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婚約破棄令嬢はこれまでの怨念を野菜(愛情100%)に込める

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「ああ、あなたたちよくここまで立派に育ってくれたわね……♡」

 ここまで愛情込めた野菜をクズに投げつけるのかと思うとちょっともったいない気もするが、まだまだあるのでトマト一個とか夏野菜各一個くらいならまあ大丈夫でしょ。スタミナ大事よ。皆さんも夏野菜食べようね! 食べて? 食べろっつってんだろ。
 私は大きいトマトを一つもぎ取る。もうケチャップ並みに赤い。
 ふっへっへっへ、よくもこのライク公爵家の令嬢である私を一方的に婚約破棄してくれたわね!
 今養育費と慰謝料でヒイヒイ言ってるんですって!? ざまぁwww
 まあ、それだけでは済まさないのがレリクイア・ライクのやり方である。
 私は養育費で涙目になってる(名門の私立校を小学校から行かせるらしい。母親は庶民だけど『貴族の子ですから?』と言って聞かないらしい。もうお前の責任でしかない。&侯爵家の令嬢も孕ませてしまったので私塾代も請求されている。『公爵家のご子息はどうお過ごし致しましたか?』の一点張りらしい。お前の責任だよホント)元婚約者のカイを公爵家の権力をちらつかせて集まって貰った。
 ちなみにあの後カイは本家の爵位一つ落とされた挙句(公爵から侯爵になってしまった)、カイは家から勘当されてしまったため、風俗店(男版)で毎日金持ちの女を相手したり同性愛の方と相手したりしている。(それが八割らしい。因みにカイは異性専門だ)今日も夜が大変そうだ。

「っつたく、何なんだよ……。俺はこれから手紙書かなきゃいけねえってのに……」
「公爵家相手にふてぶてしい態度ですわね。庶民の癖に」

 いや、私が失態をしたときは庶民でも許しますけど。
 だけど失態なのはコイツなのよ、今はまだ。

「トマト100%ケチャップの中で反省しなさい」
「は?」
『べちゃっ』

 顔面に愛しのトマトちゃん(名前はらぶらぶっ☆トメート。私のレリクイア・ライクと同じ要領の名前だ)。
 ああっ、らぶらぶっ☆トメートちゃんがヤツの顔面で八方に飛び散って行ったわ! 腹いせに茄子(名前は侍茄子・なすなすっ☆だ。個人的にはファーストネームとの差がツボ)をぶつけてやりましょう!

「ちょ、この前クリーニングに出したばかりなのに!」
「行けェェェ! 侍ィィィ!」
「侍!? ぶほぇ」

 頬にクリーンヒットした。茄子が。
 侍は飛び散らなかった。
 次は完熟トマトの妖艶トマト・ゴムは付けてを投げるか。

「えいっ!」
『びちゃあ』
「フンヌォォォォォォォォォォ!」
「イヤァァァァァァァァァァ!」
「食いなさい」
「美味しいです」

 ~~5分後~~

「婚約破棄の恨みと私の野菜と家庭菜園をバカにした恨みは晴らさせて貰いましたわ」
「バカして……な……い…………」

 私はカイへの恨みを晴らせたので上機嫌で家に帰るのだった。
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