The ミリオネア 〜億万長者を創る方法〜

一 千之助

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 雌犬品評会 〜2回目〜

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「これは、掘り出し物だったかもねぇ~♪」

 ブギーマンらの目的は、素人の調教ショーと、雌犬育成。
 もたもた不器用な調教で、雌犬を虐待しか出来ない奴隷どもに業を煮やし、手取り足取り教えようとする視聴者達。
 そうじゃないんだぁぁっとリクエストを使い、調教を必死に指南する観客ら。

 そういった交流もショー本来の醍醐味だ。

 賞金から搾取し、リクエストからピンはねし、最後にはその奴隷らの身柄を売って金にする悪辣さ。
 身代金分など残せない。ゲーム後半はそうなっている。だがまあ、毅らに話したような悲惨な状況はあまりない。
 全くない訳ではないが、達磨女にするには基幹病院クラスの医療技術が必要となり、売れても処置の費用でトントンだ。バカらしい。
 気に入った奴隷を達磨にしてくれという依頼なら、それこそ破格に稼げるが、達磨にしただけで売れるほど、この遊技場の客らは温くなかった。
 処置の相場を知っている彼らに買い叩かれて終るのが関の山。

 そんな益体もないことを考えつつ、ブギーマンは毅を脳裏に浮かべた。

 奴隷が雌犬を育成するのと同様に、観客は奴隷を調教師に育成していく。
 結果、見事な雌犬が出来上がり、高価買い取りになるわけだ。よく仕込まれた雌犬は好事家に高く売れる。傷物とかは構わなくなる。
 育成を楽しむ者も多いが、それ以上に、即使える雌犬を欲する者も多い。
 世の中は上手く出来ているのだ。需要と供給は何処にでも存在している。

 男性らも調教用奴隷として買い手はあった。

 ショーを介して育てた調教奴隷と雌犬に、そこはかとない愛着を持つ観客らが、けっこうな値段で買い取ってくれる。

 そんな中に燦然と輝く異質な二人。

 おどおどした二人の子供は、他の大人達よりも見事にお題をこなしていた。
 他の奴隷達には助言的なリクエストを出す観客達が、この二人にはガチなリクエストを投げつけている。

 しかも破格な値段で。

 通常のリクエストなら一本が相場だ。玩具をつかわせたり、プレイを誘導したりと親目線な指示が多い。

……が、毅らには開幕三本。それもガチ調教プレイの要求。

 観客の調教に身体を震わせて熱く蕩けた少年の淫靡な痴態は、百戦錬磨なブギーマンにも興奮を覚えさせた。
 あれを貶め、辱しめ、従わせたいと、ブギーマンにすら思わせる凄絶な色香。
 子供のようなパートナーの少女とあいまり、淫猥な檻に閉じ込められた二人は、観客の興味の的である。
 垂涎の眼差しが注がれる彼等は、その日常すらも売り物になった。
 むしろ日常の方が過激でよく売れる。ほぼ全ての観客が二人の視聴権を買い、鰻登りに増えていく投げ銭。
 日常の投げ銭からは搾取がされない。これが奴隷達の生活費になるため、なるべく搾取したくはないのだが。

 あの二人は規格外過ぎて、ピンはねしたくなるブギーマン。

 カメラに賞金メーターが映っているので、したくとも出来ないのが実情だ。
 そんな事をすれば、すぐに観客らにバレてしまう。悩ましい。

「今回ので、あの二人が解放されるのは確定ですねぇ。困ったなぁ」

 今まで、ショーに拉致してきた奴隷達を解放した事はある。大抵は勝ち抜いた優勝者のみだが、なくはない。
 大抵は身を滅ぼして身代金が残らないが、さすがに優勝者らは残している。まあ、ほとんどは、ゲームが進行していくうちに身を持ち崩すのだが。
 しかし、億を稼ぐあの二人は身を滅ぼすような事はないだろう。

「少し早いが、ゲームを進めるかな」

 溜め息混じりに独りごち、ブギーマンは奴隷らにレクリエーションを通達した。





「おおお、今日は華やかだな。皆、可愛い」

 二度めの雌犬品評会。

 檻の中の女性らは、それぞれ個性的に着飾り、美しかった。
 イブニングドレスや、チャイナ服。少し異質なチマチョゴリなどもあったが、よくある蛍光色の派手な物ではなく、白に赤い差し色の入った古式豊かな衣装だ。
 本物の民族衣装は格式があり、見ていて気持ちが良い。
 ふんふんと眺めていた毅は、円香を見て眼を細める。

 今日の円香は和風ゴスロリ。赤を基本として黒いレースに差し色は紫。

 銀で刺繍された椿柄が引き立つ装いである。

 大きな椿の髪飾りも可愛らしい。

 千鶴は黒い着流し。

 下にサラシを巻いて大きく脇の空いた小袖をゆったりとはおり、半帯を花のように締めていた。
 下半身は下着だけなので、大きくはだけた前身ごろからは滑らかな生足が覗いている。
 足袋と草履と、象牙色の生足のコントラストが艶かしい。
 女性に着流しという着方はないが、その言葉がピタリと当てはまる悩ましい姿だった。

 七海は逆にピッチリと着こんだチャイナドレス。

 本来のゆったり感はなく、ピタリと身体に沿うボディコンシャス的なデザインだ。紫の絹に白い牡丹の刺繍されたその下には、気づくモノは気づくだろう縄化粧が施されている。

 微かに浮かぶ縄のライン。

 それが彼女の頬を赤らめさせ、淫靡な雰囲気を醸し出させていた。

 最後に薫。

 こちらは趣味嗜好が分からないため、本人に選ばせた。
 茶髪のセミロングを軽く結わえ、全裸に薄いサロペットジーンズ一枚。
 ときおり横から見える乳房に、ドキッとする服装だ。薄い生地が、胸の先端にある果実を強調する。
 全然いやらしさのない姿なのに、何故か卑猥な疼きを誘う上手い魅せ方である。

 今回の女性らには、ちゃんとした魅力が感じられるのか、各人の賞金メーターが順調に上がっていく。

 そこへ颯爽と現れるブギーマン。

「はいは~い、皆様、御注目~♪」

 奴隷達は一斉にブギーマンを見る。

「前回は雌犬の売買を解禁いたしました。そして今回は、奴隷達のレース解禁です。というか強制です♪」

 は?

 たぶん、男性ら皆が同じ顔をしたのだろう。

 ブギーマンは、くっくっくっとくぐもった声を上げて、さも愉快そうに部屋を見渡す。

「難しい事ではないです。御布施の金額による自分の順位を予想し、所持金の半額を賭けるだけ。簡単でしょう♪」

 その場にいる全員の顔が凍りついた。所持金の高い者ほどリスクも高い賭けである。歓迎出来る訳がない。

「当てた方には外した方の掛け金が分配されます。当てた人がいない場合は掛け金全額没収です。一攫千金を狙えるチャンスですよ?」

 自分達の順位を知らない奴隷達は、それぞれ困惑気に顔を見合わせた。
 意味は分かるが、メリットよりデメリットの方が大きく感じる。

 こういう事か。やはりブギーマンに、被害者らを解放するなどという気は全くなかったのだ。
 賞金を磨り減らさせ、最終的に売る算段なのだろう。なにせ、こちらに拒否権はないのだから。
 ニヤニヤと卑な笑みを浮かべるブギーマンを毅の炯眼が睨み付けた。

「では皆様。秘密のお話には気をつけて? 視聴者達に浴室もトイレも観賞されてますので♪」

 新たな爆弾を投げつけて、ブギーマンは雌犬品評会を終わらせた。

 マジかあぁぁぁっ!! アレやコレや、みんな見られてたわけえぇぇぇっ?!

 毅を含んだ誰もが羞恥に悶絶した頃。

 観客達が、愉しげにそれを見守っていた。





「トイレに行きたくなぁーいっ!!」

 溜め込み過ぎて御腹を抱える円香。
 今までずっと見られていたと知り、彼女はここ三日ほど御腹に溜め込んだままである。
 小用はしかたなしに泣く泣く行くが、大きい方はどうしても出せないらしい。
 どのように見られているのか分からない。今の技術なら、ピンホールカメラで局部のズームも可能だ。

 知識先行世代な二人には容易く想像がつく。

「でも、出さなかったら病気になるよ?」

「いやーーーーっっ!!」

 困り果てた毅は、千鶴に押さえつけさせ、無理やり円香のお尻に薬を呑ませた。
 両手を後ろ手に縛り、たっぷり薬を呑まされて半狂乱に泣き叫ぶ円香を個室に押し込め、毅は便座に座らせる。

「出しなさい、円香。俺だから。見てるのは俺だけ。な?」

 優しく微笑む毅。

 困ったように眉を下げるその顔を見て、涙でグシャグシャになりながら、円香はお尻を決壊させた。

 初めて意識を持ったまま、毅の前で排泄を披露する。

「う゛う゛ぅぅーーーっ!!」

 毅が水を流しながらさせてくれたため、その恥ずかしいモノが彼の眼に触れる時間は一瞬である。
 それでも全身が震えるほどの羞恥に呑み込まれ、円香は顔を上げられない。

 そんな彼女を抱き締めて、毅は優しく頭を撫でた。

「良く出来ました、円香。素敵だったよ? 俺の前で上手に粗相が出来たね? 凄いよ、よく頑張ったっ!」

 興奮気味な毅の称賛に、円香は改めて赤面する。

「嫌だっただろう? 恥ずかしかったよね? 俺だけが円香の粗相を知ってるんだ。何か、凄く嬉しい。二人の秘密だな♪ また、こっそり見せてくれな? 円香の恥ずかしい姿を。すげぇ興奮するっ!」

 .....喜んでる?

 円香は泣きじゃくった顔で呆然と毅を見つめた。

 頬に朱を走らせて蕩けた顔をした毅。とても嬉しそうで、円香の胸がきゅんっと締め付けられた。

 毅が興奮してる? 円香の恥ずかしい粗相に? やだっ、なんか、こっちも興奮してきたっ!

 激しい腹痛で軋んでいた苦しみから解放された安堵感も伴い、円香の腹の奥が熱く渦巻く。

 やだやだっ、なんでこんなに疼くのっ?? 毅に恥ずかしいとこ見られたのにぃぃぃっ?!

 ゆでダコのように真っ赤になる円香を柔らかく見つめ、毅は浴室に円香を運ぶ。

「次からは..... その、お薬なしで出してもらえると..... うん。俺、すごい嬉しい」

 薬を使えば、こうして洗浄しなくてはならない。
 通常程度なら軽くで済むが、お尻を決壊させるほど呑ませると、奥に行ってしまった薬が降りてくるまで、何度も洗わなくてはならないのだ。
 時間をおいて何度も洗われるのは円香の身体に負担がかかる。

 そう説明して、毅は心配気に円香を見つめた。

「こんな状況だ。もう、開き直るしかないんだよ、円香」

 お尻の中を洗われながら、円香は小さく頷いた。

 でも怖い。誰に観られているのか分からない恐怖はどうしても拭えない。

「怖いよ、毅ぃ。皆が円香のお尻を見てると思うと出せないかも.....」

「なら、俺が一緒にいてやるよ。円香が出すところを、ずっと見ててやる。俺に見られてるのを意識して? 他なんか忘れて? 円香の恥ずかしいところは、全部、俺のモノだから」

 興奮気味に捲し立てる毅に円香は苦笑する。

 それって毅が見たいだけよね? そんなに円香の恥ずかしいところを見たいの? もうっ!

 イチャイチャと後始末を終える二人。これも観られている事など、すっかり忘れている二人に視聴者も苦笑い。

 こうして、なし崩し的に、挫折したはずの円香のトイレトレーニングを始めた毅。

 心の中で少しだけ、ブギーマンや観客らに感謝を捧げる毅だった。
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