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弐:最恐最悪装備の魔王VS就活のダボダボスーツ装備勇者
八
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***
リョーナホテルは英国では古城を買い取り改装し、世界中のグルメが食べられ、世界中の著名人、富豪がリピーターになっている超高級ホテル。とググったら書いてあった。
日本にはまだ三大都市圏にしかないらしいが、既に二年先まで予約が埋まっているらしい。
大阪では旧華族のお屋敷を買い取ったり、京都では貴族のお屋敷を。それぞれ文化遺産に登録もされていて歴史的価値もある由緒正しいホテル。
そして俺が呼び出された都内にあるホテルは、イギリスの古城を日本に運んできたらしい。英国では珍しい煉瓦造りで、塔のように高い天守がある。
この空に続くような城、魔王の城によく似ているなあ。
「へえ、趣あるね。薔薇戦争時代の王族が所有していたお城らしいよ」
フェラーリの窓を開け、門の前で見上げたユージンだったが、あたりを見渡して首を傾げた。
「でもおかしいな。ホテルの周りに観光客も利用されているはずのお客も見当たらない」
確かに禍々しいオーラを漂わせたホテルは、不気味なほど人の気配がない。
門も閉まっており、中が見えなくなっている。
「佐久間 倫太郎さまでございますね」
「え、あはいっ」
どこから声がするのかあたりを見渡すと、門の上にカメラが設置してあり、ゆっくりと鉄の重い門が、地面を削りながら開いた。
「うわあ、超格好いい」
「インスタにアップしていい?」
取り巻きの男の子たちが中を見て一斉に携帯を取り出した。
薔薇が咲き乱れる庭園に、天使の像を中心に噴水、奥には庭園を見ながらお茶ができるカフェが見える。
すげえ。魔王の城は一階が触手だらけで、粘々してじめっとした夜みたいな庭だった。
ここは正反対だ。宝石が実っているような輝いているような美しい庭園だ。
「お待ちしておりました。本日は、佐久間さまのために急遽貸し切りになっております」
城のドアが開け放たれると、メイド服の女性や執事姿のコンシェルジュが何十人も待っていて、俺に首を垂れて待っている。
「あらあ、貸し切りなんだって。俺たちはスイートルーム今日は無理みたいだね」
「ええーここまで来ていやだあ」
「ぼくも」
空気を読まない取り巻きがフェラーリの中で暴れている。
「ご友人の方々は一階のカフェテラスを開放いたしましょう。アフタヌーンティーが日本で一番おいしいカフェでございます」
「やったー」
「スコーンのいい匂いがするぅ」
取り巻き立ちがカフェの方へ走って行くと、ユージンが苦笑しながら俺の髪をくしゃくしゃに撫でた。
「話し合いが上手くいかなかったら、呼びなさい。俺は君(合法ショタ)の味方だ。いや25歳未満の美少年の味方だ」
「ユージン」
後半の余計な台詞さえなければ、世界で一番頼りになる大人だったのに。
でも仕方ない。前世で俺は魔王を殺したに等しい。魔王が権力を持っている今、復讐を考えていても仕方がないんだ。
あとは誠実な話し合いと、誠意ある対応を見せるしかない。
ユージンたちの背中を見送りながら、俺はリョーナホテルをも一度見上げた。
リョーナホテルは英国では古城を買い取り改装し、世界中のグルメが食べられ、世界中の著名人、富豪がリピーターになっている超高級ホテル。とググったら書いてあった。
日本にはまだ三大都市圏にしかないらしいが、既に二年先まで予約が埋まっているらしい。
大阪では旧華族のお屋敷を買い取ったり、京都では貴族のお屋敷を。それぞれ文化遺産に登録もされていて歴史的価値もある由緒正しいホテル。
そして俺が呼び出された都内にあるホテルは、イギリスの古城を日本に運んできたらしい。英国では珍しい煉瓦造りで、塔のように高い天守がある。
この空に続くような城、魔王の城によく似ているなあ。
「へえ、趣あるね。薔薇戦争時代の王族が所有していたお城らしいよ」
フェラーリの窓を開け、門の前で見上げたユージンだったが、あたりを見渡して首を傾げた。
「でもおかしいな。ホテルの周りに観光客も利用されているはずのお客も見当たらない」
確かに禍々しいオーラを漂わせたホテルは、不気味なほど人の気配がない。
門も閉まっており、中が見えなくなっている。
「佐久間 倫太郎さまでございますね」
「え、あはいっ」
どこから声がするのかあたりを見渡すと、門の上にカメラが設置してあり、ゆっくりと鉄の重い門が、地面を削りながら開いた。
「うわあ、超格好いい」
「インスタにアップしていい?」
取り巻きの男の子たちが中を見て一斉に携帯を取り出した。
薔薇が咲き乱れる庭園に、天使の像を中心に噴水、奥には庭園を見ながらお茶ができるカフェが見える。
すげえ。魔王の城は一階が触手だらけで、粘々してじめっとした夜みたいな庭だった。
ここは正反対だ。宝石が実っているような輝いているような美しい庭園だ。
「お待ちしておりました。本日は、佐久間さまのために急遽貸し切りになっております」
城のドアが開け放たれると、メイド服の女性や執事姿のコンシェルジュが何十人も待っていて、俺に首を垂れて待っている。
「あらあ、貸し切りなんだって。俺たちはスイートルーム今日は無理みたいだね」
「ええーここまで来ていやだあ」
「ぼくも」
空気を読まない取り巻きがフェラーリの中で暴れている。
「ご友人の方々は一階のカフェテラスを開放いたしましょう。アフタヌーンティーが日本で一番おいしいカフェでございます」
「やったー」
「スコーンのいい匂いがするぅ」
取り巻き立ちがカフェの方へ走って行くと、ユージンが苦笑しながら俺の髪をくしゃくしゃに撫でた。
「話し合いが上手くいかなかったら、呼びなさい。俺は君(合法ショタ)の味方だ。いや25歳未満の美少年の味方だ」
「ユージン」
後半の余計な台詞さえなければ、世界で一番頼りになる大人だったのに。
でも仕方ない。前世で俺は魔王を殺したに等しい。魔王が権力を持っている今、復讐を考えていても仕方がないんだ。
あとは誠実な話し合いと、誠意ある対応を見せるしかない。
ユージンたちの背中を見送りながら、俺はリョーナホテルをも一度見上げた。
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