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手のひらサイズのイラダチ
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――ばたん!
と、勢いよくドアを閉め、美沙は自室に入る。
そして、彼女は盛大にため息をつくと、
「ぐぬぬぅ……! なにさぁ……! 人が、遊ぼうっていってるのにぃ……! いつからあの弟は、あんなになちゃったのかねぇ……!」
ぷんぷん、と。そんな擬音が聞こえてきそうな様子で。
美沙は勢いよく、ふかふかのベッドへダイブした。
そしておもむろに、枕の横に置いてあった――例の、手のひらサイズの人形を取り出すと、
「もう怒った! 怒ったからね!」
まるで人形に話しかけるように、美沙は憤りを人形にぶつけ。
美沙は私服のまま、布団の中に入り込むと、人形をその中に潜り込ませた。
そして、
「さて。今日は、どうかな……」
美沙はそう言って、自分の尻の谷間に人形を挟み込むと、
「うーん……。ちょっと、今は出そうにないなあ……」
美沙は人形から手を離し、人形をそのままの位置で放置する。
「けど……、汗のニオイとかも、伝わってるよね……。まあでも、健人のやつ、今はリビングに一人でいるはずだから、さすがに私のニオイだとは、思いもしないだろうけど……」
なにやら意味深な、美沙の独り言。
まるで、人形に伝えたニオイが、誰かへと届いているかのような、いいぶりだが――。
それはさておき。
美沙はそのまま、人形を意識の外にやると、ポケットからスマホを取り出し、時間をつぶし始める。
「あ、通知きてる……。ふーん……」
どうやら、彼女は適当にSNSのページの閲覧をいるようで。
美沙はせわしなく指を動かし、スマホの画面に、じっと目を向けてる。
と、そのとき、
「んっ……」
ぷう~……
「おお。中々にいい音……」
美沙は放屁をし、ほっと息を吐く。
そして、彼女はおもむろに布団をもちあげ、少しだけ中に顔を入れると、
「うっ……! くっさぁ……」
顔をしかめ、布団を閉じる美沙。
それから彼女は再びスマホに、意識を戻すと。
眠そうに、あくびをしながらも、ぼんやりとその画面をいじりだした。
「なんだか、退屈だなぁ……」
美沙はそうこぼすと、手の届くところに置いてあったイヤホンを手に取り。
それをスマホに装着し、スピーカーを耳に差し込むと、彼女は適当な動画のページの閲覧をはじめた。
そして、それからさらに数分後――、
ぶっ――ぶぶっ! っすぅううぅぅ~~……
美沙は、自分の尻から出でたそんな音に、「おお……」と。
地味なリアクションをすると、
「あれ……、なんだか、急におなかの調子が……」
なにやら、反応が薄い様子だ。
その理由は単純で――、
「けど……、なんだか、眠く……」
うとうと、と。
美沙は重たそうなまぶたをゆっくりと閉じ、スマホを枕のすぐ横に置いた。
そして、そのまま――、
ふ――しゅぅぅううううぅぅ~~……
眠りの合図かのように、彼女は気の抜けるようなすかしを、静かに放出した――。
そして――。
……。
……。
……。
+ + + + + +
「あ、あれ……。私、寝ちゃってた……?」
目を覚ました美沙は、ゆったりとした動きで、上体を起こし、
「――っ!? な、なにこれ……!?」
突然漂ってきた、卵の想像させるような強烈な悪臭に、目を見開く美沙。
それから彼女は、その臭いが布団の中からの臭いだということに気づくと、
「は? もしかして……、ねっ屁……? にしても……。おえぇ……」
と、美沙は青い顔をし、具合の悪そうな声を漏らした。
「っていうか、人形は……!?」
美沙はそう言って、自分の尻へと手を滑らせると、その谷間に挟んだままだった、人形を手に取り。
じっとりとしたような、体温による熱を、人形から感じ、「あちゃあ……」と、苦笑いをする。
そして、彼女は人形を適当に置き。
布団をはがし、ベッドから降りると。
その足で、おもむろに部屋を出て、すぐそばの階段をおりた。
と、そこで。
美沙は一階の廊下にあるトイレの電気がついているのを確認すると、
「……」
とんとん、と。
彼女はドアをノックし、
「健人~……」
名前を呼ぶ。
すると中から、
「ぁ……、ねえぢゃ……」
具合の悪そうな少年の声だ。
その声に、美沙が「大丈夫?」とたずねると、
「わがん、なぃ……。とにかく、もうちょっど、まっでで……」
中にいたのは、美沙が呼んだとおり、健人という少年だったようで、
「うん。お姉ちゃんは大丈夫だから、無理しないで」
美沙は心配げな口調で少年の声に返事する。
つまり、どうやら二人は兄弟のようで、
「それより、どうしたの? 具合、悪そうだよ?」
美沙がそう尋ねると。
健人はその問いに、どう答えたらいいもんかと、少し考えた様子で、
「わがんない……。なんか、急に……、卵のような、にお――」
彼はなぜか、そこで言葉を区切り。
そして――嘔吐した。
その様子に、美沙はなぜか口角をぴくぴくと痙攣させ。
しかし、それを押し隠すかのように、
「だ、大丈夫?」
美沙は何かをこらえるように無表情を浮かべたまま、少しあせったように訊く。
しかし、答える余裕がないのか、健人は、あーだの、うーだのといった返事をし。
それを受け、美沙はそれ以上何も訊いたりはせず、
「わかった。とにかく、お大事にね」
その声に、「ありがとう……」と、具合の悪さを引きずった様子で、健人が返すと。
美沙は――笑いを懸命に堪えながら、自分の部屋へと戻っていったのだった――。
と、勢いよくドアを閉め、美沙は自室に入る。
そして、彼女は盛大にため息をつくと、
「ぐぬぬぅ……! なにさぁ……! 人が、遊ぼうっていってるのにぃ……! いつからあの弟は、あんなになちゃったのかねぇ……!」
ぷんぷん、と。そんな擬音が聞こえてきそうな様子で。
美沙は勢いよく、ふかふかのベッドへダイブした。
そしておもむろに、枕の横に置いてあった――例の、手のひらサイズの人形を取り出すと、
「もう怒った! 怒ったからね!」
まるで人形に話しかけるように、美沙は憤りを人形にぶつけ。
美沙は私服のまま、布団の中に入り込むと、人形をその中に潜り込ませた。
そして、
「さて。今日は、どうかな……」
美沙はそう言って、自分の尻の谷間に人形を挟み込むと、
「うーん……。ちょっと、今は出そうにないなあ……」
美沙は人形から手を離し、人形をそのままの位置で放置する。
「けど……、汗のニオイとかも、伝わってるよね……。まあでも、健人のやつ、今はリビングに一人でいるはずだから、さすがに私のニオイだとは、思いもしないだろうけど……」
なにやら意味深な、美沙の独り言。
まるで、人形に伝えたニオイが、誰かへと届いているかのような、いいぶりだが――。
それはさておき。
美沙はそのまま、人形を意識の外にやると、ポケットからスマホを取り出し、時間をつぶし始める。
「あ、通知きてる……。ふーん……」
どうやら、彼女は適当にSNSのページの閲覧をいるようで。
美沙はせわしなく指を動かし、スマホの画面に、じっと目を向けてる。
と、そのとき、
「んっ……」
ぷう~……
「おお。中々にいい音……」
美沙は放屁をし、ほっと息を吐く。
そして、彼女はおもむろに布団をもちあげ、少しだけ中に顔を入れると、
「うっ……! くっさぁ……」
顔をしかめ、布団を閉じる美沙。
それから彼女は再びスマホに、意識を戻すと。
眠そうに、あくびをしながらも、ぼんやりとその画面をいじりだした。
「なんだか、退屈だなぁ……」
美沙はそうこぼすと、手の届くところに置いてあったイヤホンを手に取り。
それをスマホに装着し、スピーカーを耳に差し込むと、彼女は適当な動画のページの閲覧をはじめた。
そして、それからさらに数分後――、
ぶっ――ぶぶっ! っすぅううぅぅ~~……
美沙は、自分の尻から出でたそんな音に、「おお……」と。
地味なリアクションをすると、
「あれ……、なんだか、急におなかの調子が……」
なにやら、反応が薄い様子だ。
その理由は単純で――、
「けど……、なんだか、眠く……」
うとうと、と。
美沙は重たそうなまぶたをゆっくりと閉じ、スマホを枕のすぐ横に置いた。
そして、そのまま――、
ふ――しゅぅぅううううぅぅ~~……
眠りの合図かのように、彼女は気の抜けるようなすかしを、静かに放出した――。
そして――。
……。
……。
……。
+ + + + + +
「あ、あれ……。私、寝ちゃってた……?」
目を覚ました美沙は、ゆったりとした動きで、上体を起こし、
「――っ!? な、なにこれ……!?」
突然漂ってきた、卵の想像させるような強烈な悪臭に、目を見開く美沙。
それから彼女は、その臭いが布団の中からの臭いだということに気づくと、
「は? もしかして……、ねっ屁……? にしても……。おえぇ……」
と、美沙は青い顔をし、具合の悪そうな声を漏らした。
「っていうか、人形は……!?」
美沙はそう言って、自分の尻へと手を滑らせると、その谷間に挟んだままだった、人形を手に取り。
じっとりとしたような、体温による熱を、人形から感じ、「あちゃあ……」と、苦笑いをする。
そして、彼女は人形を適当に置き。
布団をはがし、ベッドから降りると。
その足で、おもむろに部屋を出て、すぐそばの階段をおりた。
と、そこで。
美沙は一階の廊下にあるトイレの電気がついているのを確認すると、
「……」
とんとん、と。
彼女はドアをノックし、
「健人~……」
名前を呼ぶ。
すると中から、
「ぁ……、ねえぢゃ……」
具合の悪そうな少年の声だ。
その声に、美沙が「大丈夫?」とたずねると、
「わがん、なぃ……。とにかく、もうちょっど、まっでで……」
中にいたのは、美沙が呼んだとおり、健人という少年だったようで、
「うん。お姉ちゃんは大丈夫だから、無理しないで」
美沙は心配げな口調で少年の声に返事する。
つまり、どうやら二人は兄弟のようで、
「それより、どうしたの? 具合、悪そうだよ?」
美沙がそう尋ねると。
健人はその問いに、どう答えたらいいもんかと、少し考えた様子で、
「わがんない……。なんか、急に……、卵のような、にお――」
彼はなぜか、そこで言葉を区切り。
そして――嘔吐した。
その様子に、美沙はなぜか口角をぴくぴくと痙攣させ。
しかし、それを押し隠すかのように、
「だ、大丈夫?」
美沙は何かをこらえるように無表情を浮かべたまま、少しあせったように訊く。
しかし、答える余裕がないのか、健人は、あーだの、うーだのといった返事をし。
それを受け、美沙はそれ以上何も訊いたりはせず、
「わかった。とにかく、お大事にね」
その声に、「ありがとう……」と、具合の悪さを引きずった様子で、健人が返すと。
美沙は――笑いを懸命に堪えながら、自分の部屋へと戻っていったのだった――。
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