無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第1章 転生編

第23話 再会

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ドスンッドスンッドスンッ

森が揺れる。

「おいルイス、少しは手応えがありそうなのが来たぜ…」

森からキメラが現れる。

「そうですねヘルバーさん。
行きましょうか!」

「そう来なくっちゃな!」

俺とヘルバーはキメラに向かって走っていく。

「誰か先着がいるみたいだぞ」

剣士が1人、キメラと戦っている。

遠くからでよく見えないがいい剣さばきだ。
恐らく上級剣士の人だろう。

「僕達も加勢に行きましょう!」

「あったりめぇだ!モードチェンジ【アイスソード】!」

ヘルバーがモードチェンジをする。
ヘルバーの剣が冷気を纏い氷に包まれていく。

「加勢するぜ!」

俺とヘルバーは戦っていた剣士と共にキメラと打ち合う。

キメラと出会ったのはこれで2回目…

1回目は小柄で弱かった。しかし今回は違う…
ドラゴンにオーガ、レッドグリズリー。どれも危険度が高い魔物だ。

しかしこの人達となら勝てる気がする!

「凍れ!」

ヘルバーが氷の斬撃でキメラの足元を凍らせる。

「はぁぁ!」

足元を取られ隙を見せたキメラの腕を剣士が切り落とす。

「ルイストドメだ!」

ヘルバーが叫ぶ。

俺はトドメを刺すべく、キメラの首元に跳ぶ。

「ルイスやれ!!」

剣士の人が俺の名前を叫ぶ。

すごく聞き覚えがある声のように感じられた。

だが、今はそんなこと考えてられない。
トドメを刺すんだ!

「うぉぉぉ!」

俺は力強い剣筋でキメラの頭を切り落とす。

「ははっ、さすがルイスだぜ」

「ルイス…」

キメラを倒しヘルバーさんの元に行く。

「かなり手応えがありましたが余裕でしたね!」

「あったりめぇだ!
それより…あの人泣いてるけどそんなに倒せて嬉しかったのか?」

ヘルバーは剣士の方を指す。

剣士は下を向いて泣いている。

「あのー…大丈夫ですか?」

俺の問いに対して剣士がゆっくりと顔を上げる。

「ルイス…お前の方こそ大丈夫だったか…?」

剣士と目が合う。

「っ!?」

あまりの驚きに俺は息を呑む。

俺はこの剣士の人を誰よりも知っている。
紛れもない、俺の父だ…!

「父さん!!」

俺は無意識に涙が溢れ出し、ハリーに抱きつく。

「おいおい、ルイス…そんなに抱きついたら父さん倒れちゃうぞ…
今の戦いでへとへとなんだ…」

ハリーはそう言いつつも、抱きしめる力を弱めることは無かった。

「会いたかった…!」

「ああ、俺もだ…」

ハリーに負けじと俺も強く抱きしめる。

「まるで感動の再会をした親子だな!」

俺たちの様子を見ていたヘルバーが口を挟む。

「ヘルバーさん…!今はこの感情に浸りたいんです、少し黙っててください!」

「お、おお、すまなかった…」

全く、ヘルバーさんったら空気を読まないんだから!

しかし、驚いた。
まさか父さんとこんなところで再会できるなんてな。

神様に感謝だ。
って、神は僕じゃないか!

というジョークは置いといて…


父さんは騎士団の片付けがあるため、いったん別れることにした。

僕とヘルバーさんは冒険者ギルドに行き、今回の報酬を貰った。

僕とヘルバーさんの貢献度は冒険者の中で最上位だったらしく、ものすごい額の報酬が出された。

今回の報酬は1000000ゴールド、日本円にして約300万円だ。

この世界の物価は日本と比べたら低く、このお金があればほとんどの物を買うことができる。

受け取るのには気が引けたが、これからも冒険者として活動していく予定なので、こうゆうのにも慣れておくのが必要だろう。

それに俺には亜空間があるからね!
持ち運びも取り出しも便利だ。

ヘルバーさんは抱き抱えながらすごく重そうにして帰って行った。



報酬を受け取り冒険者ギルドを出た後は騎士団へ向かった。

父さんと別れる際、騎士団の正門前で待っててくれと頼まれたからだ。

未だに父さんと再会したことに実感が湧かない。
あの日はぐれてから1年ぶりだ。

「ルイス待たせたな」

「いえ、僕もさっき来たところなので」

「じゃあ帰ろうか」

「うん!」

帰る家があるのってなんて心が浮かばれるのだろう。

家に帰ったら母さんやアリス姉さん、テリアまでいる。
会うのがすごく楽しみだ!

「ルイス、大きくなったな。それに強くなった」

家までの道をゆっくりと歩いていると、ハリーが口を開いた。

「そうですか?
この1年沢山修行しましたからね!」

「修行?師匠でもできたか?」

「父さんも知ってる人ですよ」

「俺の知っている人…もしかしてだが、アシュー師匠か…?」

「正解です」

「よくあの人の修行に1年も耐えたな…」

「ほんと地獄でしたよ!
あの鬼スパルタ脳筋師匠ったらほんと酷いもんで…」

「分かる分かる、あの人ほんとに加減してくれないよな!」

ハリーが笑いながら共感する。

「筋トレとか重力かけてきて死ぬかと思いましたよ!」

俺も笑いながら話す。

「あははっ、全く師匠ったら」

俺とハリーはアシュー師匠のことで笑いながら家に向かった。

「ルイス着いたぞ!
ここが今の我が家だ」

着いたのはとても大きな家。
広い庭があり噴水まである。

「マリー達を驚かせてやろう」

「ただいま!」

俺は家のドアを勢いよく開けた。

「あなた、おかえ___っ…!?」

マリーが俺の姿を見て涙を流す。

「ルイスちゃんなの…?本当にルイスちゃんなの!?」

マリーが勢いよく俺に抱きつく。

「会いたかった…この1年間ずっと会いたかった…!」

「母さん…!僕も会いたかった…!」

俺は母さんを強く抱き締めた。

「母様どうした___…って、ルイス!?」

アリスが部屋から出て来て、俺の姿を見るや否やすぐに俺の近くに寄ってくる。

「ずっと待っていたのよ!遅かったじゃない!」

「母様、アリス姉様どうしたのですか?」

テリアがゆっくりとこちらを覗き込む。

「テリア、お兄ちゃんが帰ってきたぞ」

「ルイス兄様!?」

テリアも俺の姿を見てびっくりしたようだ。

「テリア、おいで!」

俺はテリアを受け止めようと両手を広げる。

「ルイス兄様!」

テリアは俺の胸に飛び込む。

「ぎゅー」

テリアが小さな手で俺を抱きしめる。

それに続き母さんや父さん、アリス姉さんまで俺を抱きしめる。

暖かい…
これが家族の温もりか…

俺は嬉しさのあまり涙が零れてしまった。

本当に会えてよかった…!



===================

これで第1章 転生編は終わりです!
ここまで読んで頂きありがとうございました!

次回、第2章 学校編スタート!

楽しみにしていてください!
これからもこの作品をよろしくお願いします!
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