無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第2章 学校編

第26話 魔術の才

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アリリアがボス部屋の黒く重厚な扉を開け、俺たちは中に足を踏み入れる。

「この魔物は…!?」

巨大な体、大きな1つ目、重い棍棒。

アスタリストダンジョンのボスは___

「…サイクロプス…」

「俺たちに勝てるのか…!?」

「ルイスがいるのよ!心配せずに全力を出しましょ!」

「ああそうだな!みんな頼むぞ!」

「任せて!【速度上昇】【筋力上昇】【耐久力上昇】【感覚上昇】!」

アリリアがダンテに支援魔法をかけまくる。

「アリリア…私にも…」

「了解!【速度上昇】【感覚上昇】【魔法威力上昇】!」

アリリアがシャルにも支援魔法をかける。

支援魔法ってかなりすごい魔法だな。
速度や筋力、魔法威力まであげられるのか。

「…最初から全力…【アイスブリザード】…」

シャルが魔法を発動する。

「グゥォォォ!」

サイクロプスが氷の嵐によって包まれる。

「これでくたばってくれたら楽だったんだがな!」

ダンテがサイクロプスに接近する。

【アイスブリザード】の効果が切れ、サイクロプスが動き出す。

「…動いちゃだめ…【フリーズ】…」

シャルが氷魔法でサイクロプスの足を凍らせる。

「はぁぁぁ!」

ダンテがサイクロプスに飛びかかる。

「なっ!?」

サイクロプスの巨体からは想像できないような速度で棍棒が振られる。

「ぐぁっ!」

サイクロプスの重い一撃がダンテに直撃する。

「ダンテ!【耐久力上昇】!」

これはもう無理そうだな…

「アリリアさん」

「どうしたのルイス?」

「ダンテを安全な場所へ運んであげてください。
サイクロプスは僕が倒しちゃっていいですか?」

「ええわかったわ!」

「…ルイス…頼んだ…」

さーてと、本気出しますかね。

見たところこのサイクロプス、普通より強い気がする。

魔物の中には稀に優れた個体が生まれることがある。
それが上位個体となり優れた能力を手にする。

恐らくこのサイクロプスは上位個体だろう…

1つ試したいことがあるんだよね。

「【収納】!」

俺はサイクロプスの棍棒に向かって【収納】を使う。

さすがに…無理か…?

「グワァ!?」

サイクロプスは自身の手元にあった棍棒が消え驚いている。

成功しちゃったよ!?

さすがに成功しないだろうと思っていたら成功してしまった。

相手の武器奪えるとか、これ改めてチート能力だな。

いくら上位個体と言えども、武器を失ったらただの的だ。

「はぁぁ!」

俺は無防備になったサイクロプスを切り刻む。

「グゥォォォ!」

咆哮と共にサイクロプスが崩れ落ちていった。

《初回クリアのため、クリア報酬が与えられます。
奥の祭壇にお進み下さい》

アナウンスが流れる。

「…クリア…」

「私たちクリアしたの?」

「みたいだな…ゲホッ」

ダンテはボロボロになりながらも立ち上がる。

「ルイスがいてくれて助かった。礼を言う」

「こちらこそ一緒にダンジョンに連れて行ってくれてありがとうございます!
さっ、報酬を受け取りましょう!」

俺たちはボスの部屋の奥に進み、祭壇の前に立つ。

《クリア報酬が与えられます》

アナウンスと同時に祭壇の中央が光る。

「…眩しい…」

その眩しさに俺たちは目を隠す。

暫く光ったあと、光は収まった。

「報酬…!」

報酬は人によって違う。

ダンテさんは剣、アリリアさんは新しい魔法、シャルさんは指輪型の魔道具を貰っていた。

そして俺の報酬は神々しく輝くポーション、神の欠片だ!

ダンテさんたちに見られたら少し面倒そうだな。
早めに閉まっておくか。

俺はポーションをこっそりと亜空間に収納する。

《報酬の受け取りが完了したので帰還します》

目の前が光に包まれる。

気づけばアスタリストダンジョンの入口に戻ってきていた。

毎回この仕組みどうなってんだか。
さすがダンジョンだな。

「ダンテ!早速私の新しい魔法試していい?」

「ああ、いいぞ」

「いくよ!【再生力上昇】!」

ダンテの身体が緑の光に包まれ、傷が再生していく。

「すごいな!ありがとうアリリア!」

「どういたしまして!」

「さぁ、帰ろうか!」

「うん!」

「…眠い…」

俺たちは満足した気分でアスタリスト王国に帰って行った。



「さてと…」

あの後冒険者ギルドで3人と解散し、俺は家に帰ってきた。

「試してみるか…」

俺は亜空間からポーションを取り出しまじまじと見つめる。

「次はどんな能力が得られるのだろうか!」

俺はワクワクしながらポーションを飲み干す。

やっぱり意識は持ってかれちゃうか…



「ルイストリア様、アスタリストダンジョンをクリアしたのですね」

ネルフェが出迎えてくれる。

「今回はどんな能力を取り戻したの?」

「ルイストリア様が今回取り戻されたお力は、魔術の才です」

「魔術の才?」

「まだ完全ではありませんが、多少の魔術が使えるようになりました」

「おおお!!」

ついに俺にも魔術が!
昔から魔術を使うのに憧れていたんだよね!
魔術の才にだけは恵まれなかったからなー。

多少の魔術ってどれくらい使えるのだろうか。

「『中級魔術師 有能級』程の魔術が使えるようになったと思います」

そうだった…ネルフェは心読めるんだった。

それにしても中級魔術師か~。
アシュー師匠に鍛えられ剣術はかなり強くなった自信があるし、そこに魔術まで足されるとなると…

一体俺はどこまで強くなってしまうのだろうか。

これからの成長が楽しみだ!


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