無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第2章 学校編

第28話 入学試験(2)

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「次メリア・フォン・ユメツリオ!」

綺麗な黒髪をした美少女が前に出る。

次やる人が可哀想だ___!?

俺はその人の姿を見ると俺の脳内に衝撃が走った。

くっ!なんだこれ…!
脳が痛い…痛い…!

俺の脳内から何かが引き出されようとしている感じだ。

頭が…くっ!

俺のある記憶が蘇り、激痛と共に思い出した。

地球で死んだ日のことを…

あの日、俺は夢を見た。
変に現実味を帯びており、地球とは思えないような世界観。

そして、綺麗な黒髪で吸い込まれそうな黒い瞳を持った女性を。

これは偶然か?

転生する前に見た夢の中の女性と、今目の前にいるメリアと呼ばれる女性。
顔つきや綺麗な黒髪、吸い込まれそうな黒い瞳、関係ないとは思えない。

夢の人物と同一人物のように見える。

この感情はなんだ?

メリアを見ていると胸が高鳴る。
どことなく恵と重なる気がする。

メリアの前に鉄の鎧を装備した模型が出現する。

「はぁ!」

メリアは美しく鋭い剣筋で鎧ごと模型を両断する。

「おい嘘だろ…」

「あれ鉄だろ?木刀で鉄って切れるのかよ…」

美しい…

彼女の剣技を表すなら、その一言だけで十分だった。

「100点!」

俺はあの夢のことやメリアのことについて深く考える。

あの夢の中では確か一緒に暮らしていた。
そして怪物に襲われ、彼女は死んでしまう。
その後俺も殺された。

そういえば…俺の事をルイストリアとか言っていた気がする!

それに今思えばあの怪物はキメラだ。
人と、それ以外は得体の知れない魔物…

段々と記憶が蘇ってくる。

…!?あの時俺に運命を変えるとか言ってきた声はまさかネルフェの声か!?

もしかしてあの日見た夢はこれから起きる予知夢…
そう考えれば辻褄が合うが___

「次ルイストリア・フール!」

考えをめぐらせていると俺の順番が回ってきた。

「はい!」

俺は前に出る。

鉄の鎧を装備した模型が出現する。

一旦夢のことは後にして、どう斬ってやろうか…

俺は木刀を強く握り締め、高く構える。

「はぁぁ!」

俺の木刀は鉄の鎧をすり抜けるかのように斬りつける。

「「「………???」」」

「何が起きた?」

「空振り?」

「そんなことある?的は止まっているのに」

あれ?なんだかみんなの反応が薄いような…?

「あっ、あのー、もう一度やって大丈夫ですよ?ぷぷっ」

ん?俺今、笑われたの?
なんでみんな馬鹿にするんだよ?
めちゃくちゃ良く切れているじゃないか!
何がおかしいんだ!

「あのー、やらないのなら空振りということで0点になりますがー…」

「空振り?」

空振りってどういうことだ?
俺はちゃんと切ったぞ?

「分かっていらっしゃらないようですが、もう既に斬れてますよ」

「そんなご冗談を___」

ガタンッ

俺が鉄の鎧を装備した模型の方を指差すと、真っ二つにされた鎧がタイミングよく斜めに滑っていく。

「!?」

「何が起きた!?」

「こんな綺麗に切れることがあるなんて!?」

どうやら俺の剣筋が良すぎて、みんなには鎧がくっついたままに見えていたらしい。

「ひゃっ、100点です!」

「「「うぉぉぉ!すげー!!」」」

そうそうそう。
俺が聞きたかったのはこの歓声だ。

俺は自重する気などない。

学校で人気者になって沢山友達を作るんだ!

そして1つ目の剣術の試験は順調に終わり、2つ目の試験がやってきた。

「次の試験内容を説明する。
次の試験は模擬戦だ!」

なるほど、模擬戦か。
これは圧倒して高い点数を得るチャンスだな!

「これから試験官と戦ってもらう。ルールは耐久戦。制限時間5分を耐えられたら100点とする!」

耐久戦ときたか…
試験官を倒すのってありなのだろうか?
倒すのがありなら楽なんだけどな~。

「ないとは思うが、もしも試験官を降参させたら特例として120点とする!」

おおー!120点!
それならちゃっちゃと倒しちゃおう!

「1番最初はヨカフ・トンシー!」

ヨカフが武道場の中央に出る。

相手の試験官はかなり手練のように見える。
恐らく職が『上級剣士 屈強級』だろう。

ヨカフは先程模型をぺちゃんこにしていた。
ヨカフの職も相当強いのだろう。

「始め!」

「【ストップ】!」

ヨカフが職の能力を使う。
試験官の動きが一瞬だけ止まったが、さすがは上級剣士だ。全て的確に対処している。

「ぐあっ!」

試験官の木刀がヨカフの頭を打ち付ける。

「そこまで!記録4分11秒、80点!」

5分まではいかなかったがかなりいいタイムなのではないだろうか。

「次メリア・フォン・ユメツリオ!」

ヨカフと入れ替わりでメリアが武道場の中央に出る。

「始め!」

先程はすごく洗練された美しい剣技を見せてもらった。
実践になるとどのように化けるのか…

お手並み拝見と行こうか!



「そこまで!勝者メリア・フォン・ユメツリオ!120点!」

試験官を倒してしまった…。

始まりの合図と共に素早く試験官に詰め寄り、圧倒的な剣技で真っ向から打ち負かした。

試験官は『上級剣士 屈強級』だ。
それに勝てるということは…間違いない。

彼女の職は『剣帝 幻想級』だ…

まさか受験者の中に幻想級がいるなんて思いもしなかった。

これは学校生活が楽しくなりそうだな!
まだ受かってないけどね!


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