蔦葛物語

DENNY喜多川

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第十八夜 ビバ末法! 後編

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 不淫戒(ふいんかい)は、僧侶の女犯を厳しく禁じた戒律であり、仏陀が最初に定めた戒律でもある。この戒が定められるきっかけとなった、仏弟子スディンナは、元妻と交わったことにより、教団を追われた。
 しかし仏弟子たちは懲りずに
「口ならセーフですか?」
「アナルならセーフですか?」
 とセーフゾーンを求めてくるので、
「ヴァギナもアナルも、フェラチオも教団追放」
 と、厳しく戒律を定められてしまった。
 しかしそれでも、初期の仏弟子たちはチャレンジャーだった。
「膣外射精したからセーフですよね?」
「アウト」
「体に触れないで、ちんこ挿入しただけなんすけど」
「アウト」
「ナマじゃなくて、布で覆って挿入したんですが」
「アウト」
 こうしてとうとう、淫らな気持ちを持っただけでも
「アウト」
 にされてしまった。
 後世の僧侶たちは、さぞかし初期の仏弟子たちを恨んだことだろう。


「上人さまに、冷たい目で見下ろされて……」
 さすがに離れたのだろうか。
「アタイ、ますますコーフンしちゃって、離れようとする空澄さまの逸物を追いかけて、激しくくわえこんで、思いっきり締め付けたの。そしたら空澄さま、凄くよかったのか、『南無観世音菩薩!』だって」
 がく。
「そんで上人さま、アタイじゃなくて空澄さまの尻をつかんで、ご自分の逸物を、挿入されたの。前はアタイにくわえこまれて、後ろは上人さまに責められて、空澄さまったら、『極楽でございまする!』て、果てられたの。アタイ、慌てて上人さまに、『上人さま、アタイの後ろにも、ありがたいものをくださいまし!』ってお願いしたわ。さすが仏に仕える方だけあって、アタイみたいなバチ当たりにも、お情けをくださったわ」
 いやもう、何と評してよいものやら。そうしたら、清少納言さまが、ご自分でこう言って、締めくくられた。
「もうじき、末法の世が来て、仏法が廃れるって言うじゃない? そうしたら、こんなありがたい思いも、できなくなるのかしらね」
 きっと、とっくに末法の世だ。
 でもそれは、そんなに悪い気はしなかった。
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