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第2章 学校編
第47話 決着
しおりを挟む「制裁が始まるみたいだ…」
「制裁…だと!?ふざけたことを言う___な!?」
突如、ヘルウィー頭上にとてつもなく眩しい光が出現する。
光は太陽の明るさを軽々と超える。
「………」
ヘルウィーは無言でただ空を眺めているだけだった。
次第にその光は近づき、まるでヘルウィーに向かっているようだった。
「やめろ!はなせ!やめろ!」
ヘルウィーは自分に向かっていることを分かったのか、もがき苦しむ。
光はやがてヘルウィーの身体を一直線に貫く。
「うぁぁぁぁ!!」
しばらく経つと光は収まった。
しかし、ヘルウィーの姿はどこにもいなかった。
「終わった…」
神固有魔術がなければどうなっていただろうか…
想像したくないほどだ。
「アシュー師匠無事…」
俺はアシューの方へ振り返る。
そこには血を吐いて倒れているアシューの姿があった。
「アシュー師匠!?大丈夫ですか!」
俺はすぐさまアシュー師匠の元に駆け寄る。
「はぁ、はぁ、少し…無理してしまったみたいだ」
「すぐ治療できる人の元に連れていきます!」
俺はアシュー師匠を担ぎ、冒険者ギルドへ向かう。
アシュー師匠の身体が熱い。
恐らく無理して能力を使ったからだろう。
急いで治療しなければ!
アシュー師匠に負担がかからないように慎重にかつ迅速に冒険者ギルドへ向かった。
冒険者ギルドに着き、俺は急ぎで冒険者ギルドの扉を開ける。
「すみません!誰か治療できる人はいませんか!」
俺は冒険者達に向かって叫ぶ。
「わっ、私、治療できます!」
白いローブを来た女性が手を挙げる。
「お願いします!」
「はい!」
女性はアシューの横でしゃがみ、手をかざす
「【ハイヒール】!」
アシューの体が緑色の光に包まれる。
「うっ…」
アシューが目を覚ます。
「アシュー師匠!」
「ははっ、戦いは終わったんだ…」
アシューがほっとしたように呟く。
「終わった…?まさかあの悪魔を倒したのか!?」
「本当か!?俺たちは勝ったんだ…!」
「さすがSランク冒険者のルイストリア・フールだぜ!」
アシューの呟きに周りの冒険者が反応し、歓喜する。
「なぁ、あの人って元Sランク冒険者のアシューラント・ハムギルじゃないか!?」
「え!?あの追放されたって噂の!?」
「間違いねぇよ、俺は見たことがあるんだ」
冒険者達の視線がアシューへ集中する。
ドンッ!
静まり返っている中、冒険者ギルドの扉が強く開けられる。
「皆!戦えるものは私に続け!あの悪魔を討伐する!」
中に入ってきたのはやる気満々の騎士団長、ケインさんだった。
「「「………」」」
冒険者達はケインの言葉に唖然とする。
「あ、あのー、ケイン様…」
受付嬢が言いづらそうに話を切り出す。
「あの悪魔は、こちらにいる2人が討伐されたらしいですよ…」
「…え?」
ケインがゆっくりとこちらを見る。
「ルイスと…アシューか?
はーはっはっはっは!なるほど!君達ならやってくれると思ってたぞ!」
ケインが爆笑しながら近寄ってくる。
「よし!国を挙げて、君達や今回の事件で活躍したものを称えよう!
このことは私から国王様に伝えておく!
後日手紙が来るから楽しみにしているんだな!
あーはっはっはっは」
ケインは笑いながら冒険者ギルドを去っていった。
全く、色々と面倒そうなことを置いていきやがって…
国を挙げて称える?
別に国を救った自覚はないんだけどなー。
「この国の英雄の誕生だ!」
「今日はいっぱい飲むぞー!」
「ほらほら!お前も飲めよ!」
モヒカンの冒険者が俺の手にコップを渡してくる。
「あっ、でも俺は___」
俺はただメリアの為にやっただけだ…そう言おうとしたが、この人達の笑顔を見ていると、俺がやった事は街を救ったことなのだと改めて実感が湧いた。
「よーし!今日は飲むぞー!」
俺はコップを掲げる。
「酒をくれ酒を!」
俺は乗り気で注文をする。
「いでっ!」
いつの間にか俺の後ろにいた女性が、俺の頭をチョップする。
「貴方はまだ子供だからお酒はだめです」
俺その声に振り返る。
「ノアさん!?」
「全く、貴方にはやるべきことがまだ残っているでしょうに」
ノアが呆れた様子で腰に手を当てる。
「先程、剣魔術教育学校から連絡が来たのよ。正確に言うとラビットからね。
内容は、無事なら早く学校に帰ってきて欲しいとの事だわ」
そうだった!
色々と起きて忘れてたけど、一応授業中だったんだっけ?
それにラビットのみんなやメリア達の安全も確認したいし!
「僕はもう学校に帰りますね!
アシュー師匠はゆっくりしていってください!
それじゃさよなら!」
俺は駆け足で冒険者ギルドを飛び出した。
「ルイス!無事だったか!」
学校の校門にはダンテさんが待っていた。
「皆は無事ですか?」
「皆直ぐに避難させたから無事だぜ。
メリアちゃん達も活躍してくれたからな!」
良かった…
生徒たちには被害は出ていないようだな。
ただ1人を覗いて…
「皆待っているし、教室に戻ろう!」
俺はダンテに連れられ教室に戻る。
「ルイス!」
「おわっ!メリア!?」
俺の姿を見たメリアが勢いよく抱きついてくる。
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