転校した先は変わった学校でした!!〜卒業するには10人の嫁を作らなければいけません!!〜

茅森ゆいか

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第1章セントルイス学園〜始まりの2年生編〜

第3話セントルイス学園その1<凌斗side>

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翌日
1月9日晴れ

時刻6:30

少し冷えた感じだけど今日もよく起きれた…
昨日姉さんがセントルイス学園にいきなり転校するよってことを伝えられたのが夢のように思える

でも、現実なんだろうな
だって前に怪しいものとか届いてたし姉さんが仄めかしてたし…

なんてことは置いといて…
「ふぁぁぁ…」
身体に疲れが…取れないのかな
いや、ショックの方が大きいと思う
そりゃ、いきなりあんなこと言われたんだから
でも、それでも気になるものはある

なんせ、父さんの死の理由が分かる…なんて言われたら気になってしまうだろう
姉さんの言い方がずるい…なんてこともあるけど僕の好奇心をこんなに誘うってことはそれほど重大な事なのかな…

ううん、父さんが教えないってことだから相当な事…なのかな

気になりながら僕は自室を後にする
長年住んできたこの家から居なくなるなんて事
僕は寂しいけど父さんのためなら…仕方ない
いつも、僕の意見なんて反映されることなんて無いのは慣れているから問題ないから
僕は多分まだ起きてないだろう姉さんの元に行く
朝が弱いのは昔からだ
ほんとに寮生活大丈夫なのかな…
「姉さん?起きた?」

「んん…んぇ?」

「姉さーん、起きてー」

「あと…5分…」

「はぁ、姉さん?早く起きないと迎えの車来ちゃうよ?」

「はっ…!!起きないと」
"迎えの車"って単語を出したら勢いよく起きた

「だから…服を着て…」

「あ…失礼失礼」
相変わらず寝る時に服を着ないのはいつもの事だったようだ
スタイルいいから余計に気になるのは姉さんには絶対言えない…

「そだ、朝ごはんはパンがいいな」

「りょーかい」
パンか…珍しい
姉さんいつもお米なのに
何か心境の変化とかあったのかな

珍しいと思いつつ朝ごはんの用意をする
パンと卵とキャベツ…冷蔵庫に残ってるのはそれぐらいしかないか
簡単な料理だけしか出来ないけどまあいっか

パンをオーブントースターに入れてタイマーをセット
卵はとりあえずかき混ぜるから割っといて…
キャベツは千切りあるからとりあえずそれを盛り付けるか

卵は塩だけ入れてよく混ぜる
綺麗な黄色になったらOK
フライパンに気になる油をひいて、卵液を投下
そして液体のうちに素早くかき混ぜる
僕はふわふわがいいからぐるぐると円を書くように卵をかき混ぜたらお皿に盛り付ける
「ふぁぁぁ…いい匂いがするねぇ」

「もうできるから座っといてっ」

「はーい」
姉さんの格好を見たらいつもと同じ紺のブラウスと赤のネクタイ、灰色のチェックのスカートが特徴の東峰学園の制服を着ていた
あれ?セントルイスの制服じゃないの?
疑問に思いながらトーストをお皿に乗っけて姉さんの元に置く
「おお、今日も美味しそうだねぇ」

「よく言われる」

「ふふっ、さっすがぁ」
わしゃわしゃと頭を撫でるけど小っ恥ずかしいな…
いつまでも子供扱いして…
僕もちゃんと大人になろうとしてるんです…
「ごめんごめん、食べよっ」

「う、うん」
やけに姉さん楽しそうだな…
何かまた隠し事でもあるのかな
「そういえば今日のご飯…美味しい?」

「ん?美味しいよ?卵のふわふわ具合も丁度いいしキャベツの千切りもちゃんと瑞々しさもあるしパンもカリッとしてて美味しいっ」

「ほっ…」

「なんか隠し事~?」

「違う違う、ただ…」

「ただ?」

「ほんとに…セントルイス行くんだね」

「うん、行くよ」

「怖く…無いの?」

「そりゃあ怖いよ?ただ…」

「ただ?」

「りょーとがいるからさ怖いって思わないんだよね」

「そ、そうなの?」

「うんっ」
そう言われ何故か安心してご飯を食べれた気がした
何故か…分からないけど
多分、安心してるの…かな
環境が変わって緊張するはずなのに…姉さんと一緒だから頑張れるって思えるのかも
「ご馳走様っ」

「お粗末さまでした」

「ふぅ、着替えちゃいな。そろそろ迎えの車が来るから」

「はーい、西鳳学園のやつでいいんだよね」

「うんっ、学校に着いたら制服採寸とかあるから」

「わかったっ」
そう言われ僕は自室に行き制服に着替え始める

7:50
もう、着ることはないだろうって思ってた西鳳学園の制服を着る 
灰色のブレザーと青色のネクタイ、黒のスラックスというほかの学校にはないような制服なので一目で自分の中学って分かるからいい意味でも悪い意味でも目立つのが難点と言ってしまえば難点だがもう気にしてない
だって、思入れもあるようなものなのだからいきなり転校すると聞いて驚かないはずがない

そのような心を秘めつつ僕は父の仏前に行く
「父さん…行ってきます、頑張ってくるね」

1分間…黙っていたのだろう

だけど、その静寂すら長く感じた

もう、後戻りはできやしない

父の死の真相
そして母の失踪

それを…知るために

「姉さん?準備終わったよ?」

「はーいっ、ぁ…」

「姉さん?」

「ううん、なんでもない。ただ、りょーとが成長したなーって!!」
と抱きついてきた
「ちょっ…姉さん…恥ずかし…///」

「ふふっ、いいじゃんかぁ!!」

「もぅ…」

「えへへっ、そろそろ時間だっ」

「あっ、そっか…」

「?」

「ううん、なんでもない行こっ」

「うんっ」
ピンポーン
チャイム?もしかして…誰か…

「あ、私出るね」

「はーいっ」
行ってしまった…
多分、長瀬さん…とかかな
いや、セントルイスの関係者っていうこともある
だから行ったのかな

「りょーと、行くよー」

「はーいっ」
姉さんに呼ばれ玄関に向かう

「あっ、あなたは…?」

「初めまして、私セントルイス学園の学園長の秘書をしています前田由紀と申します」
前田由紀さん…
髪をサイドアップにして美しさと儚さが両立しているような顔立ちって言うと失礼になるけどほんとにそういう人が居るなんて思わなかった
秘書…というより執事に近い服を着こなしているからか姉さんと同じかそれ以上に綺麗に見える
「久遠さん?」

「あっ、は、初めまして…久遠凌斗と、申します」

「ふふっ…」

「ね、姉さん…」

「ううんっ…なんでもない…ただっ…ぷふっ…」

「うっ…笑ってるな…」

「ふふっ」

「前田…さん?」

「いえ、おふたりともほんとに仲がよろしいんですね」

「…いえ、そういう訳では…」

「はいっ、こう見えて結構仲良いですっ」

「それはよろしい事ですっ」

「もう…」

「すっかり話し込んでしまいました、それでは行きましょう」

「「はいっ!!」」
そして…乗り込む
僕達の…
両親が何故殺され居なくならなくてはいけなくなったのかが分かる場所へと

8:05
「これから向かいますが、シートベルトキツくお締めください」

「え?」

「私の運転…実は荒いので…」

「え」

「行きますよっ!!」
と言うといきなり急発進をしだした
身体が凄い持ってかれそうで怖いというより恐ろしいな…この人
僕の家の道…こんなに荒い運転するほど広くないはずなのに…凄いえぐかった
ここまで運転が荒い人初めてかも…

車内ではなんというか静寂だけが包まれた
なんせ話そうと思っても僕達の境遇はあまりにも悲しいというか辛いし、自分のこと話そうとしてもなにも言い出せないというか…

…なんというか人との関わりを断ってきたからこそこういう時気まづいんだろうな…
人なんて…すぐ裏切る
そういう発想をずっとしてたから長瀬さんにも言えずじまいだったんだ…
好きだってこと…

僕なんかが…今更そう言っても許されるわけ…ない

自己嫌悪に陥っていると輝かしいものが見えた…
今の自分には…凄い眩しい…

「これ…」

「もうすぐ着きます、ようこそ私達のセントルイス学園へ。そして、おかえりなさい久遠様」

「おかえり…なさい…?」
海外風の建築…恐らくアメリカのフラグラーカレッジに近い…
一瞬目が疑うほど凄く大きい金色に光り輝く校舎に車が入った際に発せられた言葉に戸惑う僕である

「おかえりなさいって…一体…」

「それは…」
姉さんが口を開く…それは一体…どういうことなの?!


to be continued
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