耽溺の森 〜だから僕らは森から出ない〜

一 千之助

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 享楽の森 3

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「さて…っと今日は何にするかな。エネマは基本だよな。お腹はいつも綺麗にしないと。大事な弟だしな。手枷。口枷。目隠しも良いな。怯えるタケシは身震いするくらい可愛いし。プジー、太くしてみるか?」

 ご機嫌で玩具を漁る兄を、じっとり三白眼で見つめる弟。

 ………そういうのって、本人の前でやらないで欲しいんだけど。

 何をされるのか分からず、戦々恐々なタケシだった。





「うぁ…っ、うっ…そぉ」

「優しくするって言っただろ? 気持ち悦いか?」

 絶句する弟を見据え、ワタルの声が凄みを増す。

「気持ち悦いか? なあ? 答えろよ」

「悦いっ、気持ち悦いよぅっ! ……でも、怖くて…っ」
 
「なんだ。ホント可愛いな、お前は」

 わしわしと頭を撫で回して、ワタルは行為を続けた。

「ひ…っ!」

「大丈夫だって。怖くないぞ~」

 ご機嫌なワタルの手にはリングのピアス。それをブツっとタケシの乳首に通し、繋いでいる。
 目の前で貫かれ、激痛を覚悟するタケシだが、鋭い針に貫かれた瞬間、彼は脳天から四肢まで突き抜ける快感にイってしまったのだ。今も心臓がバクバクしている。
 そしてまた、鋭い針がタケシの乳首に充てがわれた。

「よ…っと」

「ひぎ…っ?! いいいいぃぃっ!!」

 再び目の裏に火花が散り、タケシは絶頂に叩きつけられる。ぶるぶる激しく揺れるタケシ手足。指先まで貫く快感のあまり、少年は痙攣が止まらない。爆発した一物からも白い液体がしたたり、ポタポタと床を濡らしていた。
 しかも、その余韻を抉り出すように、ワタルが弟の乳首に装着したピアスを引っ張って遊ぶ。

 ドゥエルから譲られた秘蔵の薬は毎度良い仕事をしてくれて、こんな酷い行為ですら甘美な一時に変えた。

「ぁ…っ、ひぐっ!」

「悦~い声。痛いこと大好きだなぁ、お前」

「ちが…っ ………っ、いや、そのっ!」

 思わず口から溢れた反抗。それを耳聡く拾い、ワタルが眉を跳ね上げた。

「違う? こんなんで発射しておいて? なあ? コレお前のだよなぁ? 佳がってブチまけて、何を寝言ほざいてんだ?」

 ワタルはタケシが吹き出した精を指にとり、弟の口に捩じ込んだ。独特な据えた匂いが鼻につき、思わず吐き出しかかるタケシ。
 それを見咎め、ワタルはにんまりと笑った。

「素直になれないなら。お仕置きだな?」

 地獄の獄卒すらはだしで逃げ出しそうな残忍な笑み。魔王のごとき兄を見つめて、タケシは心胆寒からしめられる。
 だが、それに比例して高まり大きく脈打つ自分の心臓。きゅうっと腹の奥が疼き、タケシの呼吸が甘く荒らいでいく。
 
 なに、これっ? なんか、胸が苦しい……

 思わぬ自分の身体の反応に慄く弟。その幼い一物が立ち上がっているのを見て、ワタルが一瞬、惚けたような顔をした。

 ……こいつ。お仕置きっていわれて、興奮してんのか?

 薬の手伝いもあるが、深く深くと嬲られ続けたタケシの身体は、ワタル好みに慣らされつつある。残虐な行為の根底には溢れんばかりな愛情。それを感じ取り、無意識に応えるタケシの身体。
 本人にも自覚はなかろうが、艶めかしい蝶に変貌しようといている弟の片鱗に気づいたワタルは、その姿を見て眼が眩む。
 
 ……そういうとこだぞっ! お前はぁぁーっ!!

 ふぅふぅと高まる身体を持て余すタケシ。そこにワタルはトドメを刺してやった。
 ニードルを手に取り、立ち上がっている幼い御立派様に充てがう。ひっと仰け反る弟を情慾に潤んだ淫猥な眼差しで見つめ、獣じみた雰囲気で囁いた。

「ここにも着けてやるよ。一つ…… いや、左右に二つ? 反り返りがジャラジャラ鳴るくらいに増えると良いな? お前のカリ首を全体にさ……」
 
 鼻先が触れ合うほどの位置から怯えるタケシを睨めつけ、ワタルは幼い一物の反り返り部分をニードルで貫いた。

「あーーーーっ!!」

 ぐりぐり貫通するまで突き刺し、プツっと浮いた紅い玉を拭いつつ、彼は弟のモノにリングのピアスを装着させる。今回は薬をつかっていないため、タケシは容赦なく肉を抉る痛みに身悶えた。

「お仕置きだからな。痛いか? ……?」

 さぞ辛らかろうと、ほくそ笑んだワタルだが、次の瞬間、彼は限界まで眼を見開く。
 ニードルを貫通させたにもかかわらず、タケシのモノは萎えていない。それどころが、さらに硬度を増し、今にも爆発しそうなほど熱く猛っていた。
 信じられない面持ちで弟を見上げたワタルは、激痛に震えつつも、とろんっと蕩けた顔のタケシを見つける。
 溢れる吐息は甘く、ハラハラと流す涙と潤んだ瞳。上気した頬が、この暴力的なお仕置きに感じているのだとワタルに知らせていた。
 ふるふる指を震わせてつけたばかりのピアスをなぞり、ワタルは顔を俯向けて思わず緩む口角を隠す。顔面が雪崩を起こしそうなほど、彼の身体は凄まじい歓喜に襲われていた。

 ………っんだよっ、その顔はっ! 悦いのかよっ! なあっ? ~~~~~っ、堪んねぇな、おいっ!!

 ワタルの腹の底から、ぶわりと湧き上がる残忍な愉悦。血管を逆流するかのように暴れまわる激しい劣情。渦巻くソレに圧され、彼は、ゆっくり立ち上がると弟の首を掴んだ。

「素直にならないなら、ここに一つずつピアスを増やしてやるよ。……お仕置きだ。嬉しいか?」

 お仕置きと言われて、慣れた疼きがタケシを責め苛む。それを見逃さず、ワタルは少しずつ指に力を込めた。
 徐々に締まっていく弟の細い首。恍惚とした眼差しで相手の反応を窺っていたワタルは、息が止まる寸前、タケシの顔がうっとりと緩んだのを見た。
 小刻みに震える薄い唇をペロッと舐めた小さな舌。その紅さが酷く眼に刺さり、あまりの興奮に、ワタルはタケシの片足を持ち上げて、下準備もしてない蕾を貫いた。

「ひいっ…あっ! あーーーっ!! ……がっ?!」

 ホントに、こいつはぁぁぁーーーーっ!!

 タケシの悲鳴が途中で途切れる。ワタルの指が喉を潰すほど掴んだからだ。落ちるか落ちないかの絶妙な力加減で弟の首を締めながら、ワタルは夢中になって腰を突き上げる。
 酸欠も手伝い、苦しさで喘ぐタケシの身体は痙攣するように収縮し、捩じ込まれワタルのモノを酷く締め付けた。

 なんつー……っ! うおっ! 締まりすぎだろうっ!

 首を締められることで意識が朦朧とするタケシ。断末魔のような呼吸を繰り返してびくん、びくんっと跳ねる身体がワタルを逆に責め苛む。ぎゅぎゅっと狭まり締めつけるタケシの柔肉の中を掻き回しつつ、ワタルは眉を固く寄せて夢心地な苦悶に喘いだ。

 死を目前にしたギリギリのラインで得られる刹那的快楽。

 泡を吹く弟に噛みつくような口づけをし、ワタルは一際大きくタケシを貫きながら、自分の猛りが爆発すると同時にタケシを落とした。
 一瞬の緊張が幼い身体を硬直させ、次にはぐったりとワタルの腕にもたれこむ。
 はーっ、はーっと荒い呼吸をつきつつ、ワタルもまた、激しく極上な一時の余韻を堪能した。未だに痙攣する弟の最奥が気持ち悦い。

「……癖になるわ、馬鹿野郎」

 もはやワタルにはタケシしか見えていなかった。

 閉鎖的な森の中で培われていく歪んだ愛情。

 こうして御互いを慰め合う兄妹は、他には分からない深い絆を太く糾っていく。



「アユム兄ちゃんはドゥエルのモノなんだよね?」

「んだな。で、お前は俺のモノ」

「ヒロト兄はマサルといつも一緒だよね。ツトムは?」

「ああ、あいつも十歳になるか。教えてやらないとなぁ。今度、皆でやるか」

 それなりにカップリングも出来、性的なことに何の禁忌もないティモシーで、兄妹は異様に奔放だった。

「昨日、アユム兄としたんだけどさ。優しいの。すごく」

「アユムと? まあ…… あいつは優しいよな。でも俺だって優しくしたいと思ってんだぞっ?」

 それぞれの共有にも躊躇はない。それでも、面白くなさげな顔をするワタルに、タケシはコソッと耳打ちする。

「気持ち悦かったけど。……物足りなくて」

 思わず眼を丸くするワタルの耳をペロッっと舐め、タケシは上目遣いに彼を見上げた。
 それに残忍な笑みを返し、ワタルは弟を抱き寄せる。

「アユムにケツ振ってきたんだろ? お仕置きだな?」

 途端に、ずくっと腹の奥が疼くタケシ。その蕩けた顔を見て、ワタルは心の底から至福を感じる。
 秘密めいた二人の様子を、ドゥエルが遠目に観察していたとも知らずに。

 ………ホント、君って、私にそっくりだよね。

 血の繋がりもないのに似ている謎。氏より育ちとは、よく言ったものである。

 こうして淫らな結束を深め、異世界の血をひく一族は血族にしか愛情を抱けない生き物に変貌した。
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