無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第2章 学校編

第25話 アスタリストダンジョン

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「ここがアスタリストダンジョンか…」

「すっごい大きい扉だね!」

「…ダンジョン…すごい…」

俺たちはアスタリストダンジョンの前に到着した。

「みんな準備はいいか?」

「…大丈夫…」

「行くよー!」

アリリアがダンジョンの大きな扉を押し開ける。

中は薄暗く苔が茂っている。

「松明は私が持つね!」

アリリアが松明に火をつける。

俺が前にフォンテルダンジョンに行った時は、明かりもなしにゴリ押ししたが、パーティーがいるとすごく戦いやすいな。

「グルルルル」

ウルフが3体、奥から現れる。

「早速魔物のお出ましだ!」

「私…やる…」

「ダンテ行くよ!【速度上昇】!」

アリリアがダンテにバフをかける。

「サンキュ、アリリア!」

「…【アイスバレット】…」

シャルが杖の先から氷の塊を放つ。

「キャンッ」

アイスバレットがウルフに直撃する。

「はぁぁ!」

アリリアの支援魔法によって速度が上がったダンテが、1体のウルフを倒す。

「一体そっちいったぞ!」

最後の1匹がアリリアの方に向かってくる。

「任せて!【筋力上昇】!」

アリリアが自分に支援魔法をかける。

「せい!」

アリリアが支援魔法によって上がった筋力で短剣でウルフを刺す。

「よし、終わりだな」

このパーティーはダンテさんが前衛、シャルさんが後衛、アリリアさんが支援っといったバランスが取れているパーティーだ。

俺いらなかったんじゃないか?

俺が居なくても3人で充分戦えている。
さすがBランクパーティーだ。



その後も俺の出番は少なく、順調に進んだ。
てか、順調に進みすぎていた。

Bランクパーティー、ラビットがあまりにも優秀だったのだ。

バランスがよく連携が完璧。3人でほとんど終わらせてしまう。

そしてダンジョンも9階層まで来た。

「9階層の魔物は何が出てくる…」

ガーー

奥から金属が地面に擦れる音が響く。

「ウォォォ!」

奥から牛の巨体、そして大きな斧を持った魔物が現れる。

「…ミノタウロス…」

「ミノタウロスが9階層に!?」

ミノタウロスはAランク冒険者に匹敵する強さの魔物だ。

俺からしたらそんな強くないが、ダンテさん達からしたら強敵だろう。

ここは俺も加勢した方が良さそうだな。

「僕も加勢します!」

「動き…止める…」

「バフもりもりでいくよ!
【速度上昇】【筋力上昇】【耐久力上昇】【感覚上昇】!」

アリリアがダンテに支援魔法を沢山かける。

「さすがアリリアだな!これなら行けそうだ!」 

「…【フリーズ】…」

シャルがミノタウロスの足を凍らせ動きを止める。

それぞれが自分の役割をはっきりと理解しこなしている。

俺も負けていられない!

「はぁ!」

俺はミノタウロスの斧を持っている腕を切り落とす。

「ダンテさん!トドメを!」

「はぁぁぁ!」

アリリアの支援魔法によって速度、筋力、耐久力、感覚が上昇したダンテが、ミノタウロスにトドメを刺す。

「終わりだ!」

ミノタウロスの額に剣を突き立てる。

「ウォォォォォ!」

ミノタウロスが咆哮を上げ倒れる。

「勝った!俺たちがミノタウロスを倒したんだ!」

ダンテがはしゃいで喜ぶ。

このミノタウロスの勝利はこのパーティーを大きく成長させただろう。

「この調子でボスまで倒しちゃお___嘘…!?」

アリリアの様子が一転する。

「さすがにこれは無理だ…」

「…終わり…」

アリリアたちの目に映ったのは、ゆっりとこちらに歩み寄ってくる3体のミノタウロスだった。

恐らく先程の咆哮でおびき寄せられたのだろうか。

やっとの思いで1体を倒せたんだ。
3体も相手するのは無理だろう。

あまり活躍できていなかったし、ここは俺が受け持つことにしようかな。

「ここは僕がやります。皆さんは休んでてください」

「さすがに3体を相手するのは…」

「まぁ、見ててください」

俺はミノタウロスに歩み寄りながら、ゆっくりと剣を鞘から抜く。

さて、活躍させてもらうとしますかね!

「「「ウォォォォ!」」」

ミノタウロスが同時に向かってくる。

俺は自慢の脚力でミノタウロスの目の前に跳び込む。

「なっ!?消えた!」

ダンテさんたちが俺の姿を見つける頃には、すでに2体のミノタウロスを切り倒している。

「…見えなかった…」

残り1体!

俺はミノタウロスの頭上に跳び、落下しながら切りつける。

しかし、ミノタウロスは斧を横で持ち俺の剣を防ごうとする。

「残念だが、俺の剣は防げない」

俺は【収納】と【取り出し】を使い、剣が防がれる直前にすり抜けさせる。

そしてそのままミノタウロスを両断する。

「…すごい…」

「さすがはSランクだ」

「今すり抜けたよね!どうやったの!」

「それは…秘密でお願いします」

「え~」

アリリアが分かりやすくがっかりする。

「さっ、次の階層が最後です!早く行きましょう!」

「そうだな!」

「…ボス戦…」



そして俺たちは10階層、ボス部屋の前に到着した。

「なぁ、ルイス…ボス戦は俺たちだけで戦ってみたいんだが、いいか?」

ダンテが真面目な表情で頼んでくる。

そんな真剣に頼まれちゃ断れないよね。

「分かりました。しかし、危なくなったら僕も加勢しますね」

「ありがとう!」

この3人なら上手く戦えるだろう。
危なかったら助ければいいしね。

「開けるよ!」

アリリアがボス部屋の黒く重厚な扉を開け、俺たちは中に足を踏み入れる。

「この魔物は…!?」

巨大な体、大きな1つ目、重い棍棒。

アスタリストダンジョンのボスは___

「…サイクロプス…」


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