538 / 561
静寂の町に潜む闇
解決と後悔
夜明けの冷えた空気の中、助け出した子どもたちと洞窟を後にした。
腕の中には泣き疲れて眠った子ども。
体は小さく、呼吸は浅い。
だが温もりは明確に伝わり、その重みが「間に合ったのだ」と教えてくれる。
背後では捕らえた女主人が縄で縛られ、うなだれていた。
戦力的に叶わないと悟ったようで、無力化した後の住人たちは抵抗することなく協力的だった。
人々に笑顔でパンを売り、酒を注いできたその女が、信者たちの先頭に立って儀式を進めようとしていた――。
その事実を受け止めるのは重々しい感覚を伴う。
この胸にはまだ、洞窟で見た炎と禍々しい光景が焼きついている。
だが朝の光を浴びた町の屋根は穏やかで、煙突から上がる白煙すら、何事もなかったかのように澄んでいた。
静けさに包まれた通りを歩くうちに、逆に胸の奥がざわついていく。
あの惨劇とこの平穏との落差に心が追いつけずにいた。
広場に足を踏み入れると、すでに人々が集まってきていた。
寝巻き姿の者もいれば、農具を握ったまま駆けつけた者もいる。
夜明けの冷気に吐く息を白くしながら、皆が俺の腕の中の子どもと、その後ろに縛られた女主人を見てざわめいた。
「嘘だろう……あの人が」
「いつも子どもにパンをくれていたのに」
声が交錯し、次第に沈黙に変わる。
驚きと恐怖、そして信じたくない気持ちが町全体を覆っていった。
事実を伝えるべきか迷いながらも人々の前に立ち、静かに言った。
「俺はこの目で見た。洞窟で彼女が子どもを連れ去り、儀式の準備を進めていたことを。……ただ、ひとつ聞かせてほしい。皆、本当に何も気づかなかったのか?」
声を荒げたわけではない。
だがその問いに、誰も目を合わせようとはしなかった。
うつむいた顔に、後悔と怯えがにじむ。
やがて、年配の男がかすれた声でつぶやいた。
「気づいていた……。いや、正しくは、気づかぬふりをしていたんじゃ」
広場に重苦しい沈黙が落ちる。
するとそこで、町長が一歩前に進み出た。
丸めた背中と深い皺の刻まれた顔をさらに歪めながら、声を絞り出す。
「私は……わかっていた。子どもが消えていくことも、女主人の動きも。だが、豊穣の神の加護を失うのが怖かった。町の暮らしを守るためだと、自分に言い聞かせていた」
その告白に人々はざわめき、すぐに押し黙った。
町長の目には涙がにじんでいる。
「私は町を守る立場でありながら、子らを差し出す選択を黙認してしまった。……許されることではない」
その言葉は広場全体を貫き、誰もが口を閉ざした。
悔恨の重さが朝の陽光さえ鈍らせるかのようだった。
俺はしばらく黙り、眠る子どもの体温を確かめるように抱き直した。
やがて静かに口を開いた。
「恐れや迷いがあったのだろう。それは理解できる。けれど――命は、どんな加護より重い。失ってからでは遅いんだ」
その言葉に、町長は嗚咽を漏らし、肩を落とした。
人々も次々と目を伏せ、悔恨に揺れる表情を見せた。
広場にはすすり泣きが広がり、誰もが己の胸の奥を見つめ直していた。
その時、馬の蹄の音が響いた。
徐々に近づく足音に意気消沈していた住人たちが視線を向ける。
後ろを振り向くと一人の青年が町に入ってくるところだった。
革鎧をまとい、腰に剣を帯びた冒険者風の姿。
朝日を背に受け、まだ若いその顔は引き締まっていた。
彼は周囲を見渡し、状況を察したように馬を降りた。
「何があった?」
周囲を窺うような眼差しで問いかけてきた青年に、俺は女主人を示した。
「この町で子どもがさらわれ、信仰の名のもとに儀式が行われようとしていた。だが阻止した。――黒幕はここにいる女性だ」
青年は目を見開き、やがて頷いた。
「わたしはブライト。この町に立ち寄った冒険者だ。放ってはおけない。彼女の身柄を預けてくれないか? 国境近くの兵士に引き渡そう」
頼もしい声音に、人々が小さく安堵の息を漏らした。
俺は縄を持ち直し、女主人をブライトに託した。
彼女はなおも無言のまま、遠くを見つめている。
ブライトは受け取ると、真剣な眼差しをこちらに向けた。
「あなたは……この町を救ったのだろう? 名を聞いてもいいか」
「マルクだ。ただの旅人にすぎない」
「そうか。だが、この町はあなたに感謝しなければならない」
そう言うブライトの言葉に人々も小さく頭を下げた。
俺はうなずいて返すと、何気ない調子でたずねた。
「ひとつ教えてくれ。この町は、どの国の領地なのだ?」
ブライトは少し驚いたように眉を上げ、答えた。
「ここはセルゲン王国の辺境だ。隣国のエスタンブルクからは遠く離れている。わたしの知識が合っていれば、土着の信仰がまだ残っている土地柄だったか……」
セルゲン王国――聞き慣れない名だ。
だが確かに、ランス王国ともエスタンブルクとも違う空気をこの町は持っていた。
俺は小さく息を吐き、子どもの寝顔を見下ろす。
広場にはようやく、安堵の空気が漂い始めていた。
女主人が捕らえられたことで、人々の沈黙は破られ、町に差しこむ朝日が闇を押しのけていく。
この町の住人たちの後悔と罪が消えることはないだろう。
だが、これ以上の犠牲は出させまいと人々はようやく声を上げたのだ。
俺は子どもを兄妹の元へと返す準備をしながら、心の中でひとつだけ願った。
――どうか、この町が再び沈黙の闇に晒されることがないようにと。
戦いは終わった。
女主人は捕らえられ、子どもは戻り、町は再び息を吹き返した。
俺は静かに目を閉じ、その事実を胸に刻んだ。
腕の中には泣き疲れて眠った子ども。
体は小さく、呼吸は浅い。
だが温もりは明確に伝わり、その重みが「間に合ったのだ」と教えてくれる。
背後では捕らえた女主人が縄で縛られ、うなだれていた。
戦力的に叶わないと悟ったようで、無力化した後の住人たちは抵抗することなく協力的だった。
人々に笑顔でパンを売り、酒を注いできたその女が、信者たちの先頭に立って儀式を進めようとしていた――。
その事実を受け止めるのは重々しい感覚を伴う。
この胸にはまだ、洞窟で見た炎と禍々しい光景が焼きついている。
だが朝の光を浴びた町の屋根は穏やかで、煙突から上がる白煙すら、何事もなかったかのように澄んでいた。
静けさに包まれた通りを歩くうちに、逆に胸の奥がざわついていく。
あの惨劇とこの平穏との落差に心が追いつけずにいた。
広場に足を踏み入れると、すでに人々が集まってきていた。
寝巻き姿の者もいれば、農具を握ったまま駆けつけた者もいる。
夜明けの冷気に吐く息を白くしながら、皆が俺の腕の中の子どもと、その後ろに縛られた女主人を見てざわめいた。
「嘘だろう……あの人が」
「いつも子どもにパンをくれていたのに」
声が交錯し、次第に沈黙に変わる。
驚きと恐怖、そして信じたくない気持ちが町全体を覆っていった。
事実を伝えるべきか迷いながらも人々の前に立ち、静かに言った。
「俺はこの目で見た。洞窟で彼女が子どもを連れ去り、儀式の準備を進めていたことを。……ただ、ひとつ聞かせてほしい。皆、本当に何も気づかなかったのか?」
声を荒げたわけではない。
だがその問いに、誰も目を合わせようとはしなかった。
うつむいた顔に、後悔と怯えがにじむ。
やがて、年配の男がかすれた声でつぶやいた。
「気づいていた……。いや、正しくは、気づかぬふりをしていたんじゃ」
広場に重苦しい沈黙が落ちる。
するとそこで、町長が一歩前に進み出た。
丸めた背中と深い皺の刻まれた顔をさらに歪めながら、声を絞り出す。
「私は……わかっていた。子どもが消えていくことも、女主人の動きも。だが、豊穣の神の加護を失うのが怖かった。町の暮らしを守るためだと、自分に言い聞かせていた」
その告白に人々はざわめき、すぐに押し黙った。
町長の目には涙がにじんでいる。
「私は町を守る立場でありながら、子らを差し出す選択を黙認してしまった。……許されることではない」
その言葉は広場全体を貫き、誰もが口を閉ざした。
悔恨の重さが朝の陽光さえ鈍らせるかのようだった。
俺はしばらく黙り、眠る子どもの体温を確かめるように抱き直した。
やがて静かに口を開いた。
「恐れや迷いがあったのだろう。それは理解できる。けれど――命は、どんな加護より重い。失ってからでは遅いんだ」
その言葉に、町長は嗚咽を漏らし、肩を落とした。
人々も次々と目を伏せ、悔恨に揺れる表情を見せた。
広場にはすすり泣きが広がり、誰もが己の胸の奥を見つめ直していた。
その時、馬の蹄の音が響いた。
徐々に近づく足音に意気消沈していた住人たちが視線を向ける。
後ろを振り向くと一人の青年が町に入ってくるところだった。
革鎧をまとい、腰に剣を帯びた冒険者風の姿。
朝日を背に受け、まだ若いその顔は引き締まっていた。
彼は周囲を見渡し、状況を察したように馬を降りた。
「何があった?」
周囲を窺うような眼差しで問いかけてきた青年に、俺は女主人を示した。
「この町で子どもがさらわれ、信仰の名のもとに儀式が行われようとしていた。だが阻止した。――黒幕はここにいる女性だ」
青年は目を見開き、やがて頷いた。
「わたしはブライト。この町に立ち寄った冒険者だ。放ってはおけない。彼女の身柄を預けてくれないか? 国境近くの兵士に引き渡そう」
頼もしい声音に、人々が小さく安堵の息を漏らした。
俺は縄を持ち直し、女主人をブライトに託した。
彼女はなおも無言のまま、遠くを見つめている。
ブライトは受け取ると、真剣な眼差しをこちらに向けた。
「あなたは……この町を救ったのだろう? 名を聞いてもいいか」
「マルクだ。ただの旅人にすぎない」
「そうか。だが、この町はあなたに感謝しなければならない」
そう言うブライトの言葉に人々も小さく頭を下げた。
俺はうなずいて返すと、何気ない調子でたずねた。
「ひとつ教えてくれ。この町は、どの国の領地なのだ?」
ブライトは少し驚いたように眉を上げ、答えた。
「ここはセルゲン王国の辺境だ。隣国のエスタンブルクからは遠く離れている。わたしの知識が合っていれば、土着の信仰がまだ残っている土地柄だったか……」
セルゲン王国――聞き慣れない名だ。
だが確かに、ランス王国ともエスタンブルクとも違う空気をこの町は持っていた。
俺は小さく息を吐き、子どもの寝顔を見下ろす。
広場にはようやく、安堵の空気が漂い始めていた。
女主人が捕らえられたことで、人々の沈黙は破られ、町に差しこむ朝日が闇を押しのけていく。
この町の住人たちの後悔と罪が消えることはないだろう。
だが、これ以上の犠牲は出させまいと人々はようやく声を上げたのだ。
俺は子どもを兄妹の元へと返す準備をしながら、心の中でひとつだけ願った。
――どうか、この町が再び沈黙の闇に晒されることがないようにと。
戦いは終わった。
女主人は捕らえられ、子どもは戻り、町は再び息を吹き返した。
俺は静かに目を閉じ、その事実を胸に刻んだ。
あなたにおすすめの小説
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身、動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物や魔法、獣人等が当たり前に存在する異世界に転移させられる。
彼が送るのは、時に命がけの戦いもあり、時に仲間との穏やかな日常もある、そんな『冒険者』ならではのスローライフ。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練とは如何なるものか。
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
転生三男のまったり開発記 ~魔法がなくても、前世の知識とガラクタいじりで世界を便利に変えていきます~
戯言の遊び
ファンタジー
【前世のオタク知識で、不便な異世界をちょっと便利に大改造!】
前世は「何でも屋」の息子で、機械の解体と研究をこよなく愛する技術オタク。
そんな俺が転生したのは、魔法が存在するものの非常に不便な中世レベルのファンタジー世界だった。
しかも、辺境を治める貧乏男爵家の三男坊という、家督の重圧もない完全なる「自由枠」
豊かな自然という名の素材の宝庫を前に、俺の技術オタクとしての血が騒がないわけがない!
風で飛んでいく洗濯物と手荒れに悩むメイドのため、ただの木切れを削って作った『洗濯バサミ』
それが屋敷中で大絶賛されたのを皮切りに、気難しい凄腕の鍛冶職人や、利益の匂いに敏い若き女商人を巻き込んで、俺の「ちょっと便利なモノづくり」はどんどんエスカレートしていくことに!?
大げさな魔法もチートもない。
けれど、前世の知識と底なしの探究心で、不便な世界をまったりと便利に成り上がっていく、三男坊の領地開発記!
転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化!
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。
どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。
- カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました!
- アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました!
- この話はフィクションです。
オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい
広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」
「え?」
「は?」
「いせかい……?」
異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。
ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。
そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!?
異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。
時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。
目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』
半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。
そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。
伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。
信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。
少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。
====
※お気に入り、感想がありましたら励みになります
※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。
※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります
※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります
52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった
よっしぃ
ファンタジー
【祝!3/22~25 ホットランキング第1位獲得!】
皆様の熱い応援、本当にありがとうございます!
ファンタジー部門6位獲得しました!感謝です!
【書籍化作家の本気作。まず1話、読んでください】
電車でマナー違反を注意したら、逆ギレされて殴られた。
気がついたら異世界召喚。
だが能力鑑定は「なし」。魔力適性も「なし」。
52歳のおっさんに、異世界は容赦ない。
結論――王都の地下下水道に「廃棄」。
玄湊康太郎。職業、設備管理。趣味、健康管理。
血管年齢は実年齢マイナス20歳。
そんな自慢も、汚物まみれの下水道じゃ何の役にも立たない。
だが、転んだ拍子に起きた「偶然の浄化」が、すべてを変えた。
下水には、地上の連中が気づかない「資源」が眠っている。
捨てられた魔道具。
長年魔素を吸い続けた高純度魔石。
そして、同じく捨てられた元聖女、セシリア。
チート能力なし。異能なし。魔法も使えない。
あるのは、52年分の知識と経験、そして設備屋としてのプロ意識だけ。
汚物を「資源」に変え、捨てられた者たちと共に成り上がる。
スラムから始まる、おっさんの本気の逆転劇。
この作品には、現代の「病気」と「健康」に対する、作者の本気のメッセージが込められています。
魔力は毒である。代謝こそが命である。
軽い気持ちで読み飛ばせる作品ではありません。
でも、だからこそ――まず1話、読んでください。
【最新情報&著者プロフィール】
代表作『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』(オリコンライトノベル部門18位記録)の著者が贈る最新作!
◆ 2月に待望の【第2巻】刊行!
◆ 現在、怒涛の展開となる【第3巻】を鋭意執筆中!
◆ 【コミカライズ企画進行中】!
すでにキャラデザが完成し、3巻発売と同時に連載スタート予定です。絶対的な勢いで駆け上がる本作に、ぜひご期待ください!
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!