無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第2章 学校編

第46話 制裁

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「死ねぇ!」

ヘルウィーがボロボロになったアシューにトドメを刺そうとする。

「【ライトアロー】!」

「おっと、危ないじゃないか」

俺はヘルウィーの頭目掛けて【ライトアロー】を射ったが、ヘルウィーに軽々と防がれる。

「久しぶりですね!アシュー師匠!」

「その声は、ルイスか?」

「はい!」

「大きくなったな。それに強くなった」

「そうですかね?えへへ」

久しぶりに会ったからか、なんだか照れくさいな…

でも、この人となら負ける気はしない!
敵う相手では無いことはわかっている。

しかし、何故だろう…

心の中にこの展開を楽しんでいる自分がいる。

「ルイストリア…また俺様の邪魔をするつもりか!【ブラッドレイン】!」

空が曇り赤い雨が降り注ぐ。

「ルイス避けろ!触れたら力が抜けてしまう!」

なるほど、アシュー師匠はこの魔術にやられたのか。

アシュー師匠を追い詰めるほどの魔術だ。
俺が当たったら致命傷だな。

しかし、避けろと言われましても範囲攻撃だからなぁ。
そういえば…血液って収納できちゃったりする…?

「【収納】!」

ルイスやアシューを打ちつけるはずだった雨が突然にして消える。

「なぜ降ってこない!貴様何をした?」

「さぁね?」

しまえちゃったよ!?
魔術はさすがに無理かなーって思ってたけどいけちゃったよ!?

「もういい死ね!【カースブラッド】!」

ヘルウィーの指先から赤黒い血液が放たれる。

もしかしてさ、これも収納できちゃったり…

俺はおそるおそる手を前に構える。

「【収納】!」

【カースブラッド】が亜空間へと吸い込まれる。

…できちゃったよ…!?

まさかまさかだけどさ?
取り出せたり…

俺はもう一度手を前に構える。

「【取り出し】!」

俺の手から取り出された【カースブラッド】が放たれる。

「は?なんで貴様が【カースブラッド】を!?ちょ、まて!なっ!?」

【カースブラッド】はヘルウィーの翼へ直撃する。

しかし、何も起こらず【カースブラッド】は消えていく。

「はは、そうだ!【カースブラッド】は光あるものにしか効かない!ふぅー良かった…」

魔術をうち返せたことにびっくりしたが、効かなかったのは残念だな。

効かないとなるとどうしようか…

真っ向勝負だと相手の方が格上だ。
戦うなら魔術だろう。

しかし、あいつに届く魔術…なにかないだろうか。

「うーん…あっ!」

「どうしたルイス?なにかいい案でも思いついたか?」

「はい!取っておきの必殺技です!」

あの魔術ならヘルウィーに勝てるはずだ!

「アシュー師匠、あいつの動きを数秒止めることはできますか?」

「そうだな…3秒、3秒なら完全に止められる」

「3秒もあれば十分です!僕が合図したらお願いします!」

「いいだろう」

もしこの魔術が効かなかったら…そう考えることは無かった。

確実に効くはずだ。

「行きます!」

俺はヘルウィーに接近する。

確実に魔術を当てるなら最低でも5メートル。
1秒で距離を詰め、1秒で詠唱、ラスト1秒で魔術を放つ。

行ける!

「今です!」

「ああ!」

俺の合図でアシューがヘルウィーの周りにものすごく強い重力場を作る。

「ぐぇっ!」

ヘルウィーが地面に叩きつけられる。

「くっ」

アシューの鼻から血が垂れる。

1歩、また1歩、確実にヘルウィーとの距離が縮まる。

「これで終わりだ!」

俺が使う魔術…

俺は中級魔術師と同じレベルの魔術しか使えない。
しかし、俺だけにしか使えない魔術がある。

その魔術は___

「神固有魔術【神の制裁】!」

ヘルウィーの背に神々しく輝く十字架が現れる。

「なんだ!?ぐへっ!」

ヘルウィーは十字架に手足を縛られ拘束される。

そして目の前に天秤が現れる。
片方のお皿は白く、もう片方のお皿は黒い。

ギチギチギチギチ

天秤は音を立てながら傾いていく。

黒い方へと…

「これが【神の制裁】…」

効果は今持っている全魔力を使用し、相手の罪を天秤にかける。
そして罪が重いほど黒いお皿が傾き、善良な行いをしていれば白い方へと傾く。

黒い方へ傾いた際、罪が重ければ重いほど魔術の威力が上がり、対象に光属性の制裁が下される。

「何だこの魔法は!?初めて見たぞ!?」

ヘルウィーが拘束から逃れようともがく。

ギチギチギチギチ

その間にも天秤は音を立てて黒い方へ傾く。

カタンッ

天秤の黒いお皿が底に着く。

「おい!やめろ!俺様に何をするんだ!」

天秤の動きが止まった。

どうやらあいつの罪は、この天秤じゃ測れないほどだったんだな。

天秤が光りに包まれ姿を消す。

「制裁が始まるみたいだ…」

「制裁…だと!?ふざけたことを言う___な!?」

突如、ヘルウィー頭上にとてつもなく眩しい光が出現する。
光は太陽の明るさを軽々と超える。

「………」

ヘルウィーは無言でただ空を眺めているだけだった。

次第にその光は近づき、まるでヘルウィーに向かっているようだった。

「やめろ!はなせ!やめろ!」

ヘルウィーは自分に向かっていることを分かったのか、もがき苦しむ。

光はやがてヘルウィーの身体を一直線に貫く。

「うぁぁぁぁ!!」


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