逃げたいと思っていたのに。一度捕まる覚悟を決めると、肝が据わるものだ。未来のことまで口にできる。じっと見つめてそう言うと、誠也の顔は真っ赤になった。
「じゃあ、我慢する」
抱きしめられ、胸に頬を擦り寄せる。そうしているうちに、意識は少しずつ微睡みに溶けていく。
「……美咲ちゃん、ごめんね。逃してあげられなくて」
眠りに落ちる一瞬前に、誠也のそんな声が聞こえた気がした。
大丈夫、もう逃げないよ。
自分が嫌いな私は、また落ち込んだり、たくさん泣いたりするだろうけど。
みっともなく震える足で貴方の隣に立とうと思う。
……貴方の呪いを解くお姫様が現れないようにと、心の奥で浅ましく願いながら。
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