実家を追い出されホームレスになったヒキニート俺、偶然再会した幼馴染の家に転がり込む。

高野たけし

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幼馴染との再会

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 昔呼ばれていたあだ名を聞き、心臓がキュッとなる。

 知り合いだったのか?

 再び女性を視界に捉え、一体誰なのかを推察する。

 整った目鼻立ち、桃色に染まった柔らかそうな唇、艶のある綺麗な肌。

 数年前に会った時と比べて、一段と美しくなった幼馴染の姿がそこにあった。

紗絢さあや?」

 俺の呼びかけに、彼女は頬を緩ませる。

「今まで何してたの? 凄く心配してたんだよ」

 彼女の問いかけに申し訳なさが募る。

 俺と紗絢は幼稚園の頃からの幼馴染で、高校三年生の時の文化祭から正式に付き合い始めた恋人同士だった。

 しかし俺が受験に失敗し浪人生となってからは、会う回数も連絡をとる頻度も減り、二人の距離は段々と遠くなっていった。
 その曖昧な関係性にもどかしさを感じた俺は、メッセージアプリを退会し、彼女との連絡手段を完全に断ったのだ。

 紗絢からみて俺は、自己中の裏切り者。
 それなのに彼女が俺に向ける表情は、怒りではなく安堵だった。

「まぁ、色々あってさ。ここで話すのもなんだし、軽く飲みに行かないか?」

 今の自分を語るには、酒の力が必要だ。
 包み隠さず話せば、紗絢なら俺を受け入れてくれるかもしれない。

「うん、いいよ。それじゃあ出口で集合ね」
 
 お互い部屋に戻り、出る準備を始める。

 どうやって切り出そう。後ろめたいことが多すぎて困るな。

 話す内容を考えながら、荷物をまとめる。
 会計を済ませ、出口へ向かうと、先に出ていた紗絢が不思議そうにこちらを見つめていた。

「どうしたの?」
「なんでそんなに大きな荷物を持っているのかなって」
「あ、これはその、店についたら話すよ」

 近くの居酒屋を目指して、二人並んで歩く。
 紗絢の存在を近くに感じ、高校の帰り道を思い出す。

「こことかどうかな?」

 紗絢が看板を指差し問いかける。
 俺はその提案に賛成し、彼女の後に続いて店に入った。
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