【R18】執事と悪役令嬢の色々な世界線

夕日(夕日凪)

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天使は執事見習いに試練を与える

天使は執事見習いに試練を与える・3※

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お嬢様の部屋に今晩も呼ばれ、私はため息をつきながら扉の前に立ち尽くしていた。
 中に入りたくない……今晩もどれだけの我慢を強いられるのだろうか。

「はぁ……」

 何度目かのため息をついた時、扉が部屋の方から開かれた。

「やっぱりいたわ。なにか気配がすると思ったの!」

 お嬢様が熊のぬいぐるみを抱えてキラキラした瞳でこちらを見つめている。あー世界一可愛い!! 百点ですねお嬢様。
 彼女は私の手を引くと、部屋の中へと導いた。
 お嬢様の手は同じ人間のものとは思えないくらいに小さくて柔らかい。

「今夜こそ逃がさないんだから」

 お嬢様はそう言って寝台に先に上がると、ぺろりと上掛けをめくった。
 私はため息をつきながらお嬢様の隣に転がる。
 すると彼女の煌めく美しい瞳と近くで視線が絡み、心臓が大きく跳ねた。
 お嬢様は悪戯っぽく笑いながら……正面からしっかりと抱きついてくる。
 お……お嬢様ぁぁあ!! 私は心の中で絶叫した。

「こうしたら逃げられないでしょう?」

 そう無邪気に言いながらお嬢様は体をすりつけてくる。
 お嬢様との距離が近い。まだ膨らみがない胸を押しつけられ、足を絡められ……私はもう限界だった。
 ダメだ、これはダメだ。下半身にどんどん熱が集まり、どうしていいのかわからない。

「お嬢様……その」
「なに? マクシミリアン」
「お嬢様は幼いのでわからないかもしれませんが。男は好きな女性に密着されると……色々と辛いのです」

 どう説明していいのかわからなくて涙目になってしまう。なんて恥辱だ。

「あ……」

 お嬢様がなにかに気づいたように私の下半身に目を向ける。
 そして一気に顔を赤らめた。

「あ……あああ。そっか……男の子だもんね。そっか、ショタでもそうなるのよね」

 お嬢様はあわあわとしながら顔を隠す。お嬢様、ショタってなんですか。
 そして七歳なのに男性の機能の知識があるのですか……? 一体、どこで。

「お嬢様、どこでそんな知識を」
「うう。『薄い本』でしか知らないのだけど……ああ……」
「『薄い本』? 本で読んだのですか」
「そ……そうなの」

 お嬢様は恥ずかしそうに顔を伏せてしまう。
 『薄い本』? お嬢様は本で男性の機能の知識を得たのか。
 ……変な輩に教えられた、なんてことじゃなくてよかった。そいつを殺すところだった。
 その『薄い本』とやらもいずれ見つけて焼こう。お嬢様の教育に悪い。

「それでは退出させてください。そして添い寝もこれからはなしで……」

 これでお嬢様も解放してくれるだろう。そう安心したのは束の間だった。

「や……やだ! マクシミリアンと一緒にいるわ!」

 お嬢様はぎゅっと胸に頬をすり寄せてイヤイヤと頭を振る。

「えっと……これからの長い一生を一緒に過ごすのですから。添い寝もいずれすることになりますよ?」

 彼女と一生を共にするためにはそれ相応の爵位が必要だが。
 私はそれを得るためにならどんな手段も取るつもりだ。

「……わ……わかんないじゃない。もしかするとなにかがあって、マクシミリアンとお別れするかもしれないわ。そうなったら二度と添い寝なんてできないのよ! わたくしは今の時間を大事にしたいの!!」

 そう駄々をこねながら首を振るお嬢様は可愛いが、そろそろ私は限界なのだ。
 お嬢様の前で恥ずかしいもので下着を濡らすなんてそんな悲しいことにはなりたくない。
 下穿きを洗っている姿をジョアンナに見られたら死ねるしな。

「あの……限界なので、部屋に帰してください」

 私がそう言うとお嬢様は頬を膨らませ……私のアレを、ぎゅっと握った。
 お嬢様!!? 私の脳内はたちまちに混乱で満ち溢れた。
 小さな手が寝間着の上からとはいえ私のアレに触れている。その手はぎこちない動きで私の物をなでさすった。

「う……『薄い本』で読んだの。触って、出したら楽になるのよね?」

 その『薄い本』とやらは今すぐ葬り去らねば。
 お嬢様は私の下穿きに手を入れ、直に触ろうとする。ほ……本当に止めてくださいお嬢様!!
 突き飛ばして逃げようかと思ったのだがお嬢様は華奢な体だ。怪我でもさせてしまったら……。

「――ッ……!」

 そんなことを考えているうちにお嬢様の手が私の幼い欲望に直に触れた。

「……熱い。そして硬くて柔らかいのね。マクシミリアン、不思議な感じだわ」
「お嬢様、本当に困るのです……!」

 もう嫌だ。泣きたい。
 私の欲望を擦り上げる拙い小さな手の刺激。そんなもの、もどかしいだけのはずなのに。
 お嬢様の手だと思うだけですぐにでも欲を吐き出しそうになってしまう。

「気持ちいい? マクシミリアン」

 彼女が一生懸命な愛撫を繰り返しながら、真っ赤な顔で言う。
 そんな、そんな顔を見せられてしまったら……!

 そして私はお嬢様の小さな手の中に白い欲望を吐き出してしまったのだ。

「あ……すごい。いっぱい出た……」

 お嬢様は自分の手のひらにべったりと付着した白濁を興味深そうに眺める。
 私はそれが恥ずかしくてこの場から走って逃げ出したかった。
 だが、そんなわけにもいかない。
 ずり落ちていた下穿きをしっかり履きなおすと、サイドテーブルからハンカチを取り出し水差しの水を染みこませてから何度もお嬢様の手を拭う。
 あとは洗面所に行って洗っていただこう……。

「これで一緒に寝れるわね! マクシミリアン」

 無邪気に笑うお嬢様の顔を見ながら私は『薄い本』をこの世界から必ず消し去ることを誓った。
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