31 / 102
理不尽な王子 9
しおりを挟む「は……っ、はあ……っ、なんだ、こいつぅぅ」
「ど、どんだけ出したよ? え?」
「少なくとも…… っく、八人で四巡。三十二回……以上……っ?」
「さ……っ? マジかぁぁ………っ」
唖然と少年を見つめる若者達。
くったりソファーにもたれて眠る少年。連続絶頂で失神し、無理やり起こされ、ついには起こしても起きないくらい深く気絶した。
意地でも粗相をさせてやろうと小さなお尻に精をぶち込んでいた若者らだが、結局、先にギブアップしたのは彼らのほうである。
「いや、しかし、良い身体してるよなぁ?」
「ほんと、ほんと。マジで搾り取られる感じ。……思い出すだけで寒気がするほど気持ち悦かった」
「背筋が震えるよな? ……これさ。粗相したことにして、誰かの嫁にしないか?」
にたりとほくそ笑み、悪巧みをする八人。
「良いな、それ。皆で可愛がろうぜ?」
「賛成、時々貸してくれるなら、協力するよ?」
「こんなかだと一番身分が高いのはクロエか。どうする? 嫁にする?」
クロエと呼ばれた青年が顔を上げた。
「……でも。騙すなんて可哀想だよ。このまま帰らせてあげよう。求婚するんでも良いじゃない」
「……お人好しだなあ、クロエ。こんなチャンス、滅多にないぞ? まだ洗礼したばっかな仔犬だぜ? 好きに躾けて自分好みに出来るのにさ」
「そうそう。下手に遠慮してたら、器量良しはすぐに取られるぜ?」
「でも……」
クロエは、疲労困憊で眠る源之助の顔を撫でた。汗で張り付いた乱れ髪を取ってやり、その柔らかな肌を指先で愉しむ。
……と、ふいに誰かが後ろから声をかけてきた。
「良い趣味だね。八人がかりで? 相手が気絶するほど? ふふ、お盛んだ。そういう年頃か」
ぎょっとした顔で振り返る若者達。彼らの視界に映ったのは、この国の王太子リヒャルトだった。
「……嫁にするとか? 見た感じ、粗相もしていないし、本人の意識もないみたいだけど?」
すう……っと眼を細め、威嚇するような王子に怯え、貴族青年らはしどろもどろな言い訳をしつつ、その場から逃げ出していく。
一人残ったクロエは、少し気まずげな顔をして、源之助の頭を自分の膝にのせた。
「申し訳ありません、少し興が過ぎたようで。彼らの分もお詫びします」
「……それで? どうするつもりなのかな? その子を」
「目覚めるまで待って…… 求婚しようかと。断られたら、家まで送りますので」
「………………」
無言で佇む二人だが、結局、源之助が目覚めることはなく、リヒャルトが預かり、彼の宮に泊まらせることとなる。
そして…………
「ありがとうっ!! 我が家の嫁だっ!!」
疲労困憊で、閣下に抱き寄せられるリドル。
……うっそだろうぅぅ、この歳になって、嫁ぇぇ?!
獲物の乱れようにハッスルした閣下ら兄弟の渾身の責め立てに耐えきれず、とうとうリドルは粗相をしてしまったのだ。
こぽりと垂れた一雫。それでも漏らしたのは間違いない。
このまま親御さんに挨拶をと、鼻息も荒く駆け出した閣下に抱かれたまま、茫然自失だったリドルは、着いた我が家で源之助がいないことを指摘される。
うわああぁぁーっと王宮に取って返すリドルと家族達。だが、時すでに遅く、夜会も終了した王宮は中に入れなかった。
必死に頼み込んで探してもらった結果、なんと少年は王太子の宮に泊めているという。
後日帰宅させるとの言伝をもらい、仕方なく帰るリドル達。
まさかこれが、少年との最後の別れになるとは、この時、誰も思っていなかった。
17
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる