35 / 102
理不尽な接待 3
しおりを挟む「ここは?」
「聖殿だ。各国の王宮と教会本殿にのみ存在する場所。こちらに来てごらん」
荘厳な意匠の施された柱や壁。そんな厳かな場所の中央には、小さな池があった。
「祝福の泉。伴侶を持った者がここに血を捧げて祈ると、神から卵を授かることがある。その卵から我が子が生まれ、みな慈しみ育てるのだ」
……へえ。これが。
話には聞いていたが見るのは初めてな源之助。
物珍しげな顔で泉を覗き込む少年に、リヒャルトはナイフ片手に手を差し出してきた。
「私の寵を受けたものは、その日、ここで血を捧げる。お前はまだ子供だが、一応な。王族のしきたりだから」
今でこそ結婚は成人してからというルールがあるが、その昔は政略結婚で年端もいかぬ子供が娶られたりもした。その名残なのだろう。
恐る恐る差し出された手の指先にナイフを当て、リヒャルトは事もなげに、ぴっと切る。
一瞬の熱さと共に、源之助の指先から血が滴った。
ぽたり……ぽたりと滴る血液が泉に滲む。
そこへ、同じようにリヒャルトも切った指先を重ねて、二人の血が泉に落ちた瞬間。
泉の水が渦を巻き、七色の光を帯びて噴水のように噴き上がった。
驚愕の面持ちで二人が見つめるなか、噴き上がった水の先端に丸いものが現れる。
「……卵……だと? まさかっ!」
慌てて泉の水を分け入り、リヒャルトは震える手でその卵を包む。そっと手の中に収めた卵を抱きしめ、彼は泣き笑いのような顔で源之助を振り返った。
「……私の子だ。素晴らしいっ!! よくやったぞ、グエンっ!!」
……俺、なんもしてねぇけど。
『愛情たっぷりな精をあんだけ注いでもらってんやん。しかも、他の人なら僅かしか神樣んとこ届かんけど、あんさんは、どっさり届けてんやから。なんぼでも卵を融通してもらえまっせ?』
……そういうことは早く言えやぁぁぁーっ! 知ってたら、こんなの絶対に拒絶してたわぁぁーーーっ!!
リヒャルトは初めての子供だったらしく、感無量。すぐに源之助を側室とし、さらには成人したら妃にすると言い出した。
そして毎夜のごとく抱き潰し、精を注ぐ。
「しばらくしたら、また泉に行こうっ! 二人目を授かるまで、存分に愛し合おうな? ああ、気持ち悦い…… そなたの中は絶品だ。なんと素晴らしい伴侶に出会えたことかっ!!」
どちゅばちゅ突き上げながら、王太子は源之助をイかせようと嬲りまくる。たらふく注がれた精がイくたびに最奥で渦巻き、それを受け取った神が絶頂で悶絶するたび、源之助も突き抜ける快感に身を捩った。
……死にゅっ! 腹が……っ、うわあぁぁんっ!
狂ったかのよう佳がりまくり、泣き叫ぶ少年の艶かしさ。それにうっとり頬を染め、リヒャルトは源之助に溺れていく。
そして後日、源之助を襲う新たな不遇。彼の理不尽な人生は終わらない。
22
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる