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第2章 学校編
第48話 特別優遇生
しおりを挟む「皆待っているし、教室に戻ろう!」
俺はダンテに連れられ教室に戻る。
「ルイス!」
「おわっ!メリア!?」
俺の姿を見たメリアが勢いよく抱きついてくる。
メ、メ、メ、メ、メリアさん!?
俺の心臓が暴れ始めている。
いい匂い…じゃなくて!
これはどーゆー状況だ!?
「ルイス、メリアはすっごく心配してたんだよ」
アートが優しい笑顔で近づく。
「みんな心配してた…」
シシーも心配そうに近づく。
俺は皆に心配されてたみたいだな。
そりゃあんな奴と戦ったんだ…心配になるよな。
俺は抱きついているメリアの頭にそっと手を置く。
「よし、よし、もう大丈夫だよ」
なんだか懐かしいな。
昔、恵にもこうしたことがあったんだっけか。
◆◆◆
「うわぁーん、れいじぃぃぃ」
「そう泣くなって。いつかは訪れることなんだから…」
高1の冬、恵の祖父が亡くなった。
俺は会ったことは無かったが、優しくて頼りになる人だったようだ。
恵のことも溺愛してたらしい。
「おじいちゃんが………」
「ほらおいで」
俺は泣いている恵を見て何を思ったのか、無意識に手を広げて構える。
俺今何をしてるんだ!?
こんなのきもすぎだよな!?
「れいじ…?」
恵は俺の行動に不思議そうに首を傾げる。
「あっ、いや、えとー、今のは冗談で…あはは」
俺は上手く誤魔化し手を閉じようとした時___
バサッ
「え…?」
「少しだけ…」
恵が俺の胸に飛び込み、優しく身体を包む。
俺は思わず恵の頭に手を置く。
「よし、よし、もう大丈夫だ。
気が済むまでこうしてていいからな」
「…安心する」
それからしばらくその状態が続いた。
◆◆◆
「よし、よし、もう大丈夫だよ」
メリアが少しだけ顔を上げる。
「…安心した」
メリアが安心したようで良かった。
「えと、それでなんだけどね。みんなが見てるからそろそろ…」
メリアは俺の言葉にゆっくりと皆の方へ視線を向ける。
クラス中が俺とメリアのやり取りに釘付けになっている。
「わわわわっ、ごめん…!」
メリアが顔を赤くして慌てて離れる。
「はいはーい!みんな席に着いてねー!」
頃合を見てアリリアが生徒達を席につかせる。
「まずは、今日の授業お疲れ様!
みんなよく無事でした!拍手!」
アリリアに続きクラスのみんなか拍手をする。
「明日のことなんだけど、明日は学校は休みです!
それと、ルイス、メリア、アート、シシー、アオの5人はこの後校長室まで来るように!
以上、解散!」
生徒達が次々と帰っていく。
指名居残り?
もしかして説教される!?
俺悪魔を倒したんだよ?説教されちゃうの…?
俺達5人は恐る恐る校長室へと向かう。
その間は俺以外の3人、メリア、アート、シシーがアオを睨みつけていた。
まぁアオから事情を聞いたのは俺だけだし、3人がよく思わないのも仕方がない。
その後はしっかりアオの事情を説明したらわかって貰えた。
それにしても校長先生からの呼び出しだなんてなんのことだろうか。
コンコンコンッ
校長室の扉をノックする。
「入って良いぞ」
中から校長先生と思われる声がする。
俺は恐る恐る扉を開け、中に入る。
「君達には話があって呼び出したのじゃ。
この学校の特別優遇生制度については知っておるかのう?」
特別優遇生制裁?
初めて聞いたな。
「特別優遇生制度とは、この学校で素晴らしい成績を残し、学校から学ぶことが無くなった生徒に与えられる制度ですよね」
校長の質問にアートが答える。
さすがアート、物知りだな。
「その通りじゃ。
ワシがなぜこの話をお主たちにしたか分かるかのう?」
「もしかして…」
「その通りじゃ。
お主ら5人を特別優遇生としてこの学校は認るのじゃ!」
「「「特別優遇生!?!?!?」」」
これは驚いた。
まさか特別優遇生になれるなんてな。
「特別優遇生になると、好きな時にだけこの学校に通えば良い。それでもって通わなくてもしっかりと卒業することが出来るのじゃよ」
すごく魅力的だ。
俺はいずれ他の国のダンジョン全てを攻略するつもりだったしな。
その期間が早まっただけだ。
それから俺たちは特別優遇生の証として特殊な学生バッジを貰った。
学校に通わなくていいなんて夢みたいだ。
後日…
「ルイストリア・フール殿はいらっしゃいますでしょうか!」
朝からいきなり俺の家に騎士が押しかけてきた。
父さんは朝早く家を出てしまってるため不在だ。
「はい。僕がルイストリアですが…」
「貴殿がかの英雄ルイストリア殿でありますか!
此度は国を救って頂き誠に感謝致します!」
騎士は深々と頭を下げる。
「それでなんですが、その件について国王陛下がお会いしたいとのことです。
これから王城へご同行願えないでしょうか?」
そうだった…
まだ面倒事が残っていたんだった…
悪魔を倒した件らしいから悪いことはないだろう。
この国の国王に会えるなら尚更だ。
「分かりました!直ぐに準備してまいります」
俺はすぐに支度を終え、騎士の用意した馬車に乗って王城へ向かった。
「ルイストリア・フール殿をお連れ致しました!」
王城の謁見の間の大きな扉が開かれる。
中央には黄金の椅子に腰掛けている中年の男性がいた。
この人がこの国の王…
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