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第一章
第四話 奴隷ライフ前夜
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「お姉様、やっとこの家から出て言ってくださりますのね! わたくし嬉しいですわ!」
「私も嬉しいです。あなた様の満面の笑みが見れる日が来るなんて思いもしませんでした」
なーんて、思ってもいないけれどね。
明日からこの家から離れられるなんてこっちこそ嬉しい……と言いたいところではあるが、これからどんな仕打ちを受けるのかと考えるほど気持ちは沈んでゆく。
今と同じならばまあまあ、小間使いで万々歳、性奴隷だったら外れなのだけれど……今のところ性奴隷になる確率が高いのがネックである。
「わたくし、お姉様の幸せをお祈りしておりますわ!」
嘘つけ。今よりも酷い待遇になることを望んでるくせに。
「ああ、いい上司が去ってしまうなんて……」
最後に上司と認めてもらえるなんて夢みたいだな。早く醒めて欲しい。
「本当に私の周りは優しい人ばかりね!」
いやいや、それなら何で私を虐めたことがある方々で囲んだ挙句、私だけご飯がペットの犬に与える飯になってるんだよ。
待てよ、この食事、いつもと変わらないどころかグレード上がってるんじゃ?
本当に私普段何食べてるんだよ。
「明日から穢れの存在になるお姉様が残念ですから今のうちに抱きついておきましょう」
性奴隷確定みたいなこと言わないでくれるかな?
しかも、苦しいし気持ち悪い……。
「この長い髪、引っ張られると痛いでしょうから切ってしまいましょう。石包丁持ってきてもらえるかしら?」
石包丁!? 何、弥生時代なのここ!?
「それ、いいアイデアだわ! せめてもの餞別に切っちゃいましょう」
おかしいわ、名門(笑)と呼ばれる学校を出ているはずの部下なのに『餞別』っていう言葉と『犯罪』という言葉の意味を混合しているなんて……にわかに信じ難い。
「お母様、そこにある石でもよろしいのでは?」
「それいいわね。全く、宝石で髪を切ってもらえるなんて早々ないわよ?」
やって欲しいのなら喜んでやって差し上げますのに。
あと『切る』と『ちぎる』を間違えています。
「「せーの!」」
髪がちぎられたのが分かった。残った髪へのダメージは計り知れない。
……さて、私は一体どう反応しろというのだろうか。
「凄いです! スタイリッシュですわ!」
ああもう、絶対出来栄え悪いよこれ。
まあ、適当にちぎった髪の毛の出来栄えがいいなんてハナから思っちゃいないが。
「新しい門出感がするわ」
何でもかんでも〇〇感って言っとけばいいってもんじゃないぞお義母様……バカよ。
「何かいいわね!」
どれだけ裏口入学が横行しているかが分かるわね。嬉しくない。
「明日からこの家の敷居を跨ぐことはないのだから……今日くらい無礼講でいいのよ?」
前世も今世も『無礼講でいい』って言われて無礼講でよかったことなんて一度もなかったし、言ってないのにアンタらだけずっと無礼講だったわね。
……まあ、そんな空間も今日で終わりなのかしら?
「分かりました。無礼講でよろしいのですね?」
「えっ」
今、『えっ』て言ったの聞こえたぞ年長バカ。
何か反論される前に、私は目の前のテーブルの足を蹴った。
床で割れる皿が気味の良い音を奏でる。
上下関係という言葉を知らなさそうなバカ二人に高級料理がかかる。
「ちょっと! テーブルマナーというものを知らないの!? 妹をちょっとでも見習えないの!?」
「見習う……? 不当な理由で虐げられている姉を更に虐げる令嬢とやらを見習う必要がお有りですか?
それに、一流の家庭教師を付けてもらっているくせにあんな成績を取るって……一体何の冗談ですか?」
私も、何か理由があれば成績のことは引き合いに出さなかったが、あれはただのサボりだ。引き合いに出しても何ら問題ないだろう。
「……ッ! あんたこそ生意気よ! 何でゴミ同然のあんたよりもアタシの方が成績悪いわけ!?」
「…………惨めね」
「ハァ!?」
ソースがついたお高いドレスを身につけてギャーギャー騒がれても、こんな感想しか出てこないわよね?
騒いでる暇があるなら努力することをオススメするわ。
「ではうるさいので私はこのくらいで」
「待ちなさいよ!」
バカ部下はバカ部下なりに黙ってればいいものを……。
私は彼女にとっての一生の思い出になるように、プレゼントを送ることにした。
「ぶはっ!」
最高級のチョコレートケーキ、顔面で味わいなさい。
「私も嬉しいです。あなた様の満面の笑みが見れる日が来るなんて思いもしませんでした」
なーんて、思ってもいないけれどね。
明日からこの家から離れられるなんてこっちこそ嬉しい……と言いたいところではあるが、これからどんな仕打ちを受けるのかと考えるほど気持ちは沈んでゆく。
今と同じならばまあまあ、小間使いで万々歳、性奴隷だったら外れなのだけれど……今のところ性奴隷になる確率が高いのがネックである。
「わたくし、お姉様の幸せをお祈りしておりますわ!」
嘘つけ。今よりも酷い待遇になることを望んでるくせに。
「ああ、いい上司が去ってしまうなんて……」
最後に上司と認めてもらえるなんて夢みたいだな。早く醒めて欲しい。
「本当に私の周りは優しい人ばかりね!」
いやいや、それなら何で私を虐めたことがある方々で囲んだ挙句、私だけご飯がペットの犬に与える飯になってるんだよ。
待てよ、この食事、いつもと変わらないどころかグレード上がってるんじゃ?
本当に私普段何食べてるんだよ。
「明日から穢れの存在になるお姉様が残念ですから今のうちに抱きついておきましょう」
性奴隷確定みたいなこと言わないでくれるかな?
しかも、苦しいし気持ち悪い……。
「この長い髪、引っ張られると痛いでしょうから切ってしまいましょう。石包丁持ってきてもらえるかしら?」
石包丁!? 何、弥生時代なのここ!?
「それ、いいアイデアだわ! せめてもの餞別に切っちゃいましょう」
おかしいわ、名門(笑)と呼ばれる学校を出ているはずの部下なのに『餞別』っていう言葉と『犯罪』という言葉の意味を混合しているなんて……にわかに信じ難い。
「お母様、そこにある石でもよろしいのでは?」
「それいいわね。全く、宝石で髪を切ってもらえるなんて早々ないわよ?」
やって欲しいのなら喜んでやって差し上げますのに。
あと『切る』と『ちぎる』を間違えています。
「「せーの!」」
髪がちぎられたのが分かった。残った髪へのダメージは計り知れない。
……さて、私は一体どう反応しろというのだろうか。
「凄いです! スタイリッシュですわ!」
ああもう、絶対出来栄え悪いよこれ。
まあ、適当にちぎった髪の毛の出来栄えがいいなんてハナから思っちゃいないが。
「新しい門出感がするわ」
何でもかんでも〇〇感って言っとけばいいってもんじゃないぞお義母様……バカよ。
「何かいいわね!」
どれだけ裏口入学が横行しているかが分かるわね。嬉しくない。
「明日からこの家の敷居を跨ぐことはないのだから……今日くらい無礼講でいいのよ?」
前世も今世も『無礼講でいい』って言われて無礼講でよかったことなんて一度もなかったし、言ってないのにアンタらだけずっと無礼講だったわね。
……まあ、そんな空間も今日で終わりなのかしら?
「分かりました。無礼講でよろしいのですね?」
「えっ」
今、『えっ』て言ったの聞こえたぞ年長バカ。
何か反論される前に、私は目の前のテーブルの足を蹴った。
床で割れる皿が気味の良い音を奏でる。
上下関係という言葉を知らなさそうなバカ二人に高級料理がかかる。
「ちょっと! テーブルマナーというものを知らないの!? 妹をちょっとでも見習えないの!?」
「見習う……? 不当な理由で虐げられている姉を更に虐げる令嬢とやらを見習う必要がお有りですか?
それに、一流の家庭教師を付けてもらっているくせにあんな成績を取るって……一体何の冗談ですか?」
私も、何か理由があれば成績のことは引き合いに出さなかったが、あれはただのサボりだ。引き合いに出しても何ら問題ないだろう。
「……ッ! あんたこそ生意気よ! 何でゴミ同然のあんたよりもアタシの方が成績悪いわけ!?」
「…………惨めね」
「ハァ!?」
ソースがついたお高いドレスを身につけてギャーギャー騒がれても、こんな感想しか出てこないわよね?
騒いでる暇があるなら努力することをオススメするわ。
「ではうるさいので私はこのくらいで」
「待ちなさいよ!」
バカ部下はバカ部下なりに黙ってればいいものを……。
私は彼女にとっての一生の思い出になるように、プレゼントを送ることにした。
「ぶはっ!」
最高級のチョコレートケーキ、顔面で味わいなさい。
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