無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第3章 世界編

第96話 武術大会(6)

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「あちゃー、やっぱりダメだったかー…」

観客席で見ていたマロンが頭を抱える。

戦闘に特化させすぎて知能を削ったのが間違いだったのかな?
ルールもあんまり理解していなかったみたいだしっ。

それにあの短剣って僕が護身用に持たせた遅延毒の短剣だよね?

それじゃああの子はもう助からないかー。
生きていればいい実験材料になったと思ったのになっ。

でも、後ろに目をつけるのは正解だったみたいだねっ!

ピントを合わせるのに苦労していたけど、2回目はうまく見えたみたいだっ。

ザークドロップスを使った感じとか他にも色々試したいことあったんだけどなっ。
まぁ、初挑戦にしてみては上出来な方かなっ?

「やることなくなっちゃったしかーえろっ!」

マロンは次の実験のことを考えながら、呑気に闘技場を去っていった。



◆◆◆



「第1回戦8試合目、ルイス選手とニンジョリ選手は試合会場までお越しくださいにゃ!」

「おっ、やっと呼ばれた」

前の試合はかなり時間がかかっていたみたいだけど、メリアがそんなに苦戦したのかな?

メリアと互角にやり合えるほど025は強かったのか?

どっちが勝ったのか楽しみだが、メリアが勝っていると信じたいな。

「ついに俺の出番が来たってばよ!」

ニンジョリらしき人物が闘技場へ向かって行き、俺もその後ろを着いて行った。

この人の服装この世界ではなかなか見かけない感じだな?
黒の和服みたいな素材に額に鉄のプレート。
前世で言う忍者ってやつか?

どんな技を使ってくるのか楽しみだな!
まぁ、だいたい予想は出来そうだけど…

「それでは第1回戦8試合目、ルイス選手対ニンジョリ選手…」

俺とニンジョリが審判を挟んで向かい合う。

「俺は子供にも平等に接する。
この大会に出場するってことはそれなりに実力があるんだろ?
俺の期待に応えてくれたらうれしいってばよ!」

「まだ子供だと思われていたのは残念ですが、期待に応えることは出来ると思いますよ。
なんなら何も分からないで終わってしまうかも」

「そうか!それは楽しみだってばよ!」

話した感じ優しそうな人だな。
でも、俺は手加減なんてするつもりは無いから、最初から全力でいかせてもらうつもりだ。

この人には悪いけど、必ず優勝しなければならない理由があるからね。

「…始め!」

開始の合図と共に審判が手を下ろす。

「【影分身の術】!」

術を唱えたニンジョリの身体が5人に分裂する。

「やっぱりそう来たか…」

どれも本物に見える…
でもそんなの関係ないよね!

「【多重詠唱】【ファイアランス】×10」

「「「はぁ!?」」」

俺の唱えた【ファイアランス】は1人に2本ずつ飛んでいく。

「「「そんなのあり___」」」

【ファイアランス】が命中したニンジョリは、煙となって消えていく。

「___かよ…」

会場に残ったのは1人のニンジョリ。

「本物がわかったね」

「わかったところでどうしたって言うんだってばよ!こっからが本番だっ___」

「___【転移】!」

俺は隙をついて【転移】を唱える。

「消えた!?どこにいっ___」

「___後ろだよ」

「なにっ!?」

ニンジョリの服を掴み、強く握る。

「ちょわっ!待てってばよ!?」

「いってらっしゃい!」

「うわぁぁ!」

俺は勢いをつけてニンジョリを場外へ投げ飛ばした。

「第1回戦8試合目、ニンジョリ選手が場外に出たため負けとなります!よって勝者ルイス選手!」

「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」

「なんだ今の技!?」

「ありゃ優勝候補に間違いねぇな」

「いや、俺は1番最初の人族の女が優勝だと思うぜ!」

「確かにあの人も強かったな!」

第1回戦の全ての試合が終わり、観客席では優勝者の予想で盛り上がっていた。

「ここが2回戦の待機場所か…」

俺は期待を込めて扉を開く。

「おっ、やっと来たぜ」

「遅かったな」

「どっかの試合が苦戦したのかな」

「みんな!」

ヘルバー、アシュー、アートの3人が出迎えてくれる。

「あれ?メリアは?」

「それがまだ来てないんだよね」

「ルイスより前に来るはずだが、アートの後は誰も来ていないぜ」

「私も最初から居たが見かけなかったな」

「それじゃあメリアは…」

俺は周りを見渡す。
メリアの対戦相手であった025は見つからない。

メリアが負けた訳では無いのか?
何か問題が起こったってことか?

俺は予言書の内容を思い出した。

予言書には確か025に気をつけろと書かれていた。
もしかしてメリアは…025に…

「メリアが危ない!」

俺は勢いよく待機場所から飛び出す。

「あっ、ルイス!」

「急に飛び出してどうしたんだ?」

「何か嫌な予感がするな…私も着いて___」

「第2回戦第1試合目、アシュー選手とジマロ選手は会場へお越しくださいにゃ!」

アシューがついて行こうとした時、呼び出しのアナウンスが流れる。

「…私は試合に行ってくる。ルイスを頼むぞ」

「わかったぜ!」



俺は必死に走る。

「お願いだ…!無事でいてくれ!メリア!」


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