8 / 12
本編
エピローグ 溺愛は続く
ある日、ダーナラ公爵家の王都の屋敷にて。
ヘレーナはエリオットの幼馴染であるリネーアからお茶会に招待されていた。
そして、そのお茶会には当然のようにエリオットも参加している。
「はい、ヘレーナ、このクッキー美味しいよ。口を開けて」
甘い表情でそう迫るエリオット。
当然ながら、ヘレーナはエリオットの膝に乗せられている。
エリオットはヘレーナにクッキーを食べさせようとしていた。
「あの、エリオット様……恥ずかしいです。他の方々が見ておられますわ」
ヘレーナは頬を赤く染め、困ったように微笑む。
「じゃあ他の人が見ていなかったら良いってことだね」
エリオットは悪戯っぽく口角を上げる。
「リネーア嬢、二人きりになれる休憩室はあるかな?」
「ええ。今案内させるわ。紅茶とお菓子も休憩室に用意するわね」
リネーアは苦笑しながら手配する。
「あの、リネーア様。ご用意なさらなくて構いませんわ。むしろエリオット様を止めてください。他の方々の前で色々と恥ずかしいのに……」
ヘレーナはリネーアに抗議する。しかし、リネーアは困ったように肩をすくめるだけである。
「ヘレーナ様、どうか諦めてください。エリオット様は貴女のことになると手段を選びませんのよ。ヘレーナ様の元婚約者とその浮気相手、それからヘレーナ様を嘲笑するような方々がどうなったのか、貴女もご存知でしょう」
そう言われると、何も言えなくなるヘレーナ。
「以前申し上げた通り、エリオット様はヘレーナ様次第なのでございます。どうかよろしくお願いしますね、ヘレーナ様」
リネーアにそう見送られ、エリオットと二人きりになってしまうヘレーナであった。
「ようやく二人きりだ。ここならもう良いよね?」
エリオットのムーンストーンの目は甘くねっとりとヘレーナを見つめていた。
ヘレーナは諦めて苦笑する。
「仕方ありませんわね」
すると、エリオットの表情がパアッと明るくなる。
「さあ、ヘレーナ、口を開けて」
言われるがまま口を開けると、クッキーを食べさせられた。
サクサクとして、濃厚な甘さがヘレーナの口の中に広がる。この甘さは絶対にクッキーの甘さだけではない気がした。
ヘレーナはこの日もエリオットに過剰な程に溺愛されるのであった。
ヘレーナはエリオットの幼馴染であるリネーアからお茶会に招待されていた。
そして、そのお茶会には当然のようにエリオットも参加している。
「はい、ヘレーナ、このクッキー美味しいよ。口を開けて」
甘い表情でそう迫るエリオット。
当然ながら、ヘレーナはエリオットの膝に乗せられている。
エリオットはヘレーナにクッキーを食べさせようとしていた。
「あの、エリオット様……恥ずかしいです。他の方々が見ておられますわ」
ヘレーナは頬を赤く染め、困ったように微笑む。
「じゃあ他の人が見ていなかったら良いってことだね」
エリオットは悪戯っぽく口角を上げる。
「リネーア嬢、二人きりになれる休憩室はあるかな?」
「ええ。今案内させるわ。紅茶とお菓子も休憩室に用意するわね」
リネーアは苦笑しながら手配する。
「あの、リネーア様。ご用意なさらなくて構いませんわ。むしろエリオット様を止めてください。他の方々の前で色々と恥ずかしいのに……」
ヘレーナはリネーアに抗議する。しかし、リネーアは困ったように肩をすくめるだけである。
「ヘレーナ様、どうか諦めてください。エリオット様は貴女のことになると手段を選びませんのよ。ヘレーナ様の元婚約者とその浮気相手、それからヘレーナ様を嘲笑するような方々がどうなったのか、貴女もご存知でしょう」
そう言われると、何も言えなくなるヘレーナ。
「以前申し上げた通り、エリオット様はヘレーナ様次第なのでございます。どうかよろしくお願いしますね、ヘレーナ様」
リネーアにそう見送られ、エリオットと二人きりになってしまうヘレーナであった。
「ようやく二人きりだ。ここならもう良いよね?」
エリオットのムーンストーンの目は甘くねっとりとヘレーナを見つめていた。
ヘレーナは諦めて苦笑する。
「仕方ありませんわね」
すると、エリオットの表情がパアッと明るくなる。
「さあ、ヘレーナ、口を開けて」
言われるがまま口を開けると、クッキーを食べさせられた。
サクサクとして、濃厚な甘さがヘレーナの口の中に広がる。この甘さは絶対にクッキーの甘さだけではない気がした。
ヘレーナはこの日もエリオットに過剰な程に溺愛されるのであった。
あなたにおすすめの小説
5年経っても軽率に故郷に戻っては駄目!
158
恋愛
伯爵令嬢であるオリビアは、この世界が前世でやった乙女ゲームの世界であることに気づく。このまま学園に入学してしまうと、死亡エンドの可能性があるため学園に入学する前に家出することにした。婚約者もさらっとスルーして、早や5年。結局誰ルートを主人公は選んだのかしらと軽率にも故郷に舞い戻ってしまい・・・
2話完結を目指してます!
彼はヒロインを選んだ——けれど最後に“愛した”のは私だった
みゅー
恋愛
前世の記憶を思い出した瞬間、悟った。
この世界では、彼は“ヒロイン”を選ぶ――わたくしではない。
けれど、運命になんて屈しない。
“選ばれなかった令嬢”として終わるくらいなら、強く生きてみせる。
……そう決めたのに。
彼が初めて追いかけてきた——「行かないでくれ!」
涙で結ばれる、運命を越えた恋の物語。
【完結】「元カノが忘れられないんでしょう?」と身を引いた瞬間、爽やか彼氏の執着スイッチが入りました
恋せよ恋
恋愛
「元カノが忘れられないなら、私が身を引くわくべきよね」
交際一周年、愛するザックに告げた決別の言葉。
でも、彼は悲しむどころか、見たこともない
暗い瞳で私を追い詰めた。
「僕を捨てる? 逃げられると思っているの、アン」
私の知る爽やかな王子の仮面が剥がれ落ち、
隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
世継ぎは他の妃が産めばいい——子を産めない私ですが、帝の寵愛を独占して皇后になりました
由香
恋愛
後宮に入る女の価値は、ただ一つ。
——皇子を産めるかどうか。
けれど私は、産めない。
ならば——
「世継ぎは他の妃に任せます。私は、陛下に愛される女になります」
そう言い放ったその日から、すべてが狂い始めた。
毒を盛られても、捨てられず。
皇子が生まれても、選ばれたのは私だった。
「お前は、ここにいろ」
これは、子を産めない女が
ただ一つの武器“寵愛”だけで頂点に立つ物語。
そして——
その寵愛は、やがて狂気に変わる。
【完結済】政略結婚予定の婚約者同士である私たちの間に、愛なんてあるはずがありません!……よね?
鳴宮野々花
恋愛
「どうせ互いに望まぬ政略結婚だ。結婚までは好きな男のことを自由に想い続けていればいい」「……あらそう。分かったわ」婚約が決まって以来初めて会った王立学園の入学式の日、私グレース・エイヴリー侯爵令嬢の婚約者となったレイモンド・ベイツ公爵令息は軽く笑ってあっさりとそう言った。仲良くやっていきたい気持ちはあったけど、なぜだか私は昔からレイモンドには嫌われていた。
そっちがそのつもりならまぁ仕方ない、と割り切る私。だけど学園生活を過ごすうちに少しずつ二人の関係が変わりはじめ……
※※ファンタジーなご都合主義の世界観でお送りする学園もののお話です。史実に照らし合わせたりすると「??」となりますので、どうぞ広い心でお読みくださいませ。
※※大したざまぁはない予定です。気持ちがすれ違ってしまっている二人のラブストーリーです。
※この作品は小説家になろうにも投稿しています。
兄妹じゃないとわかったのでお兄様と結婚したら、全部仕込みでした
こじまき
恋愛
【20260401読みやすいように話を分割しました】
伯爵令嬢ヘイゼルは、兄アリステアに恋をしている。叶わないと知りながら、それでも諦めきれなかった。
しかし子ども時代の「取り違え」が発覚し、子爵令嬢ロレッタとして“正しい場所”で生き直すことに。
そして妹ではなくなった彼女に、アリステアは求婚する。
運命のねじれは正されて、望んだとおりに最愛の人と結ばれた――
けれど――その「正しい運命」は、兄アリステアによって用意されたものだった――
※「小説家になろう」にも投稿しています。
わんこ系婚約者の大誤算
甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。
そんなある日…
「婚約破棄して他の男と婚約!?」
そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。
その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。
小型犬から猛犬へ矯正完了!?
【完結】小さなマリーは僕の物
miniko
恋愛
マリーは小柄で胸元も寂しい自分の容姿にコンプレックスを抱いていた。
彼女の子供の頃からの婚約者は、容姿端麗、性格も良く、とても大事にしてくれる完璧な人。
しかし、周囲からの圧力もあり、自分は彼に不釣り合いだと感じて、婚約解消を目指す。
※マリー視点とアラン視点、同じ内容を交互に書く予定です。(最終話はマリー視点のみ)