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15章 夫の安否
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「これで全部か? 呆気なさ過ぎて拍子抜けするな」
集めたドラッヘの民は信じられない程にあっさりと掴まった。そもそも進路変更して領地に着いた時には、すでに残していた兵達でほとんどの敵兵を捕らえている状況だった。
「おい、お前達を先導した者は誰だ? この中にいるのか?」
しかし返事はない。三十は超える敵兵をずっと草原に集めておける訳もなく、仕方なく城の地下牢に連れて行こうとした時だった。どこからともなく風を斬る音がする。そしてタイストはそのまま地面に倒れた。
✳✳✳✳✳
「奥様大丈夫か? って、大丈夫じゃなさそうだな」
ヴァイノの言う近道は本当に近道だった。馬車で掛かる時間の三分の一で来れたといっても過言ではない。しかし、道というにはあまりにも過酷なものだった。
「まああの道は俺とこいつじゃないと通れないけどな。まあよく弱音を吐かずにいたよ。偉い偉い」
そう言いながら笑っているヴァイノを少し恨めしい気持ちで見ながら、震える手で虫籠の中をお覗き込んだ。休憩の時は外に離したが、出発を告げるとすぐに走って戻ってくる姿を見ていると、その賢さに本当に竜の血を継いでいると思える程だった。しかし呼んだ時が丁度餌を食べている最中だった時には、おぞましい惨状になった虫を咥えながら走って来られ逃げ回ってしまった。
「ブルー、ようやく旦那様のいらっしゃるお城に着いたわよ」
そしてヨロヨロと歩きながら門へと続く階段を歩き始めた。
「地面が波打っているみたい。足が上手く動かせないわ」
「プッ、まあ、そうなるよな。ブハッ」
笑いを堪らえようともしないヴァイノを抜かそうとして足元がよろけてしまう。それでもヴァイノの手は借りずにスルスルと先を進んで行ってしまうブルーフェアリーの後を追った。
「ヴァイノ!? すぐに来てくれ! タイスト様が大変なんだ!」
頭が真っ白になりヴァイノと共に兵士に連れて行かれるまま走り出した。
「大変ってどういう事なの? キュトラの軍は最強なのよね!?」
陽気だったヴァイノも息を詰まらせ不安が募っていく。急いで向かいたい、でも何があったのかを見るのが怖い。自然に滲んでいく視界を擦りながら懸命に走った。
「旦那様は簡易的な治療場所として借りた孤児院にいるんだ。他の怪我人も居てりかなり殺伐としているが、それでその、そちらの女性も中に入るのか?」
「この方はタイスト様の奥様だ」
「し、失礼致しましたッ! それでは中にどうぞ」
街の外れにある孤児院の周囲はぐるりと木の柵で覆われている。そしてすでに孤児院の中から声が漏れてきていた。
孤児院の中は連れてきてくれた兵士が言う通り、混乱していた。血の滲んだ包帯が目に入りとっさに視線を逸してしまう。そして呻いている者の間を治療している者達が踏まないように行き交っていた。
「旦那様はどこにいらっしゃるの!?」
「あちらです、ほら、あそこですよ」
兵士は土の付いた指でずっと先を指差した。並んで寝かされている兵士達の奥に見えたのは、壁にもたれたまま動かないタイストの姿だった。すでに治療は終わっているようで、左腕が包帯でぐるぐる巻きになっていた。
「旦那様! ご無事でしたか!?」
駆け寄ると閉じていた目が薄く開いた。
「お怪我はどの程度なのですか? お辛くはないですか!?」
タイストは開いていた目をそっと閉じた。そして一筋の涙が流れていく。イレネはとっさにその頬に手を当てた。
「と、どうしましょう! ヴァイノ、すぐにお医者様を連れて来て!」
「いや、でも元気そうだけど……」
「旦那様! 目を覚まして下さい! 旦那様がいなくなったら私、私」
「生きてはいけない?」
「生きていけませんッ!」
「そんなに悲しいんですか?」
「悲しいです! ……え?」
今度こそタイストはしっかりと目を開けていた。
「お怪我はそんなに酷いんですか?」
タイストは苦しそうに顔を歪めると、唇を噛み締めて言った。
「ハンカチが……」
「ハンカチがどうしたんです?」
「ハンカチが……、クソッ」
初めて聞いたタイストの悪態に不安が広がっていく。
「ハンカチがどうしたんですか!」
「矢が刺さった時に血が付いた上に破られてしまったんですッ」
そう言ってプルプルとした手で握り締めていたのは、蜥蜴の刺繍が施されたハンカチだった。
「匂いって、もしかして」
「そうです。イレネの愛……」
「旦那様! 止めて下さい!」
とっさにタイストの口を手で塞いだ。
「幾らなんでもそんなに匂いません! それに不衛生ですからいい加減洗って下さい!」
「ふ、ぐ、ご」
「なんです? ちゃんと仰って……」
そこで口を手で押さえていた事に気が付き、とっさに手を離した。タイストは乱れた呼吸で血の付いたハンカチと口元に持っていくと深呼吸をした。すると乱れた呼吸が穏やかになっていく。呆れたように見下ろしておると、ハンカチ越しに残念そうな目と目が合った。
「……もういいです。分かりました」
「え? 何がです?」
「もうハンカチは持っていていいと言っているんです!」
「妻が尊すぎます!」
急に背を浮かせたタイストに力一杯抱き締められそうになり、全力でその胸を押さえた。
「どうしてですか……」
「誤解しないで下さい! ほら、ここを覗いてみて下さい」
悲しそうな表情のままイレネが差し出した虫籠を覗いた。
「ブルー! お前も来たのか!」
「ブルーもとても心配していたんですよ。ねぇブルー」
宝石のように美しい眼がタイストを捉えている。しかし知らない場所だと分かるのか、それとも騒がしさのせいか、ブルーフェアリーは固まっていた。
「ありがとう、ブルー。後で沢山ご飯を用意してやるからな」
一瞬、ブルーフェアリーの食事風景を思い出してしまったが、二人の再会の為にぐっと堪えた。
「ところで本当にハンカチを持ったままでいいんですか? 返さなくていいんですね!?」
「いいですよ。そもそも返した事なんてないじゃないですか。でも今度こそちゃんと洗って下さい!」
するとタイストはあからさまに嫌そうな顔をしてハンカチをそっと引いた。
「洗って下さい! そんなに汚れた物を持っているなんて絶対に駄目です」
「分かりました。洗います。洗いますけど、一つだけお願いがあります」
「また付けるのはなしですよ」
するとタイストは言葉を失ってそのまま倒れた。
「旦那様!? 大丈夫ですか!」
「二人共、そもそもタイスト様はそこまで大きな怪我に見えないけど? そんなに元気なら働けよ」
じろりとした視線にも怯まず、タイストは勢いよく立ち上がった。
「間もなく夜になり一気に冷え込むだろう。重傷者はあまり動かせないからこのまま孤児院の食堂を借りる事になっているが、動ける者達は聖堂に送れ。すでにベッドを用意してもらっている」
「最初からやれっての」
ヴァイノは文句を言いながらもどこか嬉しそうにしながらいなくなった。
集めたドラッヘの民は信じられない程にあっさりと掴まった。そもそも進路変更して領地に着いた時には、すでに残していた兵達でほとんどの敵兵を捕らえている状況だった。
「おい、お前達を先導した者は誰だ? この中にいるのか?」
しかし返事はない。三十は超える敵兵をずっと草原に集めておける訳もなく、仕方なく城の地下牢に連れて行こうとした時だった。どこからともなく風を斬る音がする。そしてタイストはそのまま地面に倒れた。
✳✳✳✳✳
「奥様大丈夫か? って、大丈夫じゃなさそうだな」
ヴァイノの言う近道は本当に近道だった。馬車で掛かる時間の三分の一で来れたといっても過言ではない。しかし、道というにはあまりにも過酷なものだった。
「まああの道は俺とこいつじゃないと通れないけどな。まあよく弱音を吐かずにいたよ。偉い偉い」
そう言いながら笑っているヴァイノを少し恨めしい気持ちで見ながら、震える手で虫籠の中をお覗き込んだ。休憩の時は外に離したが、出発を告げるとすぐに走って戻ってくる姿を見ていると、その賢さに本当に竜の血を継いでいると思える程だった。しかし呼んだ時が丁度餌を食べている最中だった時には、おぞましい惨状になった虫を咥えながら走って来られ逃げ回ってしまった。
「ブルー、ようやく旦那様のいらっしゃるお城に着いたわよ」
そしてヨロヨロと歩きながら門へと続く階段を歩き始めた。
「地面が波打っているみたい。足が上手く動かせないわ」
「プッ、まあ、そうなるよな。ブハッ」
笑いを堪らえようともしないヴァイノを抜かそうとして足元がよろけてしまう。それでもヴァイノの手は借りずにスルスルと先を進んで行ってしまうブルーフェアリーの後を追った。
「ヴァイノ!? すぐに来てくれ! タイスト様が大変なんだ!」
頭が真っ白になりヴァイノと共に兵士に連れて行かれるまま走り出した。
「大変ってどういう事なの? キュトラの軍は最強なのよね!?」
陽気だったヴァイノも息を詰まらせ不安が募っていく。急いで向かいたい、でも何があったのかを見るのが怖い。自然に滲んでいく視界を擦りながら懸命に走った。
「旦那様は簡易的な治療場所として借りた孤児院にいるんだ。他の怪我人も居てりかなり殺伐としているが、それでその、そちらの女性も中に入るのか?」
「この方はタイスト様の奥様だ」
「し、失礼致しましたッ! それでは中にどうぞ」
街の外れにある孤児院の周囲はぐるりと木の柵で覆われている。そしてすでに孤児院の中から声が漏れてきていた。
孤児院の中は連れてきてくれた兵士が言う通り、混乱していた。血の滲んだ包帯が目に入りとっさに視線を逸してしまう。そして呻いている者の間を治療している者達が踏まないように行き交っていた。
「旦那様はどこにいらっしゃるの!?」
「あちらです、ほら、あそこですよ」
兵士は土の付いた指でずっと先を指差した。並んで寝かされている兵士達の奥に見えたのは、壁にもたれたまま動かないタイストの姿だった。すでに治療は終わっているようで、左腕が包帯でぐるぐる巻きになっていた。
「旦那様! ご無事でしたか!?」
駆け寄ると閉じていた目が薄く開いた。
「お怪我はどの程度なのですか? お辛くはないですか!?」
タイストは開いていた目をそっと閉じた。そして一筋の涙が流れていく。イレネはとっさにその頬に手を当てた。
「と、どうしましょう! ヴァイノ、すぐにお医者様を連れて来て!」
「いや、でも元気そうだけど……」
「旦那様! 目を覚まして下さい! 旦那様がいなくなったら私、私」
「生きてはいけない?」
「生きていけませんッ!」
「そんなに悲しいんですか?」
「悲しいです! ……え?」
今度こそタイストはしっかりと目を開けていた。
「お怪我はそんなに酷いんですか?」
タイストは苦しそうに顔を歪めると、唇を噛み締めて言った。
「ハンカチが……」
「ハンカチがどうしたんです?」
「ハンカチが……、クソッ」
初めて聞いたタイストの悪態に不安が広がっていく。
「ハンカチがどうしたんですか!」
「矢が刺さった時に血が付いた上に破られてしまったんですッ」
そう言ってプルプルとした手で握り締めていたのは、蜥蜴の刺繍が施されたハンカチだった。
「匂いって、もしかして」
「そうです。イレネの愛……」
「旦那様! 止めて下さい!」
とっさにタイストの口を手で塞いだ。
「幾らなんでもそんなに匂いません! それに不衛生ですからいい加減洗って下さい!」
「ふ、ぐ、ご」
「なんです? ちゃんと仰って……」
そこで口を手で押さえていた事に気が付き、とっさに手を離した。タイストは乱れた呼吸で血の付いたハンカチと口元に持っていくと深呼吸をした。すると乱れた呼吸が穏やかになっていく。呆れたように見下ろしておると、ハンカチ越しに残念そうな目と目が合った。
「……もういいです。分かりました」
「え? 何がです?」
「もうハンカチは持っていていいと言っているんです!」
「妻が尊すぎます!」
急に背を浮かせたタイストに力一杯抱き締められそうになり、全力でその胸を押さえた。
「どうしてですか……」
「誤解しないで下さい! ほら、ここを覗いてみて下さい」
悲しそうな表情のままイレネが差し出した虫籠を覗いた。
「ブルー! お前も来たのか!」
「ブルーもとても心配していたんですよ。ねぇブルー」
宝石のように美しい眼がタイストを捉えている。しかし知らない場所だと分かるのか、それとも騒がしさのせいか、ブルーフェアリーは固まっていた。
「ありがとう、ブルー。後で沢山ご飯を用意してやるからな」
一瞬、ブルーフェアリーの食事風景を思い出してしまったが、二人の再会の為にぐっと堪えた。
「ところで本当にハンカチを持ったままでいいんですか? 返さなくていいんですね!?」
「いいですよ。そもそも返した事なんてないじゃないですか。でも今度こそちゃんと洗って下さい!」
するとタイストはあからさまに嫌そうな顔をしてハンカチをそっと引いた。
「洗って下さい! そんなに汚れた物を持っているなんて絶対に駄目です」
「分かりました。洗います。洗いますけど、一つだけお願いがあります」
「また付けるのはなしですよ」
するとタイストは言葉を失ってそのまま倒れた。
「旦那様!? 大丈夫ですか!」
「二人共、そもそもタイスト様はそこまで大きな怪我に見えないけど? そんなに元気なら働けよ」
じろりとした視線にも怯まず、タイストは勢いよく立ち上がった。
「間もなく夜になり一気に冷え込むだろう。重傷者はあまり動かせないからこのまま孤児院の食堂を借りる事になっているが、動ける者達は聖堂に送れ。すでにベッドを用意してもらっている」
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