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もののけ執事とお座敷少女7
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業者とはすぐに話がまとまり、倉庫の中の不用品は即日で引き取ってもらえてすっきりした気持ちになる。結構量があったので二万円くらいかかったけれど。それくらいで『厄払い』できるんだったらいいかと思ってしまった。
「よし」
荷物整理はあるけれど、それは後回しにするとして。
仕事を進めないといけないな、と思いながら部屋へと戻る。
そしてメールをまた確認すると……
「ん!?」
また……依頼が十件増えていた。待って、待って。座敷ちゃん、これはやりすぎだから!
月に二、三万収入が増えるっていう話じゃなかったっけ……! この仕事の量は、それどころの話ではない。
「ざ、座敷ちゃん!」
呼んで出てくるかはわからないけど、ひとまず彼女を呼んでみる。
しかし反応はなく、家には私の声だけが響いた。
どうしよう、どこに行ったのかな。ひとまず締め切りが近い仕事を終わらせてから考える?
焦りながら部屋をうろうろしていると、寝室の方でカタリと小さな音がした。
そっちの部屋に、いるのかな。別の『もののけ』とかじゃないよね? 『もののけ』が、他にもいたらどうしよう。彼らが私に引っ越しのご挨拶を私にするとは到底思えない。
「……座敷ちゃん? いる?」
声をかけながら恐る恐る襖を開けてみると――部屋の真ん中で座敷ちゃんが倒れて荒い呼吸をしていた。
「だ、大丈夫!?」
駆け寄って抱き起こし、汗にまみれた額に手を当てる。その額は驚くくらいに熱かった。『もののけ』も、体調を崩したりするの!? 座敷ちゃんの意識はなくて、どうしていいのかわからず私は焦りに焦った。
ひとまず布団を上からかけ、氷嚢はなかったので濡らしたタオルを頭に乗せる。けれどこれも正しいのか、私にはわからない。
「夜音さん! 夜音さん!」
頼れるのはあの『もののけ』しかいない。私は大きな声で彼の名前を呼びながら、彼が出入り口にしている天袋をどんどんと廊下掃除用のクイックルワイパーで叩いた。涙が溢れて頬を伝うけれど、そんなことには構ってはいられない。
「……なんですか、騒々しい。こっちは仕事中なんですよ」
カラリと天袋の戸が開いて、黒い狐が姿を現す。彼はなにか文句を言おうとしたのか、口を開いたけれど……
「なぜ、泣いてるんです」
眉間に皺を寄せつつ、私の腕に飛び込んできた。そのふわふわの感触はとても優しくて、夜音さんを強く抱きしめてしまう。
「や、夜音さ……」
「ほら、落ち着きなさい。深呼吸をして」
「はい……」
すーはーと私が深呼吸をしているうちに、夜音さんはするりと私の腕から抜け出して畳にトンと下りた。そして人の方の姿になる。
「なにがあったんです?」
「座敷ちゃんが、隣の部屋で倒れてて……どうしていいのか、わからなくなって」
「なんですって?」
私の話を聞いた夜音さんは、すぐに隣室へと行く。
そして座敷ちゃんの額に手を当てたり、呼吸の様子を確認したりした後に……
「……力の使いすぎでしょうね」
と眉間に皺を寄せながら言った。
「よし」
荷物整理はあるけれど、それは後回しにするとして。
仕事を進めないといけないな、と思いながら部屋へと戻る。
そしてメールをまた確認すると……
「ん!?」
また……依頼が十件増えていた。待って、待って。座敷ちゃん、これはやりすぎだから!
月に二、三万収入が増えるっていう話じゃなかったっけ……! この仕事の量は、それどころの話ではない。
「ざ、座敷ちゃん!」
呼んで出てくるかはわからないけど、ひとまず彼女を呼んでみる。
しかし反応はなく、家には私の声だけが響いた。
どうしよう、どこに行ったのかな。ひとまず締め切りが近い仕事を終わらせてから考える?
焦りながら部屋をうろうろしていると、寝室の方でカタリと小さな音がした。
そっちの部屋に、いるのかな。別の『もののけ』とかじゃないよね? 『もののけ』が、他にもいたらどうしよう。彼らが私に引っ越しのご挨拶を私にするとは到底思えない。
「……座敷ちゃん? いる?」
声をかけながら恐る恐る襖を開けてみると――部屋の真ん中で座敷ちゃんが倒れて荒い呼吸をしていた。
「だ、大丈夫!?」
駆け寄って抱き起こし、汗にまみれた額に手を当てる。その額は驚くくらいに熱かった。『もののけ』も、体調を崩したりするの!? 座敷ちゃんの意識はなくて、どうしていいのかわからず私は焦りに焦った。
ひとまず布団を上からかけ、氷嚢はなかったので濡らしたタオルを頭に乗せる。けれどこれも正しいのか、私にはわからない。
「夜音さん! 夜音さん!」
頼れるのはあの『もののけ』しかいない。私は大きな声で彼の名前を呼びながら、彼が出入り口にしている天袋をどんどんと廊下掃除用のクイックルワイパーで叩いた。涙が溢れて頬を伝うけれど、そんなことには構ってはいられない。
「……なんですか、騒々しい。こっちは仕事中なんですよ」
カラリと天袋の戸が開いて、黒い狐が姿を現す。彼はなにか文句を言おうとしたのか、口を開いたけれど……
「なぜ、泣いてるんです」
眉間に皺を寄せつつ、私の腕に飛び込んできた。そのふわふわの感触はとても優しくて、夜音さんを強く抱きしめてしまう。
「や、夜音さ……」
「ほら、落ち着きなさい。深呼吸をして」
「はい……」
すーはーと私が深呼吸をしているうちに、夜音さんはするりと私の腕から抜け出して畳にトンと下りた。そして人の方の姿になる。
「なにがあったんです?」
「座敷ちゃんが、隣の部屋で倒れてて……どうしていいのか、わからなくなって」
「なんですって?」
私の話を聞いた夜音さんは、すぐに隣室へと行く。
そして座敷ちゃんの額に手を当てたり、呼吸の様子を確認したりした後に……
「……力の使いすぎでしょうね」
と眉間に皺を寄せながら言った。
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