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最終章 デスティザーク編
第125話 平和
しおりを挟む俺たちは最強の魔物と言われるマナヒュドラを討伐し、特別報酬の『伝説の薬』を使ってメリアを生き返らせることに成功した。
「ほんとにマナヒュドラを倒せてよかったよ!ありがとねルイス!」
「俺もアートがいなければギリギリだったな」
「僕はそんなに活躍してないよ。
ほとんどルイス1人で倒してたじゃん」
「…さすがルイス…」
「そんなすごい魔物と戦ったの!?
私も戦いたかったなー!」
俺たちはゆっくりと談笑しながらユメツリオ王国へ帰還した。
やっぱりメリアがいると賑やかで楽しいな。
「あっ!門が見えてきたよ!」
「ユメツリオ王国に帰ってくるのは久しぶりだわ!」
故郷に帰れるのは羨ましいな
ここ数年フォンテル王国には一切行ってないが、今はどうなってるんだろうか…
まぁ俺は追い出されたわけだし、行きたいとも思わないけどな。
「身分証の提示をお願いします」
「はい!」
「…ん…」
「たしかここにあったと思う」
「【取り出し】」
俺たちは身分証として冒険者カードを提示する。
「確認できました。中に入って___」
「___あーー!!」
メリアが突然、大声を出し門番の手元を指差した。
「みんないつの間にかAランクになってる!?」
「へへっ!いいでしょ!」
「更新したのはつい最近だよ」
「私も頑張るわ!」
メリアならもうSランクくらいの実力はありそうだけど…
みんなに追いつかれないように、俺も頑張らないとな。
「一応全世界を回るっていう旅の目的を果たしたわけだが、この後はどうする?」
「僕はお母さんに会いたいから、アスタリスト王国に帰るよ!」
「…私も家族に会いたい…」
「僕も久しぶりに家に帰ろうかな。家族も心配しているだろうし」
「じゃあ俺が【転移】で送っていくよ」
「大丈夫だよ!ルイスは休んで!」
「アオの言う通りルイスには休んで欲しい。
アスタリスト王国やフォンテル王国はここからそう遠くは無いからね」
「…私達だけでも大丈夫…」
「わかった。気をつけてくれ」
やっぱりみんな家族が恋しかったりするんだろうな。
俺も父さんや母さん達に会いたい気持ちはあるが、それよりも今はメリアの傍に居たい…
俺は隣にいるメリアに視線を向ける。
「私はここが家だもの!この後はお城に戻るつもりよ!」
「一旦このパーティーは解散になるのか…」
「そう心配しないでちょうだい!
私達はバラバラになっても仲間よ!」
「メリアの言う通りだよ」
「…ずっと仲間…」
「離れていても心は通じてるからね!」
「みんなの言う通りだな…俺たちは仲間だ!」
「じゃあまたいつか会おうね!」
「ああ…またいつか!」
こうして世界を旅し終えた俺たちは、この日をもって解散した。
◆◆◆
「ついにぃ神の力を手に入れられるぜぇ」
「準備が整ったのでございますね」
「僕も準備できたよっ」
ユメツリオ王国王国付近の拠点にて…
「ひゃっひゃっひゃっ、早くこの力を試したいなぁ」
「私もこの腕が疼いております…」
「僕も特性の薬を作ったんだっ」
「時は満ちたぁなぁ…ユメツリオ王国にぃ侵略開始だぁ」
◆◆◆
アート達と別れた後、俺とメリアは2人で街を歩いていた。
「ルイスはこの後どうするの?」
「マナヒュドラ戦でかなり力を消耗したからな。今日はゆっくり休むつもりだ」
「だったらさ!うちで休みなよ!」
「それはありがた___」
待てよ…?
メリアの家…女の子の部屋…!!
これは、女の子の家で女の子とお泊まりするという全男子が憧れるシチュエーションなのでは…!?
同じ部屋で寝て、メリアといい雰囲気になって……
「___是非!」
女子とお泊まりなんて初めてだな!
すごく楽しみだ!
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