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理不尽な転生 4
しおりを挟む「若返るかもとは聞いたけど……… 完全なお子様じゃん、これ」
確認しなくても分かるほど小さな手足。
新たな世界にやってきた源之助は、十歳ほどの子供になっていた。そして途方に暮れる。
「どうしたら良いんだよ。こんな子供じゃ働くことも出来ないだろうし……」
『そないな時は大人に頼んだらよろしおすっ!』
「いっ?!」
どこからともなく聞こえてくる甲高い声。恐る恐る周囲を窺った源之助は、誰もいないことを確認して首を傾げた。
『ここですて。あんさんの懐やき』
……ふところ?
そこには一枚のコイン。気がつけば、小さな巾着袋のついた紐で首に下げられている。
……いつのまに。あの神とやらがしつらえてくれたのかな?
それを掌に出して、彼は本日何度目か分からない憮然とした顔をした。
『アテの名前はコフィン言います、よろしゅうに』
│柩《コフィン》?
コインは語る。
どうやらコイツは、元々用意されていたナビゲーターらしい。神が渡すのを忘れかけていたようで、無事手元に来られて良かったと笑う。
コフィンが話す度に、ぷるぷると妙な震えが起きて少し擽ったい。
「で、大人に頼むって何を? 保護?」
『それもよろしおすが、あんさん、千人斬りせなならんですやろ? 庇護者決めるんは早計でっせ?』
……庇護者?
詳しく聞けば、この世界は男だけの世界。子供は卵で産まれ、夫婦になると教会からもらえるらしい。教会には祝福の泉という場所があって、夫婦となった二人が血を垂らすと、そこに卵が現れるのだとか。
あとは自宅に持ち帰り、孵化するまで大切に育てる。期間にして半年ほど。
そして子供を得て、家族となるのだ。
卵を授かれるかどうかは時の運。なにかの法則が存在しているかもしれないが、授かれない方が多いらしい。
しかし中には、早くに親を失ったり、捨てられたりする子供もいる。そういった子供を引き取り、育てる者が庇護者と呼ばれるとか。
「親代りってことか。そっちのが良くない? 僕、お子様になっちゃったし。もう少し大きくなるまでは、誰かに保護してもらった方が良い気もするけど」
千人斬りとかは、それからでも良いだろう。
『……あんさん、甘いわあ。庇護者が損得なしに子供を育てる思うてんのか?』
呆れた声で、さらに説明するコフィン。
要は、将来の伴侶として引き取るのだそうだ。
『地球でいう紫の上計画ですな。幼いうちから自分好みに調教しやんのや。ある意味、男の夢ですやろ?』
……生々しいがゴロゴロしてんな、この世界。
次々と判明する新たな事実に頭を抱えるしかない源之助である。
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