【R18】モブ令嬢は変態王子に望まれる

夕日(夕日凪)

文字の大きさ
21 / 31
本編2

モブ令嬢と第二王子は出奔する7※

しおりを挟む
「いててっ……」

 湯船に入ると体のあちこちに痛みが走った。お湯が沁みる手のひらや足の裏を確認すると、皮が思い切り剥けている。訓練中はアドレナリンが出ていたので痛みを感じなかったのだろう。まぁ何百回も木剣を振ったり、屋敷の周囲も何周も走ったりしたら当然か……。

「アリエル……君は時々頑張りすぎるんだ」

 シャルル王子は眉を下げながら私の手を取ると、そっと口づけた。

「後でちゃんと手当をしよう。いや、兄上に治癒魔法を使ってもらうか」
「毎日続けたらタコになって平気になると思うんですけどね」
「……令嬢がなにを言っているんだ。君は本当にやり遂げかねないが……」

 彼は小さくため息をついて私の体を引き寄せる。シャルル王子の肌が私の肌に触れたと思うと、隙間なんて作るものかと言わんばかりにぎゅうぎゅうと抱きしめられた。
 裸の彼をそっと観察する。まだ薄い細身の体。くびれた腰からなだらかにお尻に繋がる美しいライン。染み一つないきめ細やかな白い肌。
 いいなぁ、お肌が綺麗で。シャルル王子に、にきびやらができたところなんて見たことがない。乙女ゲームの関係者補正なんだろうか……なんだかずるい。
 まだ幼い彼は少年から男性になる最中の少し危うい魅力を放っている。こう言うと怒られるのだけれど、彼は非常に中性的で妖精のように綺麗だ。
 湯舟でシャルル王子と抱き合っていると冷えた体が温まり、解れてくる。私はふーっと深い息を吐いた。

「温まってきたか? アリエル」
「あったかいです、シャルル様!」

 シャルル王子が心配そうに言いながら小さな唇を合わせてくる。それに応えるように軽い口づけを返して私は微笑んだ。

「……本当に可愛いな、アリエルは……」

 ……婚約者様の目は腐っているのかなぁ。いつもながらそう思う。シャルル王子の方が何百倍も綺麗で可愛い。私がこんな見た目をしていたら、毎日うっとりと鏡を眺めていただろう。

「シャルル様って、女性の趣味が変ですよね……いたっ!」

 そう言ってこてりと首を傾げると不満そうな顔でデコピンをされた。

「アリエルは世界一可愛い。誰がなんと言おうとそうだ。君自身であっても異論は認めない。アリエル以上に素敵な女性は、この世に存在なんてしないんだ」

 彼の言葉に私の顔は真っ赤になった。人生で私が男性に褒められた回数はとても少ない。それもほとんどがお世辞である。なのにシャルル王子と出会ってからは、毎日のように『可愛い、綺麗だ』と褒めそやかされる。しかもこんな絶世の美少年にだ。……これには未だに慣れることができない。
 だって私、モブだもの! 自他ともに認めるモブだもの!

「欲目がすぎますよ、シャルル様……」

 欲目だけじゃなくて巨乳補正もある気がする。彼はお胸が大好きですものね。
 恥ずかしくなってぎゅっと彼を抱きしめると、金色の頭は胸の間に埋まってしまう。不満げで、でもどこか幸せそうにシャルル王子は私を見上げた。

「君は可愛いぞ。アリエル、大好きだ」

 シャルル王子の手が私の胸に伸びる。そして決して可愛くないサイズの胸をゆっくりと揉み込んだ。抱き合っている間に硬くなっていた彼の物が、さらに硬さを増して持ち上がった。本当にお胸が好きだなぁ……そんな苦笑をしながら、夢中で胸に触れる彼の額にキスをする。

「私も、シャルル様が好きです。好きなところはたくさんありすぎて、言葉にするのが難しいですけど」

 まずお顔が信じられないくらいに好みだ。少し心配になるくらいに、頑張り屋なところも好き。すぐに目を潤ませる泣き虫なところもとても可愛い。泣き虫だけど芯が強くて男らしいところは尊敬できる。私にたくさん愛を囁いてくれる、愛情いっぱいなところも好き。心にはどんどん彼の好きなところが思い浮かぶ。……彼の全部が好きだなぁ。

「いつかちゃんと、聞かせてくれ」
「あっ、シャルル様っ……」

 豪奢な美貌で微笑んで彼は私の胸の頂を吸い上げた。

「ふっ……んっ……」

 小さな舌が頂を転がす。寄る辺が欲しくてシャルル王子の手をそっと握ると、綺麗な手がしっかりと握り返してくれた。指を絡めながら舌の刺激を受け入れていると、お腹のあたりが切なく疼く。

「あっ……んっ」

 舌先で胸に丁寧な愛撫を加えながら、彼は空いた方の手を蜜壺に伸ばす。細い指が淡い茂みをゆるりと撫で、その奥にある花弁の表面をなぞる。ぬるりとした蜜が指に絡まったのだろう。シャルル王子は嬉しそうに笑った。

「濡れているのが、お湯の中でもわかるな。ああ、感じやすい君もとても可憐だ」
「しゃるる、さま」

 シャルル王子は可憐の意味を一度辞書で調べた方がいい。
 そんなツッコミを心の中で入れている間に彼の指が花芽を優しく擦った。

「ひゃぁっ……!」

 可愛いと何度も囁きながら彼は花芽を刺激する。触れられるたびに腰が跳ね、じんじんとした甘い痺れに思考は絡め取られていく。シャルル王子の金色の瞳は感じる私の姿をじっくりと眺めていて……それがとても恥ずかしい。こんなモブ女の感じている顔なんて、そんなに眺めないで。

「はずかしいです、シャルル様……っ。みちゃ、いやぁっ……」
「アリエル……! 可愛すぎか! くそっ、薬は部屋か!」

 シャルル王子が苛立った声を上げた。私も膣内にシャルル王子のが欲しい。あの大きな物で中を満たしてもらい、奥をたくさん突かれたい。

「お部屋、いきましょ……? しゃるるさまの、欲しい……」

 ねだるように囁くと彼のお顔は真っ赤になった。
 何度もキスを交わしながら、せわしない足取りで寝台へと向かう。体の水滴を拭う余裕なんてどちらにもない。濡れた体で寝台に倒れ込むと、サイドテーブルに置いていた避妊薬をシャルル王子が口に含み一刻も惜しいという性急さの口移しで飲まさせる。
 足を大きく彼の手で開かれると花弁が物欲しげにひくりと震え、蜜がはしたなく滴った。

「アリエル、好きだっ……」

 そう口にしながら彼は余裕のない所作で蜜壺に熱をあてがう。そして一気に貫いた。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?

山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、 飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、 気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、 まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、 推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、 思ってたらなぜか主人公を押し退け、 攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・ ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

処理中です...