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番外編
君が思うよりも、たぶん重い(誠也視点)
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最初に美咲ちゃんを見た時、お餅の妖精かと思った。
妖精はもちもちとした両手にお菓子を持って、ニコニコしながらそれを頬張っている。その姿に、僕はすっかり釘づけだ。
白くて丸いほっぺ。たぶん母親が切ったのだろう、少し不自然に切られた綺麗な黒髪。大きな目はお菓子しか見ていない。彼女の体はどこもかしこもまんまるで柔らかそうだ。あの頬に噛みついたらダメかな。怒られるかな。
『ぜんぶ食べたら、お腹いっぱいになる。でも、食べたいな。食べちゃえ』
なにかぶつぶつと言いながら、お餅の妖精はまたお菓子を頬張った。
食べてしまいたいくらいに、その仕草が可愛い。あのお餅の妖精は、どこの家の子なんだろう。
キラキラと目を輝かせながらお餅の妖精に見入っている僕を見た母は、なんだか楽しそうだ。そして『たしか、乙川さんの家の子ね。……どうして家の前で、一人でお菓子を食べてるのかな』と言いながら、お餅の妖精の方へと僕の手を引いて歩み寄った。
『ねぇ、君は誰?』
『美咲!』
僕が名前を訊くと、元気な返事が返ってくる。お餅の妖精は美咲ちゃんというらしい。美咲ちゃんの声は、鈴の玩具みたいな音でとても綺麗だ。
『美咲ちゃん、お母さんは?』
続けて母が彼女に訊ねる。
『自転車がパンクして、家に戻ったの。別の自転車持ってくるまで、お菓子食べながらちょっとだけ待っててって』
美咲ちゃんはもぐもぐと時折お菓子を頬張りながら事情を説明してくれた。母はそんな美咲ちゃんを見ながら、少し吹き出しそうになっている。うん、ほっぺがお菓子でパンパンになってるもんね。
そんな彼女をじっと見つめていると――
『王子様みたい』
そう言って、美咲ちゃんは僕にふにゃりと笑った。
僕と美咲ちゃんは、家が近所なのもあってたびたび遊ぶようになった。
そして美咲ちゃんは僕と同い年で、春から同じ小学校に通うということを知ったのだ。
ふわふわしていて、どこもかしこも甘そうで、いつも楽しそうに笑う女の子に僕は夢中になった。
どうしてこんなに可愛く見えるのかな。
美咲ちゃんが、とってもとっても美味しそうだからかな。きっとそうだ。
ほっぺにかぶりつきたい、ぷにぷにの二の腕に噛みつきたい。可愛い唇にキスをしたい。
そんな当時の自分にとっては得体の知れなかった謎の衝動を綺麗に隠しながら、僕は美咲ちゃんにべったりとくっついていた。
――これは自分の獲物だと、主張するかのように。
ところで、僕の祖父は日本では名の知れた会社の社長をしている。
しかし我が家は、ごく一般的なサラリーマン家庭だ。
祖父は縁故という理由のみで会社を継がせるつもりは毛頭無く、父はのんびりとした性格なので次期社長の椅子には執着せず。あっさりと関連企業での会社員生活を選んでしまった。
父が社長の椅子のために研鑽を積むような人柄なら、僕も私立の小学校に行くことになり美咲ちゃんと過ごせなかったのかもしれない。
しかしのんびり屋だった父のおかげで、僕は公立小学校に通うこととなり美咲ちゃんと同じ学校で過ごせたのだ。
美咲ちゃんにとって、それは不幸なことだったのかもしれないけれど。
美咲ちゃんと過ごす日々には、しばらくは幸せだけが溢れていた。
『好き』だと言えば、『私も好き』という返事が返ってくる。運がいい日は彼女からの頬へのキスまで付いてきた。
抱きしめたい、匂いを嗅ぎたい、もちもちの体を抱きしめていっぱいすりすりしたい。
『可愛い』と言った時にふにゃりと笑み崩れる、その嬉しそうな顔をもっと見たい。
可愛い、美咲ちゃんは可愛い。その存在のすべてが、僕の心を囚えてしまう。
どうしていいのかわからないくらいに、僕の心は美咲ちゃんでいっぱいだ。
周囲のヤツらは美咲ちゃんのことを、なんだか小馬鹿にしているみたいだったけれど。なぜかクラスの中心人物になっていた僕の前では、それを言おうとしなかった。
だから僕は美咲ちゃんにぴったりとくっついて、常に彼女を守ろうとした。
周囲の心ない言葉なんて聞かないで。美咲ちゃんは、僕の言葉しか聞かなくていい。
『可愛い』『好き』『大好き』。それだけを彼女に与えて、僕のことしか考えられないようにしたい。
美咲ちゃんは、僕だけでいっぱいになっていればいいんだ。
だけど……守るのにも限界がある。
ある時、僕が目を離した隙に、誰かが妙なことを吹き込んだのだ。それから美咲ちゃんは、僕の前で笑わなくなった。
それどころか僕をあからさまに避けるようになったのだ。
そんな美咲ちゃんに成り代わろうとするように、詩織とかいう女が僕に纏わりつく。どうやらコイツが美咲ちゃんに妙なことを吹き込んだらしい。
『王子様とお姫様は、一緒にいるべきでしょう?』
そう言って笑う女に、僕はひどく腹を立てた。
美咲ちゃんじゃない女が、僕の隣にどうして立つんだ?
『君みたいなブスに興味ない。美咲ちゃんじゃないと嫌』
クラスメイトが大勢いる中でそう口にすると、女は顔を真っ赤にする。そして口角泡を飛ばしながら僕に罵声を浴びせると、取り巻きを連れて教室から出て行ってしまった。
……本当のことを言っただけなのにね。
『お姫様』なんていらない。
僕は『美咲ちゃん』が欲しいんだ。
逃げる美咲ちゃんを追いかけて、追いかけて。そうしているうちに、彼女の僕を見る目には憎しみや怯えが宿るようになったけれど。
ごめんね、僕は君を手放せない。
君は『僕のもの』だと。そう決めてしまったから。
それと、気づいたんだ。
君から向けられる感情は、どんなものでも僕には素敵に見えてしまうのだって。
例えそれが殺意だとしても、僕は心の底から嬉しがってしまうんだろう。
だってそれも、美咲ちゃんのものなんだから。
……相思相愛が、もちろん一番嬉しいけどね。
☆
美咲ちゃんが僕の腕の中でもぞもぞと身動きをする。
そう、やっと僕は捕まえたんだ。僕のところから逃げ出してしまった、可愛い可愛い美咲ちゃんを。
「せいちゃ、苦しい」
気がつかないうちにその柔らかな体を、強く抱きしめていたらしい。寝苦しかったのだろう彼女は不満げな声を上げた。
「ごめんね。美咲ちゃんがいるのが嬉しくて。ぎゅってしたくなった」
「誠ちゃんは、バカだなぁ」
小さな手が伸びて軽くおでこを叩かれた。ぺちんと音はしたけれど、ちっとも痛くない。
「……バカって、ひどい」
「だって、バカだよ」
そう言うと美咲ちゃんは僕に抱きついた。むにゅり、と柔らかな感触が伝わってくる。胸、お腹、ほっぺ、太もも……どこもかしこも美咲ちゃんは柔らかい。
そんな素敵なものを押しつけられたら、また押し倒したくなってしまうじゃない。湧き上がる性欲を、僕は必死で押さえ付けた。
先ほど、彼女とは初体験を終えたばかりだ。今夜はゆっくりさせてあげたい。
……本音で言うともっとしたいけれど、ゆっくりさせるのだ。
「私なんかといるのが、そんなに嬉しいなんて。ほんとにバカ」
美咲ちゃんはそう言うと、僕の胸に顔を押しつけて深いため息をついた。
「……私なんかとか、言わないの」
美咲ちゃんはこんなに可愛いのに、自己評価が低すぎる。
最初見た時、僕は妖精だと思ったんだよ? ……お餅の妖精、だけれど。
美咲ちゃんはたしかに派手な顔立ちではないけれど、庇護欲をそそるハムスターみたいな愛らしい顔をしている。そしてその可愛い顔とは不釣り合いなくらいの、ちょっとやらしい体だ。
こういうアンバランスさを好む男は案外多い。
美咲ちゃんを狙っている男は、中学の頃からいたんだよ。僕がぜんぶ、排除してたけど。
つむじに何度もキスをすると、くすぐったそうに美咲ちゃんが身を捩る。するとぷにぷにの体が僕の体にすりすりと擦れた。あーもう、さっきまで童貞だったやりたい盛りの男を煽らないで欲しいな。
「美咲ちゃんは可愛い。小さい頃からずっと言ってるのに」
「誠ちゃん……」
困惑を滲ませた表情で、美咲ちゃんが僕を見つめる。
眉は困ったようにハの字になっていて、その瞳は少し潤んでいて不安そうだ。
うん、自分に自信が持てないんだよね。でもいいよ、そんな君も好きだから。
出会った頃の屈託のない君が好きだ。
僕の気持ちを知っているくせに、逃げようとした君も好きだ。
僕のせいで屈折してしまった君も好きだ。
そして、僕の腕の中で不安そうにしている今の君も大好き。
ぜんぶ、ぜんぶ。美咲ちゃんだから好きなんだ。
「好きだよ、美咲ちゃん」
僕の投げる言葉は、君が思っているよりもたぶんずっと重い。
「……私も、誠ちゃんが、好き」
それを受け取って嬉しそうに笑う君の無邪気さも、僕は愛している。
妖精はもちもちとした両手にお菓子を持って、ニコニコしながらそれを頬張っている。その姿に、僕はすっかり釘づけだ。
白くて丸いほっぺ。たぶん母親が切ったのだろう、少し不自然に切られた綺麗な黒髪。大きな目はお菓子しか見ていない。彼女の体はどこもかしこもまんまるで柔らかそうだ。あの頬に噛みついたらダメかな。怒られるかな。
『ぜんぶ食べたら、お腹いっぱいになる。でも、食べたいな。食べちゃえ』
なにかぶつぶつと言いながら、お餅の妖精はまたお菓子を頬張った。
食べてしまいたいくらいに、その仕草が可愛い。あのお餅の妖精は、どこの家の子なんだろう。
キラキラと目を輝かせながらお餅の妖精に見入っている僕を見た母は、なんだか楽しそうだ。そして『たしか、乙川さんの家の子ね。……どうして家の前で、一人でお菓子を食べてるのかな』と言いながら、お餅の妖精の方へと僕の手を引いて歩み寄った。
『ねぇ、君は誰?』
『美咲!』
僕が名前を訊くと、元気な返事が返ってくる。お餅の妖精は美咲ちゃんというらしい。美咲ちゃんの声は、鈴の玩具みたいな音でとても綺麗だ。
『美咲ちゃん、お母さんは?』
続けて母が彼女に訊ねる。
『自転車がパンクして、家に戻ったの。別の自転車持ってくるまで、お菓子食べながらちょっとだけ待っててって』
美咲ちゃんはもぐもぐと時折お菓子を頬張りながら事情を説明してくれた。母はそんな美咲ちゃんを見ながら、少し吹き出しそうになっている。うん、ほっぺがお菓子でパンパンになってるもんね。
そんな彼女をじっと見つめていると――
『王子様みたい』
そう言って、美咲ちゃんは僕にふにゃりと笑った。
僕と美咲ちゃんは、家が近所なのもあってたびたび遊ぶようになった。
そして美咲ちゃんは僕と同い年で、春から同じ小学校に通うということを知ったのだ。
ふわふわしていて、どこもかしこも甘そうで、いつも楽しそうに笑う女の子に僕は夢中になった。
どうしてこんなに可愛く見えるのかな。
美咲ちゃんが、とってもとっても美味しそうだからかな。きっとそうだ。
ほっぺにかぶりつきたい、ぷにぷにの二の腕に噛みつきたい。可愛い唇にキスをしたい。
そんな当時の自分にとっては得体の知れなかった謎の衝動を綺麗に隠しながら、僕は美咲ちゃんにべったりとくっついていた。
――これは自分の獲物だと、主張するかのように。
ところで、僕の祖父は日本では名の知れた会社の社長をしている。
しかし我が家は、ごく一般的なサラリーマン家庭だ。
祖父は縁故という理由のみで会社を継がせるつもりは毛頭無く、父はのんびりとした性格なので次期社長の椅子には執着せず。あっさりと関連企業での会社員生活を選んでしまった。
父が社長の椅子のために研鑽を積むような人柄なら、僕も私立の小学校に行くことになり美咲ちゃんと過ごせなかったのかもしれない。
しかしのんびり屋だった父のおかげで、僕は公立小学校に通うこととなり美咲ちゃんと同じ学校で過ごせたのだ。
美咲ちゃんにとって、それは不幸なことだったのかもしれないけれど。
美咲ちゃんと過ごす日々には、しばらくは幸せだけが溢れていた。
『好き』だと言えば、『私も好き』という返事が返ってくる。運がいい日は彼女からの頬へのキスまで付いてきた。
抱きしめたい、匂いを嗅ぎたい、もちもちの体を抱きしめていっぱいすりすりしたい。
『可愛い』と言った時にふにゃりと笑み崩れる、その嬉しそうな顔をもっと見たい。
可愛い、美咲ちゃんは可愛い。その存在のすべてが、僕の心を囚えてしまう。
どうしていいのかわからないくらいに、僕の心は美咲ちゃんでいっぱいだ。
周囲のヤツらは美咲ちゃんのことを、なんだか小馬鹿にしているみたいだったけれど。なぜかクラスの中心人物になっていた僕の前では、それを言おうとしなかった。
だから僕は美咲ちゃんにぴったりとくっついて、常に彼女を守ろうとした。
周囲の心ない言葉なんて聞かないで。美咲ちゃんは、僕の言葉しか聞かなくていい。
『可愛い』『好き』『大好き』。それだけを彼女に与えて、僕のことしか考えられないようにしたい。
美咲ちゃんは、僕だけでいっぱいになっていればいいんだ。
だけど……守るのにも限界がある。
ある時、僕が目を離した隙に、誰かが妙なことを吹き込んだのだ。それから美咲ちゃんは、僕の前で笑わなくなった。
それどころか僕をあからさまに避けるようになったのだ。
そんな美咲ちゃんに成り代わろうとするように、詩織とかいう女が僕に纏わりつく。どうやらコイツが美咲ちゃんに妙なことを吹き込んだらしい。
『王子様とお姫様は、一緒にいるべきでしょう?』
そう言って笑う女に、僕はひどく腹を立てた。
美咲ちゃんじゃない女が、僕の隣にどうして立つんだ?
『君みたいなブスに興味ない。美咲ちゃんじゃないと嫌』
クラスメイトが大勢いる中でそう口にすると、女は顔を真っ赤にする。そして口角泡を飛ばしながら僕に罵声を浴びせると、取り巻きを連れて教室から出て行ってしまった。
……本当のことを言っただけなのにね。
『お姫様』なんていらない。
僕は『美咲ちゃん』が欲しいんだ。
逃げる美咲ちゃんを追いかけて、追いかけて。そうしているうちに、彼女の僕を見る目には憎しみや怯えが宿るようになったけれど。
ごめんね、僕は君を手放せない。
君は『僕のもの』だと。そう決めてしまったから。
それと、気づいたんだ。
君から向けられる感情は、どんなものでも僕には素敵に見えてしまうのだって。
例えそれが殺意だとしても、僕は心の底から嬉しがってしまうんだろう。
だってそれも、美咲ちゃんのものなんだから。
……相思相愛が、もちろん一番嬉しいけどね。
☆
美咲ちゃんが僕の腕の中でもぞもぞと身動きをする。
そう、やっと僕は捕まえたんだ。僕のところから逃げ出してしまった、可愛い可愛い美咲ちゃんを。
「せいちゃ、苦しい」
気がつかないうちにその柔らかな体を、強く抱きしめていたらしい。寝苦しかったのだろう彼女は不満げな声を上げた。
「ごめんね。美咲ちゃんがいるのが嬉しくて。ぎゅってしたくなった」
「誠ちゃんは、バカだなぁ」
小さな手が伸びて軽くおでこを叩かれた。ぺちんと音はしたけれど、ちっとも痛くない。
「……バカって、ひどい」
「だって、バカだよ」
そう言うと美咲ちゃんは僕に抱きついた。むにゅり、と柔らかな感触が伝わってくる。胸、お腹、ほっぺ、太もも……どこもかしこも美咲ちゃんは柔らかい。
そんな素敵なものを押しつけられたら、また押し倒したくなってしまうじゃない。湧き上がる性欲を、僕は必死で押さえ付けた。
先ほど、彼女とは初体験を終えたばかりだ。今夜はゆっくりさせてあげたい。
……本音で言うともっとしたいけれど、ゆっくりさせるのだ。
「私なんかといるのが、そんなに嬉しいなんて。ほんとにバカ」
美咲ちゃんはそう言うと、僕の胸に顔を押しつけて深いため息をついた。
「……私なんかとか、言わないの」
美咲ちゃんはこんなに可愛いのに、自己評価が低すぎる。
最初見た時、僕は妖精だと思ったんだよ? ……お餅の妖精、だけれど。
美咲ちゃんはたしかに派手な顔立ちではないけれど、庇護欲をそそるハムスターみたいな愛らしい顔をしている。そしてその可愛い顔とは不釣り合いなくらいの、ちょっとやらしい体だ。
こういうアンバランスさを好む男は案外多い。
美咲ちゃんを狙っている男は、中学の頃からいたんだよ。僕がぜんぶ、排除してたけど。
つむじに何度もキスをすると、くすぐったそうに美咲ちゃんが身を捩る。するとぷにぷにの体が僕の体にすりすりと擦れた。あーもう、さっきまで童貞だったやりたい盛りの男を煽らないで欲しいな。
「美咲ちゃんは可愛い。小さい頃からずっと言ってるのに」
「誠ちゃん……」
困惑を滲ませた表情で、美咲ちゃんが僕を見つめる。
眉は困ったようにハの字になっていて、その瞳は少し潤んでいて不安そうだ。
うん、自分に自信が持てないんだよね。でもいいよ、そんな君も好きだから。
出会った頃の屈託のない君が好きだ。
僕の気持ちを知っているくせに、逃げようとした君も好きだ。
僕のせいで屈折してしまった君も好きだ。
そして、僕の腕の中で不安そうにしている今の君も大好き。
ぜんぶ、ぜんぶ。美咲ちゃんだから好きなんだ。
「好きだよ、美咲ちゃん」
僕の投げる言葉は、君が思っているよりもたぶんずっと重い。
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